表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/68

大陸の歴史

試験勉強やばすぎる…

そこら辺の大学よりはるかに難しい問題を出してくる。マジで。

書いてる暇がない(ノД`)・゜・。

 ひんやりとした図書館の中に入る。

懐かしい本のいい匂いがあたりに漂っている。

この図書館では何万という数の蔵書が収められていて、途中で行く必要がなくなるなんてことはないだろうし、読む本がなくなるなんて言うこともないはずだ。

 


 そろそろ教室では3時間目の筆記の授業が始まるらしい。

図書館はひっそりとしていて、動くものは俺ぐらいしかいない。

そういう俺はほとんどの授業、およそ3分の1しか出ていなくて、ほとんど幽霊みたいな扱いになっている。






 この図書館は3階建てになっていて1,2階は一般の生徒でも見られるのだが、3階は禁書庫になっている。

部屋の前に警備の人が四六時中立っていて、奥の扉には厳重な封印が施されている。

今も扉に赤く脈動する魔法陣が鈍く輝いている。


 

 禁書庫はそんな雰囲気だろうかと3階に行ってみると、ぎろりと禁書庫の前に立っている警備の人ににらまれるのでおとなしく退散する。



 仕方がないのでまた1階に戻り、歴史の本から読み始める。

本の名前は「歴史大典その1」

 この本は神話の時代のあやふやなことはすべて省き、史実道理に書いたものだと言われ、歴史を学ぶものが一番初めに読む本がこれだとも言われている。

古臭い本を開いてみると、中からカビの匂いがほのかにあたりに漂う。

さて、何が書いているのだろう?




 この世界の最初の歴史は1300年以上昔に戻る。

この大陸にはかつて3つの国家が存在していた。


 1つは今も残っているミルドガルムス帝国。


 もう1つは神国オーケイン。神をあがめる狂信者の国家。


 残る1つは南部自由連合国家。国というのもおこがましい国家がうえの2つの国家の火の粉を防ぐために寄り集まった国の集まりだ。今の国際連合みたいなものだろう。

だが結束は国の命もあるため、はるかに強力だった。


 この3つの国家が大陸の覇権争いを続けていた。

 勢力としては帝国と神国が伯仲。連合国家がそれより数段落ちるといったところか。

場所は帝国が大陸の最北。神国が真ん中。連合国家が南に位置していた。

そのほかの国家はよくて町単位。ほとんどが村といった形をとり、戦火にさらされていた。

帝国と神国は犬猿の仲であり、ひたすら何百年も小競り合いを続けていた。


 その勢力伯仲が崩れたのは1000年ほど昔、凶作にあえいだ連合国家が軍隊を組み神国に侵略、略奪を開始する。


 怒り狂う神国が南部自由連合国家に反撃をして、連合国家の必死の抵抗もむなしく半年ですべての地が征服される。


 しかしいかに神国といえども兵の数は無限ではない。

久しぶりの全面戦争にだいぶ国力を消耗していた神国は帝国の全面攻撃によりあっけなく崩壊。

首都や小さな都市までもが帝国の猛威にさらされ分裂をする。


 そして3国戦乱時代は終わりを迎える。

この300年間を「血の災厄」ともいう。

 

 これを機に帝国は表舞台から姿を消し、内政に専念。

戦争とは文明の発展をもたらす。

各地に飛び散った知識は人々の生活を向上させ、たくさんの国家ができるものの争いはほとんどない平和な時代だった。

「血の災厄」は人々の心に戦争を深く忌避させる出来事でもあったのだ。


 ちなみに神国は5つの国家に分裂。

1つはレイヴァルト教国に他の4国はそれを取り囲むような形だ。

教国には神国時代の失われし技術を保有していて、かなりの国力があるという。

南部自由連合国家は20ほどの国家に分裂したが特別強い国というのは存在せず似たり寄ったりだ。


700年の平和…


 それは異常なほどの長さだった。

親は子に、子は孫に語り継ぎ絶対に戦争を避けようとしていた。


 転機が訪れたのは今から300年と少し前。

別の大陸からこの大陸より10年ほど文明の進んだ人たちが船に乗り、大陸の南に進出してくる。

肌の色が紫で頭頂に角を持ち桁違いの寿命を持つ人たちは魔族と言われた。


 魔族は一度も敗戦をしたことのない種族。

選民意識に縛られていて、人間を下等生物とみなし、従属化させようとする。

友好的に迎えた人たちを皆殺しにして侵略を開始して、全土を支配しようともくろむ。

700年ろくに戦争したことのない人間たちは魔族の圧倒的な力に次から次へと敗北していく。

あわや全世界が支配されようとしたとき、教国の神国時代の技術を使い、勇者を召喚する。

勇者たちのおかげで防衛線を思いっきり押し下げ、魔族を南部に封じ込めることに成功。

魔族も人間を侮りすぎたと反省し、侵略戦争を中止して南部の地にて軍拡を始める。


 100年後にかつての数十倍まで力を増した魔族軍は勇者がみな老衰で死亡したと見るや侵略を再開。

これに教国も勇者召喚で対抗しようとするが、魔族の事前に打った手、寝返らせた神官に育ちきっていない勇者を毒殺する手によって封じられる。

勇者のいない脆弱な国家群を瞬く間に占領する。


 帝国を除き!!


