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ラブコメをクエストで攻略するのは間違っているだろうか  作者: umino


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2/3

第2話

初日からランキングに載れて嬉しかったです!

もし良ければ感想、評価等お願いします。

まだまだ初心者なので辛口の指摘等もお願いします。

一時間目開始。

ルールはシンプルだった。

隣の席の人と一対一で自己紹介をする。

片方がローテーションのように一つ後ろへ移動し、次の相手に変わっていくらしい。


つまり――逃げ場なし。


そして。

あの三人のうち一人は……五人目の位置にいる。

順番的に、確実に当たる。


その瞬間、視界の端に青い画面が開いた。



追加条件

・目を見て話せ



(いや無理無理無理!)


思わず心の中で叫ぶ。

コミュ症にそれはレベル設定を間違えている。

すると、画面の下に小さく文字が追加された。


(コツ:眉間を見ること)


……クエスト側が気を遣い始めていた。


優しいのか鬼なのか分からない。

一人、また一人と自己紹介が終わっていく。

心臓の鼓動が、順番が近づくたびに速くなる。


そして……

順番が来た。


目の前に座ったのは――

菊池なぎさ。

昔はゲームが好きで、よく一緒に遊んだ幼馴染。


だけど今は。

長い銀髪に、透き通る青い瞳。日本人離れした整った顔立ちとスタイル。


クール系美少女、という言葉がそのまま当てはまる存在になっていた。

確か、お母さんがロシア人だったはずだ。


……やばい。

視線が胸元に吸い寄せられそうになるのを必死に止める。


目を見ると緊張する。

クエストの指示通り眉間を見た。

これぞクエスト推奨方式。

幾分かマシになったな。


「えっと……こんにちは。」


第一声、それだった。

即座に画面が反応する。


「えっと」の使用はあと2回です。


英検かよ。

心の中でツッコミながら続ける。

ここで僕がこの数分間で考えた秘策。

それは……


「菊池さんのこと、なんて呼べばいいかな。なぎささん? 菊池さん?」


なんて呼べばいいかな?と聞き、選択肢に名前呼びを置くこと。

完璧だ。

このまま3人終わらせれば楽なのにな。


クエスト画面をチラリと見る。

……カウントされていない。

なんだよこのクソクエスト。

ルールくらい守れや。


すると彼女は短く答えた。


「なぎさでいい。」


許可、早すぎない?

ヌルゲーじゃん。


……いや違う。

問題はそこじゃない。


僕が抱えている一番の問題。それは…

恥ずかしくて呼べない。


さっきなんで自然に言えたんだ俺。

沈黙はまずい。

間を作ったら話せなくなる。


必死に視線を泳がせたとき、机の上の紙が目に入った。


自己紹介シート。

なぎさの趣味欄。

――ゲーム。


これだ。


「な、菊池さんもゲームとかするんだ。俺もよくするんだよね。」


言えた。

ギリギリ。

ここからどうする?


確か、コミュ障改善の本で読んだ。

会話で大事なのは――質問。


「それで、どんなゲームするの?」


なぎさは少しだけ目を丸くしてから答えた。


「スマブラとか……FPSとか。」


意外だった。

昔とゲームの好み、ほとんど変わってない。

しかも。

僕の趣味と完全に一致している。


そう。

この二人、元ゲーオタ仲間だった。


「僕もよくやるよ。あれとか、これとか……」


タイトルを挙げるたび、なぎさの表情がわずかに動く。

そして気づいた。

やっているゲームが、奇跡的に全部被っている。

これはいける!


少し沈黙。

そのあと、なぎさが小さく言った。


「……私も同じのやってて」


一拍。


「今度、いっしょにやる?」


――え?

思っていたより、ずっと好意的な反応だった。

自己紹介終了まで、あとわずか。


「うん。今度IDとか教えるね。」


そして。


「……なぎささん。」


言ってしまった。

イケメンじゃなければ許されない名前呼びを。


心の中で転げ回る。

その瞬間。


QUEST 2

進行度:1/3


カウントが増えた。

……進んだ。

ちゃんと。


なぎさが次の席へ移動していく背中を見送りながら、僕は小さく息を吐いた。

まだ壁は二つ残っている。

でも――

ひとまず、成功だ。

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