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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第7章 瑞希と彩奈のオタ活サマー
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瑞希と彩奈のオタ活サマー 8話

ホテルのラウンジを出る頃には夕方になっていました。

東京というのは、日本の中心であり人並みが少なくなる日が無いのかと錯覚してしまいます。


私たちは胃袋とともに心も満足で溢れてました。


「やば!もうこんなに暗くなったね!」


彩奈ちゃんも時間の経過を感じて、驚いています。

楽しい時間というのは…あっという間に過ぎ去っています。


こんな日を…どう残そうか。

確かにチェキとかも撮ったりしましたけど、どうにもまだ心残りがあるみたいです。


「ねね、もう少し遊ぼうよ!最後は体とか動かしたり…女子高生っぽいことしよ?」


彩奈ちゃんが提案します。

しかし、私はイメージが湧かないのか言葉にすることは出来ませんでした。


「…女子高生ってぽいことって…なんだろう。」

「そんなの!プリクラとカラオケに決まってるじゃん!」


なんということでしょう。

確かに当たり前のことですが、天涯孤独の私にとってはどちらも未経験です。


「お、その反応は…どちらも初めてだな〜。」


彩奈ちゃんは人を観察するのに長けてます。

私の少しの瞬きや反応だけで何を考えてるのかよく分かってるみたいです。


「とにかく!まずはプリクラよ〜!」

「ちょ、彩奈ちゃん!?」


私たちは、ゲームセンターに直行しました。

波ゆく人影をまるで泳ぐかのようにのらりくらりと。


☆☆

プリクラにはたくさんの機会がありました。

周りを見ると、同い年くらいの子が沢山います。


「あ!あの子…。」


とても気まずいです。

私の女子校の一軍女子たちがいました。

咄嗟に恐怖心が出てしまい目を逸らしてしまいます。


すれ違おうとしてます。

3m…2m…1m…。


普段なら声をかけられて低身長な事とかいじられるのですが、今回は何もありませんでした。


「どうしたの?瑞希ちゃん、汗かいてるよ?」

「あ…いや…その…。」

「んー?」


彩奈ちゃんは疑問顔です。

確かに急に反応が変わったから期限を損ねたとでも思ってるのかも知れません。

彩奈ちゃんには…秘密とか隠し事はなしにしようと思ったら、言葉が出てきました。


「学校の陽キャの女子がいて…声をかけるのが怖かったの。」

「え!?」


彩奈ちゃんは目をぱちくりとさせました。

共感は出来ないのかもしれません。

だって彩奈ちゃんは私と違って背が高いし、美人です。

正直、港区でパパ活も出来そうな勢いで大人びています。


「あはは、めっちゃ気持ちわかる!私も初めてイメチェンした時はそうだったよ!」

「え!?」

「みて〜、これ2年前の私〜。」


すると彩奈ちゃんは、ケータイを差し出すと…そこには少しぽっちゃりとしていて、お下げの髪型をしていてメガネの女の子がいました。


「…どれが彩奈ちゃん?」

「どれって…1人しか写ってないじゃないの!」

「え、これ彩奈ちゃんなの?」

「めっちゃブスでしょ〜!メガネだしゲジ眉だし髪型とか昭和の髪型してるよね〜!」


私は驚愕しました。

イメチェンというか…完全に別人です。


「私もね〜オタクでいじめられっ子だったからわかるよ〜!それに比べたら瑞希ちゃんは二重で顔が整ってるから羨ましいなー!」

「…ねえ、なんでこんなに変わったの?」


すると、彩奈ちゃんはぶわっと笑い出して赤裸々に昔のことを話し出しました。


「簡単に言うと…失恋!好きだった男の子に告白したらデブスとは付き合えねぇって言われてさ〜。」

「酷!?」

「それから、見返してやろ〜って思ったらダイエットして…メイク動画みて試してみたら私結構可愛いんじゃね?ってなって…そっから今に至るのよ。」


