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入学式2

 廊下を進み、教室へと向かう。

学園は石造りでできた堅牢な建物のため廊下も冷たく感じられる。

全体的に薄暗くひんやりとした廊下を歩く。


 それぞれが案内された教室に向かって歩いていく。

僕の行く1年A組は一階の最も学園の奥にあるらしく、周りの人がどんどん消えていく。

次第にこの道が正しいのか不安になってくる。

何しろこの学園はとてつもなく広いのだ。端から端まで歩くのにも相当な時間がかかるのだ。



 次第に少なくなってくる人に隣のエリザベスも不安な顔をしている。


「ねぇ本当にこの道であっているの?」若干声が震えている。


「わからないけど,この通りに進むしかないからね…」


 心配しても無駄なのでスキルのことを考察をしながら進む。

この前に強奪した【鑑定】について考える。


 鑑定とは鑑定した物の詳細を事細かに教えてくれるものである。

情報をたくさん得ることができるものの、それ自体に力はない。

ちなみに赤ちゃんの頃から疑問に思っていたスキルレベルについてだがようやくわかった。

レベル1で中級者

レベル2で上級者

レベル3で一流

レベル4は英雄のレベル

レベル5は伝説の勇者、魔王クラスしか持っていないようだ。

俺のスキルは相当に出来がいいようだ。

やっぱり知らないことがわかるとさっぱりとした気持ちになる。




 なぜこの前の転生者が、鑑定を持っているだけで「最強」とか言っていたのは未だに謎だ。

またラノベの主人公がどうして鑑定で無双できるのかが不思議だ。

役に立つものの、神様からもらったスキルのうちではレア度は高くないもの方だろう。


 しかし、今の僕には役に立つ。

なぜか?

スキル強奪のスキルはスキルを奪う際に、相手のスキルの詳細を把握していないといけないのだ。

そのため、今まで奪えたスキルは剣術に嗅覚上昇に鑑定のみだ。

鑑定に関しては相手がバカで、スキルの詳細をべらべらしゃべってくれたおかげで奪えたのだが、剣術と嗅覚上昇は子供のころの無駄に有り余る日々をどんなスキルをゴブリンとオークが持っているのを数うちゃ当たる作戦で奪ったものだ。

だがこのスキルのおかげで一日に一回しかスキル奪えないという制約を無駄にすることがなくなる。

もし、俺が最高効率で一日も休まずに強奪を続けてたら今の数倍は強かっただろう。

最もノイローゼになる代わりにだが…




 気分晴らしに隣のエリザベスを鑑定してみる。

(鑑定)



__________________________________________

名前 エリザベス・ジェイナ・ローレンシア

種族レベル 14

種族 人間

年齢 10歳

スキル 剣術lv1

    火魔法lv1

特殊スキル 王家の血

装備 最高級の絹の服

   最高級の絹のスカート

才能値 3


__________________________________________


 



 このスキルを持ちしばらく使ううちに一番重要なのは才能値だと分かった。

才能値が高ければ高いほど何でもすぐに習得、学ぶことができるようになるのだ。



 鑑定をしていても強い人ほどこの値が高いのだ。



 今までで一番才能値が高いのは俺なのだが、俺以外で行くと一番高いのはハロルドさんの7だ。

一般人の平均が1。

それを考えるといかにエリザベスがすごいのかがわかる。


 最も俺の才能の高さは転生者補正なのかと思うこともある。

あまりにも高すぎるからだ。




 しかし特殊スキルとは何だろう?

強奪できるのだろうか…

いやそんなことを考えてはいけない。

ばれたら殺されそうだ。




 ボーっと考え事をしていると


「何をぼ~っとしてるのよ。もうつくわよ」


 ふいに声をかけられ我に返る。

目の前に石造りの重厚な扉が存在している。

思わず開けるのをためらうような扉だ。

手前から奥に行くほど扉が立派になっていくと思ったが…


 生徒たちの競争心をあおるための仕組みにしているのだろう。

いい学園生活を送りたいなら上にあがれと。

みじめな生活を送りたくないなら這い上がれと。

完全な差別制度で現代の日本ならバッシングを食らいそうなものだ。




 教室に入ると、広々とした教室が目の前に開けていた。

40人で使うには広すぎなおよそ100人は入れそうな広さの教室だった。

机と机の間も1m以上離れていて個人のためのスペースも広くとられている。

教室の備品も黒光りする机、なめらかな肌触りの椅子の上のクッションなど相当な高級品だと分かる。



 教室にはすでに9割ほどの人が来ていて相当後の方に来たことがわかる。

ぎろりと既にいる人からにらまれる。

背中に視線を受けながら黒板の前に張られている座席表を確認する。



 席は教室のいちばん右の前から成績順に並んでいるようだ。


 

