過去の幸せ
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「恭佐は将来の夢とかある?」魅月のいきなりの質問に困惑しながらも、ノートにシャーペンを走らせながら「…公務員」と答えた。
魅月はつまらなさそうな顔をし頬を膨らませた。
そんな魅月に俺は苦笑いし魅月の頬をつねった。
「俺の将来の夢は魅月と家庭を持つことだよ…とでも言われたかった?」
『俺の将来の夢は魅月と家庭を持つことだよ』という言葉を耳にした魅月は赤面していた。
だが『…とでも言われたかった?』という後付けによりまた頬を膨らまし拗ねてしまった。
俺にはそれが可愛くてならなかった。
頭にポンッと手をのせると拗ねた顔でこっちをみ、ニッコリと笑顔を見せるのだ。
俺もつい笑い返してしまう。
「あたしは看護師になりたいな。それか公務員」
「どっちも金には困んないな」
魅月にニヤリと笑い、「それが狙いなんだから当たり前」と悪業高い笑いを見せた。
「だからさあたし東京行きたいんだ。看護師の専門学校に行きたい」
俺は再びノートにシャーペンを走らせながら「ふーん。俺おいてくの?」
「…一緒いたいよ」
俺はプッと吹き出して魅月を抱き寄せた。
「ついてくつもりだけど?」魅月は顔を上げ「…本当?」と目を潤ませ聞いた。
「俺が東京で勉強すればいい話だろ?第一…離れたくない」
我ながら恥ずかしい事言っているってことは百も承知だ。だが伝えずにはいられなかった。
魅月は泣きながら俺のシャツを握りしめ、「恭佐」と何度も何度も名前を呼んだ。
どれだけそのことで悩んでいたのだろうか。魅月は1人で抱え込んで1人で悩むクセがある。
「ほら泣くな。勉強まだ終わってないだろ?」
魅月の涙を手で拭い、笑って見せる。
魅月も顔を上げ笑って見せた。
ふいに、魅月に顔を近付けキスをした。
お互い顔を真っ赤にして笑った。
あぁーこれが幸せなのだと実感した。
過去の話だが…
どうだったでしょうか?
今後もよろしくお願いします。