驚きでした。

何でもやって行けると思った彩奈ちゃんにもこんな過去があることにびっくりしました。

私はデブスと直輝くんに言われたら死んじゃうかもしれません。


「でさ〜、イメチェンしたら、ある日私を虐めてバカにしてる子とすれ違ったんだけど…逆に目を逸らされたわ!きっと…可愛くなりすぎて誰だか分からなくなったのね!」

「もしかして…さっきの私も…。」

「一緒かもね!イメチェン大成功じゃん!」


2人でプリクラコーナーで笑い飛ばします。

そっか…こんなに優しいのは、私と一緒のところがあったからなのかもしれません。


私は、もしかしたら本当に素敵な親友ができたのかも知れません。

この人と一緒に写って…隣にいることが今1番の幸せです!


「よっしゃあ!気を取り直して、プリクラ撮ろっか!」

「え、ポーズなにすればいいの?」

「そんなの…決まってるじゃない!」


私たちは、4つポーズを撮りました。


1つ目は、顔を寄せてお互い片手ハートにします。

2つ目は、人差し指を頬に付けてあざといポーズです。


「よし!次は変顔やろ!」

「え、変顔…!?」

「両手をピースにして、白目剥いてみて?」

「う…うん。」

「そんで舌を少し出して…!」


パシャリ。


3つ目は彩奈ちゃん曰く「アヘ顔ダブルピース」というものらしいです。

ただの変顔にしか見えないのですが、「えっちだ…!」

って彩奈ちゃんが呟いてます。


4つ目もノープランです。


「あわわ…彩奈ちゃん…何にしよう!」

「瑞希ちゃん、覚悟よ!覚悟とは暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことよ!」

「何を…はっ!」


その言葉に…ピンと来ます。

私と彼女は本当にスタンド使いなのかも知れません。

アイコンタクトを取り、私たちは1番好きなジョルノ・ジョバーナのジョジョ立ちをします。


右手を胸の前に拳を握ってあてて左手を腰の前に持っていきます!


なんともカオスな写真が撮れました。

落書きも各々好きな感じにします。


彩奈ちゃんの落書きには「メメタァ」など、ジョジョ特有の擬音や、落書きでスタンドを書いてたりもします。


「あはは!これやばい、めっちゃ面白いね!」

「プリクラ…初めてだけどこんなに楽しいんだ!」


プリクラは…こんなに自由にやっていいのかと驚いています。

しかし、プリクラにのまれなく逆にのむスタイルこそが彼女の真髄なのかもしれません。


私の顔は…最初はぎこちないけど…変顔になってからはいきいきとしています。

こんなに私いい顔するんだと加工された私の顔を見て唖然とします。


この写真…残したいな。


「メールアドレスを入了してね!」


すると、どうやらプリクラはメールアドレスを送ればデータにしたものをくれるみたいです。

私は、何も考えてなかったので慌てふためきます。


「あはは、大丈夫よー!まかせて。」


ダダダダ!と画面をペンでタッチしまくる彩奈ちゃんがいました。

しかもノールックで、キーボードまで頭に入ってるので正確にメールアドレスが素早く入力されます。


というか、プリクラの制限時間30秒って結構難しいんじゃないかなと思います。

幸い、彩奈ちゃんのステータスがスピード:S 正確性:Sだったので対応出来てますが、これ普通の人なら入力は難しいと思います。


そんなことを思っていると、私のスマホに着信が入ります。


彩奈ちゃんならLINEで画像が共有されてました。

私と彩奈ちゃんの…堂々としたジョジョたちです。


私は…この画像を待ち受けにしました。


「ありがとう!一生大事にするね!」

「うん!私も大事にするわ〜!」


私たちはプリクラを去りした。

ある意味女子高生らしいことをした私たちはプリクラも自分のモノに出来たのかもしれません。


そう、私たちは女子高生。

常に流行を作っていく最強の生き物の1人なのです。

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