 2番目の転生者は俺が殺してしまったので真後ろは王女様だ。

そのまま指定された席へと座る。

俺たちにさっと視線が集まりヒソヒソが交わされる。

お互いにさっき出会ったばかりだというのに仲が良いことだ。



 嫉妬の視線に羨望の視線が向けられる。

ところどころで顔が赤くなっている女の子もいる。

居心地が悪いので早く先生に来てもらいたい。

後ろからエリザベスも


「居心地が悪いわね」


 と言ってくる。

まったくもってその通りだ。


 それからしばらくしないうちに担任の先生がやってくる。

金髪碧眼の、服の上からでもわかるほど引き締まった体つきをしていて鋭い眼光を持っている人だ。

どかどかと入ってくると


「俺がAクラスの担任をやることになるケインだ。これから10年よろしくな。今日の予定としてはこれからの授業のオリエンテーションに制服の購入がメインだ」


 嵐のように来て矢継ぎ早に言う。

あっけにとられるものの配られるプリントを見てこれからの予定を把握する。




 俺の場合は武術はハロルドに教えてもらうためほかのところでの受講。

魔法は普通に受け、筆記の勉強は図書館に入り浸ることになりそうだ。


 1回の授業は1時間半やることになっていて相当の長さだ。

10歳の子供では相当にキツイ分量だ。


 またAクラスでは貴族でなくても魔法を教えてくれるのだが、いかんせん魔力が増えるのは小さい時なので伸びる見込みはほとんどないのだ。



 様々な年中行事も書かれているが今は気にすることではない。


「あと、レオンは特別な講座だから気をつけろよ。学園長から聞いていると思うが」


 わかっているので言わないでほしい。


 周りの視線がかなり痛くなるから…

チッと舌打ちをする声も聞こえる。

そういう嫉妬の視線を気にせずに先生の話を聞き進めていく。


 


 勉強の方針としてもここはかなりの自由が認められているらしく、上のクラスになればなるほど自由の幅は大きくなるらしい。

それと同時にまじめにやらない人は強制的に学園を退園させられるらしい。




 その次に自己紹介が始まる。

自己紹介の順番としては成績のいいものから始まるので俺が一番初めになる。


 「こんにちは皆さん。レオン・レンフィールドです。これからもよろしくお願いします」


 さっぱりと短いスピーチで終わらせる。

もう少ししゃべろと目が言っていたが、特にしゃべるべきこともないので無視をする。

自己紹介が終わるとまばらな拍手がおこる。

しかも拍手しているのは女の子のみだ。

男の子の方から徹底的に嫌われているようだ。

先生が拍手を促したのでしぶしぶ全員がやることになっていた。



 次から次へと自己紹介が始まる。

みな俺を目の敵にしているのか貴族には負けませんと連呼してくる。

日本で高等教育を受けた俺にはかなわないと思うが・・・

ちなみに貴族は俺のみ。

残りは王族1人に平民だらけだ。

同じ貴族として情けなくなってくる。



 やがて40人全員の自己紹介が終わり制服の購入に行く。

制服は大部分は日本の制服と同じ上下ともに黒色の服だ。

日本と違う点はマントを羽織ることだろうか。

マントは上のクラスから黒、赤、青、黄色、緑と並びそれ以下は白色をしている。

ここでもクラスによる差別化が図られている。

またマントの端の1cmほどの部分は、1年は赤、2年は青、3年は緑、4年は黄色、5年は黒、6年は白、7年は紫、8年は橙、9年は茶、10年はピンクで持ち上がり制、つまり10年間ずっとマントのヘリは赤なわけだ。

俺は黒に赤の縁取りのマント、それに主席専用の金色の1cmほどのバッジをもらう。

学園の備品はすべて国の税金から出ているので平民でも通えるのだ。


 もらったばかりのマントは艶やかで新品のいい匂いがしている。

明日からはこれを着ることになるのだ。

何とも懐かしい気分だ。

この新しい制服の匂いは気持ちを新たに引き締める。




 明日から10年頑張っていこう。









____________________________________


 


 とあるところで最高権力者の会議が行われる。

顔の見えない、声からして若い男性が1人奥まったところに座っている。

また一段下がったところに20人ほどの人が向かい合い話し合っている。


「密偵からの知らせだ。ローレンシア王国で神童が現れたらしい」


 しゃがれた声が聞こえる。


「がぜではないのか?」


 幾人かがそれに同調するかのようにうなづく。


「いや信頼できる情報筋からだ」


「具体的には?」


「学園を歴代最高の4倍で試験を通ったやつだ」


「あの学園を? 我々でも半分取るのは厳しいというのに…」


 どよめきの声が広がる。


「それの名前は?ぜひ取り込みたい。我が国に」


 奥の男性からの発言だ。


「レオン・レンフィールドというらしい」


「その名前だったら聞いたことがあるわ」


 若い女の人の声だ。


「うちの部下も報告していたわ。わずか5歳で魔物の大氾濫の被害をかなり軽くしたとの話だからね」


 それには大きな驚愕をもって迎えられる。


「5歳児がそれほどの動きを」


「そんな簡単なものではないのにな」


「いやはや、それは神童じゃい」


「うちに仇なさなければいいがな」


 様々な意見が飛び交う。

会議場は大きな喧騒に巻き込まれる。


「静かにしろ!!」


 壇上の男の声。

その一声で水を打ったかのように静まり返る。


「今は奴についてだ。奴とつながってなければ神童もこちらの陣営に引き込め」


「「「「ハッ」」」」


 一斉に人々がうなだれる。


「これにて解散とする」



 人々はまた自分の持ち場に戻る。

来るべき時のために。





 



感想、評価、ブクマお願いします。



3日間寝込んでいたのですが、全身麻酔って怖いですね・・・

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