1,契約
〇〇〇〇年
私はこの山奥の小さくてボロボロの神社の神様。今はもう誰も来なくなった。私はもう殆ど誰の記憶にもいない存在で、いつ存在が消えてもおかしくないし、そもそも私は神社から出られ無い。そして、今の私は霊感のある者にしか見えないほぼただの幽霊だ。不服だが、仕方ない。私は一生神社とともに朽ちて行く運命だった。
そんなとき、突然一人の少女の声がした。
「あの…君はここで何をしてるの…?」
「ッ…!?」
(この子…私が見えてる?)
少女は続けて話し始める。
「あぁ…もしかして君も私と同じ?ここネットの一部の界隈では有名な自殺スポットだもんね…」
「……。」
私は初耳の情報に言葉を失う。ここは人々を幸せに導く私を祀る明るい神社だったはずのに、一体いつから自殺名所の廃神社になってしまったのか…。どおりで寄付く人も減ったわけだ。
そんな事を考えている間に少女は立ち上がり長く下に続く急斜面の前の柵にまたがったままこう言う。
「じぁ私は先に行くね!君もおいでー!きっとスッキリするよ!」
少女は笑顔だが、目には涙、手足や声が少し震えていた。間違いなく少女は自殺しに来たのだろう、それももう、自分の命なんてどうでもいいみたいな笑顔で…。私少女初めてまともに口を開く。
(「目の前の少女一人救えないで何が神だ」)
「ねぇ、きみは…。どうしてそんなに死にたいの?」
すると少女は冷たく冷え切った目でこちらを見つめながら淡白に言い放った。
「それは…君には…関係ないじゃん…。」
私は弱まってはいるが神の力を使って少女の心を読み、見えた通りのことを本人に向かって話し始める。
「今の状況も自分も全てが嫌だから死にたい。そうじゃない?貴方は家にも学校にも居場所がなくて、それでも怖くて何も言えなくて、ただただ地獄のような日々を過ごしてきた、ちがう?」
「何で…。」
少女は少しうつむいて小さな声で虚しそうに呟く。
そこに私はある提案をした。
「君、死ぬなら私に体を貸してよ。」
「えっ…?」
少女は私が何を言い出したのかよく分かっていなさそうだ。
一神として、誰かの人生を借りて生きるなんて許されないこと、それは分かってる。でも私だって心はある、生きたい。生きて幸せになりたいんだ。
「私はここの…誰にも忘れられた神様。私なら君の人生を変えられる。」
「…」
「悪くないでしょ…?」
「…」
少女はしばらく黙りこくって、ゆっくり口を開いた。
「それは貴方に何のメリットがあるの…?」
「ぶっちゃけ私にとってはこの神社から出られて、久々の自由を楽しむチャンス。」
「私はもう生きたくない、でも貴方がそれを変えてくれるの…?」
「そう言ってるの。」
「それ…なら…」
そのときの少女の目は少しだけ、輝いていた気がした。
高評だったら続き書きます。
というか高評でなくてもモチベがあれば書きます笑(´・ω・`)




