入学式
あの事件の後、俺は学園近くに家をもらった。
学園に近すぎず、遠すぎず程よいところにある。
セーネとメイド3人に護衛5人と一緒に暮らすことになるが、家がうちみたいに馬鹿みたいに広くないので、家に常にいるのはメイド1人に護衛2人にセーネのみだ。
あとの5人は近くの宿に待機をしている。
両親は王都で暮らすのだ。
赤ちゃんの頃から1人でいたためさみしいという気持ちはまったく起きない。
家は豪華ではないものの実用的なつくりになっている。
今日は入学式の日だ。
最も精神が大人なので子供みたいにはしゃぐこともなければ、緊張することもない。
入学式が終わった後に制服を買うので今は私服のままだ。
今日の入学式には両親やほかの貴族、王族などが一斉に集まる。
それほど重要なものだとみなされているのだ。
貴族の見栄もここで必要になってくる。
父は僕の成績で有頂天になっている。
三々五々人々が学園都市の中心にある学園へと向かう。
上空から俯瞰するとまるでケーキに群がる蟻の群れのようにも見える。
両親と一緒に学園へと向かう。
そのまま入学式の会場へと向かう。
会場には豪華絢爛な服をした人から質素な服を着た人で一杯に埋まっている。
質素な服装の人が多いのは入学者の平民の数が圧倒的に多いのを考えれば当たり前のことなのだろう。
会場は学園1広いといわれる行動げ行われるだがそこは熱気で飛んでもなかった。
父も周りの貴族とともに話してゴマみたいなのを吸っていることもしばしば。
また豪華な服を着ているのはいずれも太った人ばかり。自堕落な生活を送っているのが一瞬でわかる。
この時代の服装は国によってかなり特色が違う。
平民たちの服装としては基本としてはどこの国も麻でできているのは当然なのだが、この国では下のズボンも上も1つにまとめられていて腰のあたりにサッシュで占められている。その上にコートなどを羽織るかなり特殊な服をしている。ワンピースを着ているかのようだ。
それに比べ貴族の方は、中世のヨーロッパと似たように皇かなズボンに上に革でできたコートを羽織っている。
着ている服に使われている革は光沢があり一目似ただけで一級品のものだと分かる。
僕の今着ているときの服装もまさに絹でできた膝が少し隠れるほどのズボンに黒光りするほどのジャケットを羽織っている。麻の服を着るよりはなめらかでいいと思うものの服自体がそれなりのおもさを持っていて来ているだけでもそれなりに疲れてくる。
入学式の座る席順としては一番前の一番左が最も順位が良かったものの座る位置。右に移るごとに次第に順位が悪くなってくる。今右隣には試験の時に絡んできた、金髪の高慢ちきの女の子が座っている。
2位のオベルトはこの前俺が殺してしまったので繰り上がりで3位の人が隣に来ているのだろう。
あの絡んできた女の子が王女様ということだったら確かに高慢になるだけあると思う。
しかもあの時他の人たちを馬鹿にしていたが、転生者を除けば確かに1位だったので確かに豪語するだけあると思う。
なお彼女は、こちらを敵意や複雑なものの入り混じった視線で見てきている。
よほど、主席になれなかったのがくやしかったようだ。
しかし彼女がこの国の王女だと知った時はかなりびっくりした。
会場はとても騒がしいのだが、一番話題になっているのは俺自身のことだ。
視線も背中に集まっているのが感じられる。
自分の息子が話題の中心になっているのを知ってか俺の父親は得意の絶頂で鼻を高くしまくっている。
周りの貴族もおべっかを使いまくっている。
「さすがレンフィールド家のご子息ですな」
「これからもいい関係を築いて行きましょう」
「よろしく頼みますぞ」等々…
もう間もなく入学式が始まるという段階になり講堂の中も徐々に急になっていく。
最も貴族用と平民用と別れていて貴族用の方はまだかなりのスペースがあるものの平民用の方はギチギチになっていて身動きがとれないほどだ。
村の全員でお祝いに来ることもあるし、学園に入るのはそれほどのことなのだともう一度実感しなおす。
壇上に白いひげを生やし、貫禄たっぷりの学園長がくると拍手が巻き起こる。
「ご入学おめでとうございます。本日は忙しい中誠にありがとうございます。心から祝いの言葉を申し上げます」
話す内容も日本と同じで来賓の人の言葉など、ダラダラ長くどうでもいい話ばかりが続く。
次第に眠くなってくるのだが必死で目を開ける。
隣からの視線がかなり痛い。
周りはみな目を輝かせ真剣に聞いているのだ。
視線がいたくなるのも当然だろう。
最も隣の王女様以外は気づいていないのだが…
しばらくして壇上にでっぷりとしているが小柄なデコデコに着飾った人が出てくる。
この国の王様のようで周りの人もみな立ち上がり拍手をするのでそれに倣う。
人々の行動を見て満足したかのようにうなづくと話し始める。
最も言っていることは今までと同じ内容で印象に残ることはない。
みんなが「みんな将来は国のために…」など大筋の内容は同じなのだ。
最後にまた学園長に話が戻る。
「さて今言ってもらったように将来には世間の役に立つ人間になってもらいたい。ところで今回の試験で歴代最高点が出た。異世界の賢者の点の軽く4倍を上回った神童、レオン・レンフィールド君だ。さぁ前に出て挨拶を」
会場が一斉にどよめく。
え?! そんなの聞いてないぞ。
会場の視線が一斉に集まり無言の圧力が高まっていくので仕方なく前に出ていく。
途中で学園長がこっそりと耳打ちをしてくれたところによると国王の要請によるものだそうだ。
国王もそれなりに俺に興味を持っているようだ。
一段と高い壇の上に上がる。
これほどの人がひしめき合っているなど見たこともないくらいだ。
視線が集まり気持ち悪いぐらいだ。
背中がじんわりと汗ばみ、体温が少し上がってくるようだ。
よくもこの中で堂々と話せると思うと、あながち貴族も馬鹿にできないものである。
「こんにちは皆さん。ただいまご紹介にあずかりましたレオン・レンフィールドといいます。
今回の試験については運のよかったものと思い、また神童とはほど遠いものであると思います。わたくしはまだ至らぬ点などございますが皆様の…
…様々なことを学び精進して…
…これからも若輩者の私をよろしくお願いします」
軽く5分ぐらいのスピーチを終わらせる。
ほとんど頭は真っ白になり、途中から何をさぼっているのかわからなくなっていたが、会場の割れるばかりの拍手の音を聞くといいことをしゃべれたのだろうと思う。
たった5分のスピーチでもこれほど大変だとは。講演などで一時間も話せる人の頭がどうなっているのか知りたいぐらいだ。
入学式も無事終わりそれぞれが教室に向かう。
クラス分けはトップから順位別に40人ずつで1クラスになるのだ。
それが15クラスでき、上からA,B,C、Dという風に分けられるのだ。
其処でも差別化が図られ上のクラスほどいい教室があてがわれるのだ。
生徒の向上心をあおるためでもある。
王女様もといエリザベスとともに教室まで案内されて向かう。
学ぶことはあまりないとはいえこれからの学園生活が楽しみだ。
評価、ブクマ、感想お願いします。