 魔族の野望はとどまることを知らず世界最強と言われる帝国をも支配下に置こうとする。

魔族も敗北を機に情報収集の大切さを認識するも帝国を甘く見すぎたのが原因か、上位種族の怠慢さというべきか。

恐ろしいという従属させた人間たちの声をあざ笑い、無視をする。

こんな雑魚どもの恐ろしいというのは、大したことがないと

ここで歴史が変わったのかもしれない。


 帝国の地を踏んだ魔族軍10万。

半日で皆殺しの憂き目にあう。

焦った魔王は各国に駐在させていた魔族すべてをつぎ込み仕掛けるもののほとんど相手にされず一蹴される。

支配するもののいなくなった地は次から次へと独立を果たし、また世界に平和が戻り、帝国の力を恐れた魔王は侵略の意思を失い南部を支配するのみにとどまる。

そして帝国は世界最強の国家と改めて認知されるようになる。

この戦乱の後、世の中は帝国の不干渉主義を見て互いに相争うになる。

彼らが恐ろしいのは帝国のみ。

帝国が沈黙を貫くなら、怖いものは何もないというばかりに軍拡に走っていく…





 これが今読んだ、この大陸の大筋の出来事だった。

子供のころ読んだ勇者の本は1回目の魔族侵略に対抗してのものであり、2回目もあったなんて知らなかったぐらいだ。

おそらく支配されていたという不都合な歴史を隠すためなのだろう。

だが本に書かれていることも知らずに、ひたすらに事実を隠そうとする国に失笑をせざるを得ない。

もしくはすでに魔族の侵略は2回あったことすら知らないかもしれない。

歴史を知るのは面白い。

このような世界の力関係、因果関係、世界の真実が読み取ることができるからだ。



 




 ちなみに地図を見たのだが、この世界がまだ測量のやり方も確立されていないのか、非常に大雑把な地図になっていた。

 さすがに自国の地図の、都市の位置などはそれなりに正確なものの、他国になるとほとんどが空白になっていてどこに都市があるのかも定かではない。

 互いに今は大きな戦争をしていないとは言え、国と国との関係は冷え切ったままだ。

またどことどことが小競り合いを繰り返したっていう話も日常茶飯事だ。

他国に正確な情報を与えまいとしているのだろう。

 

 うちの領地は魔物に対する防衛で、領民に対する徴発は行われていなかったがほかの都市ではそれなりにひどいらしい。

成人男性の数も少なく、この世界では複数の女の人と結婚することも認められている。





 この本はとても厚くまだ半分も読み終わっていないのだが授業の終わりの鐘が鳴るのでまた教室に戻る。



  黒板には四則演算の基本的な問題がズラズラと書かれており、生徒は頭をひねりながらカリカリとやっている。


 ああそういえばこの学園の創始者や転生者又は召喚者のことも調べないとな、そこもあやふやすぎるし、学ぶことはたくさんある。

今の歴史書を読み終わったら次は異世界人について調べよう。





「それじゃ帰りのホームルームを始めよう。今日はみんなも初めての授業で疲れていると思うがだれずに聞いてくれ」


 こまごまとした連絡事項をケインが告げていく。



 ホームルームの最後にお決まりともいえる事実を告げられる。


「あとさいごに。5月に遠足があるからな。親にもその話を伝えておいてくれ」


 一斉に教室が歓声に包まれる。


「楽しみね」


「そうね、エリザベス」


 遠足なんて何年振りなのだろうか?


「場所、日時については後程に詳しいことを知らせる」


 その言葉でホームルームは締めくくられ、俺たちは解散をする。

昼というには遅すぎ、夕方というには早い時間。

低学年らしき生徒は例外なく学園の近くの寮に移動、高学年の方はまだ授業があるようだ。

図書館に居残ってもいいのだが、いくらでも行けるためさっさと家に帰る。






「ただいま」


「お帰り、レオン」


 家に帰り、メイドさんの入れてくれた紅茶を飲みホッと一息をつく。

あたりに紅茶のいい匂いが漂う。


「どうだったの?学園は」


「う~ん、魔法は微妙だった。みんなあまりにもセンスがなさすぎるし第一人数が多すぎる」


「あなたみたいな天才がそこら辺にいたら逆に怖いわよ」


「魔法はそこまで難しいとは思えないんだけどな。」


「慣れているからよ」


「ふ~ン、あっ、あと今度5月に遠足があるらしいよ」


「えっ、そうなの!? それじゃ弁当を作ってあげる」


「そうね… いるかどうかはまだわからないね。今度紙が配られるから見せるね」


「わかったわ」


「それと学園の図書館もすごいんだよ。何万冊ものあってね」


「それはすごいわね」



 のんびりと2人でだべりながら、時間をつぶしていく。

楽しい時間はあっという間に過ぎる。







帝国強くしすぎた…

あとで苦労するな…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