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魔物の大氾濫1

 その知らせにより、町は尻に火のついたようなあわただしさになった。

人々は町を大急ぎで駆け巡る。

武器を研ぎなおす音。町が一気に活気に満ち溢れ、町の人口も一気に増えたかのようだ。



「セーネ、魔物の大氾濫って何?」


「そうね…生態系の異常や環境の変化など何らかの異常によって起きる天災のことよ。魔物が大量に、食料などを求めて人の住んでいるところを襲う現象よ。少なくとも2000、多いと何十万もの魔物が襲ってくるわ。今回は少ない方ね。」


「つまり2、3000匹ぐらいなんだ」


「そうね。偵察に行った冒険者からそのような報告が出ているわね」


「それで今、冒険者や騎士たちは嫌がらせで、接近を遅らせたりしているの?」


「そう言っていられないほど接近されているようね」


「かなりまずいですね」


 罠や嫌がらせ、精神的に疲れさせることもできない。

圧倒的大軍には奇襲が有効なものの、敵は平地を進軍しているのでただの特攻になってしまう。

かなり被害が出そうだが、カインさんたちはどうするのだろうか?



「僕たちはどうするの?」


「一度戻って話を聞いてみないとね。」





 そうして、母親のところに行く。

向こうもこちらのことを探していたようですぐに部屋に通された。


「さて、あなたたちはどうするのかしら?」


「どうとは?」


「この町を見捨ててほかの町に避難するのか、ここで撃退するのかということよ。でも撃退するというならあなたたちにも出てもらいます。非常に冒険者、騎士の数が少ないのです。女の人までが武器を持たないといけない状況になるほど切羽詰まっているのです。最もあなたがいなければすぐ逃げていましたが。しかし、あなたを見張る顕現みたいなものはカインに貸しているからね」


「僕は残ります。上に立つ者の責任として。」


「そうご立派なこと、私としては逃げたかったのですが、あなたを置いて逃げたら夫に何を言われるかわかりませんし、ぎりぎりまでいますよ。」


 ほんとに自己中心的でわがままなことだ。無責任で平民の命など平気で見殺しにするのか。






 屋敷の練兵所に入り、装備を整える。

防具はいつも森に入るときの革の鎧を。いつも使っているため光沢がでて、深い味わいになっている。

革そのものの匂いも抜けてきている。身長が伸びるたびに大きさを調整してきたが、もうボロボロだ。

そろそろ新調した方がいいだろう。

武器は剣を使おうと思ったが、バルディッシュにする。

理由としては2つ。剣の方が使い慣れているもののバルディッシュの方がリーチが広く一度に多くの相手をでき、剣の場合は切れ味が落ちるとそれだけに手間取るがバルディッシュは質量そのものが武器でもある。切れなくなろうが、鈍器として使えるのだ。一対多でのときに強大な威力を発揮する武器なのだ。

いつもなら恐怖を感じるぎらつく巨大な刃が頼もしく感じられる。

それともう一つは武器を扱ううえで壁を超えるには、実戦が最適だからだという理由である。




 練兵所からでて、セーネと落ち合う。

彼女もいつもと違いラフな服装から、黒いローブをまとい大きな杖を持ってる服装に変わってる。


「似合ってるわね。」


「セーネこそ。」


 まさに正当な魔法使いという感じだ。凛々しい感じだ。


「それじゃカインさんのところに行くわよ。」


 騎士団の人とはそれなりに顔を合わせているし、会うのは気が楽だ。

カインさんとユウエルとも知り合いだし、彼らは俺の強さも分かってる。とやかく言われることもないだろう。

冒険者たちの中に入ろうとすると、絡まれそうだしめんどくさいのでやめておく。

でもいつか冒険者になってみたい。ワクワクするのだ。





 屋敷の前にたどり着くと騎士団が勢ぞろいしているのが見えた。およそ200人ぐらいだろうか。


 一段高いところで、カインさんが声を張り上げている。


「諸君も知っての通りこの町に魔物の大群が迫っている。決して町に入れるな。町の外で食い止めるぞ。ただ一つ。絶対に死ぬな。」


 その気合の入った鼓舞に騎士達が一斉に歓声を上げる。

全員が魔物を町に入れさせないという気迫を持っている。




「カイン、ユウエル僕たちも手伝うよ。」


 ひと段落ついたらしいカインたちに話かける。


「そうか、あまり気は進まないが助かる。猫の手も借りたいぐらい忙しいんだ。ほんとに助かる。」


 かなり切羽詰まっているようだ。


「そこまでたいへんなの?」


「ああ騎士が200人ほど、冒険者も300人ほどしかいない。それに対し敵は3000を超える。いくらメインはゴブリンだといっても数は力だ。おそらくこちらが勝つだろうが、終わった後の被害が甚大だろう。

おそらく半分は帰れない。それを少しでも避けるために数を増やし、今いる人たちの負担を減らしたいんだ。まぁうちには個人で戦況をひっくり返せるような猛者はいないからな。大氾濫に即座に対応できるところなんてあそこぐらいだしな・・・」


「あそこって?」


「帝国だ。北の。」


 そういえば帝国は世界最強だったか。

でも半分は帰れないってひどいな。軍隊だと3割の被害が出たら撤退するぐらいだしな。

これからの町の動きもスムーズにいかないだろう。

ふと横を見ると、セーネとユウエルがしゃべっている。

ユウエルはゆでだこみたいに真っ赤だ。

セーネは気づいているのかわからないが表情を変えることなく話している。

ふと頭にてが乗せられる。


「まあああいう風にずっと進展なしだ。あきらめたらいいのに。」


 苦笑いをしながら言う。





 いよいよ、出陣の時だ。

バルディッシュの場合は周りを巻き込むので、遊撃隊に入れられた。

エルザがみおくるとき心配していたが、死ぬどころか傷つくつもりもない。


「敵影一キロ先。接敵予想5分後」


 さぁ、いよいよだ。

血が煮えたぎるような戦いがしたい。

不謹慎だが楽しみだ。

さあ!!

来い!!

俺に敵対した時が死の時だ!!!



最後テンションがおかしくなってますが気にしないでください。

たぶん僕ごとおかしくなりました。忙しくて・・・

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