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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第6章 あの子のお母さんもAV女優!?
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あの子のお母さんもAV女優!? 13話

今日は夏期講習最終日だ。


とても退屈しない日々だった。

こうして瑞希に出会えて、色んな仲間と楽しい時間を分かち合うことができた。


ちょっと舞衣を怒らせちゃったので制裁を食らったことになったので、これからはちゃんと報告連絡相談を徹底しようかと思う。


夏休みの前半も終わりになり、暑さは勢いを増していくのでこの夏もまた記憶に残る夏になるだろう。


「おはよーー!」


いつもの明るい声が聞こえてきた。

瑞希である。

昨日のバーベキューがさぞ楽しかったのだろう。


「おはようさん、最後まで頑張ろうな。」

「うん!」


最後の夏期講習がはじまった。


「グッモーニン!エブリワン!それでは……テストを開始しマース!」


……例の英単語を振りまく謎の社会の教師が復活したのには面食らったが、最終日なので我慢することにした。


☆☆


数時間後、テストが終わり自習をしていたが採点が終わったようだった。


「オーライ!みなさん、数日間お疲れ様でした!

点数も全体的にアップしておりマース!コングラッチュレーション!」


ちなみに俺のテストは、以前に比べて5%程度の成長だった。

困ったぞ、テストの点数の伸び率が以前より落ちてしまった。

前が点数酷すぎたのだが、目標の学力に対して停滞をしていたのでそろそろ天才の虎ノ門龍とらのもんりゅうに勉強を教わりに行きたい。


「特に……上原さんは今回最高得点を取っていました!最初は点数低かったけどよく頑張りました!ナイス!」

「えへへへ〜。」


パチパチ……

と乾いた拍手をされて瑞希は祝福されている。

どうやら、俺の背中を追っていた弟子は急成長をしてライバルになってしまったらしい。


悔しい気持ちはあるのだけれど、こいつはいついかなる時も俺に食らいついて努力をしていたのだ。

俺はそんな彼女を1人の友人として誇りに思うべきだと思う。


「えへへ〜なんか勉強が楽しくなってきた!」

「すげーじゃん!瑞希今日まで頑張ってたもんな!俺も頑張らなきゃだな。」


むしろ俺の心はめらめらと燃えていた。

受験はいつだって競走だ。

こうやって追い抜かれるなんてざらである。

しかし、彼女はどこか別のことでも嬉しそうで、朝からエネルギーに溢れているようだった。


「……なんか、いつもより元気だな。よく寝れたか?」

「すごくいい夢が見れたよ!いい事もあったの!」

「おー、そうなんだ。どんなことがあったんだ?」

「秘密!」

「なんだそりゃ。」


どうやら、彼女の人生がとてもいい方向に進んでいるらしい。

どこかその成長は嬉しくも、俺が居なくても彼女はもう前へと進めることに対する寂しさも入り交じったような気持ちだった。


「ねえ、直輝君は……お母さんの仕事についてどう思う?」


突然、彼女がそんな話をしていた。

そういえば俺とこいつの共通点は、母親がAV女優というところから始まったんだ。


「俺は立派な仕事だと思うよ。たしかに最初はショックだったけど、母ちゃんがそんな天職に出会えたから今があるんだって思う。瑞希はどうなんだ?」


こいつは、確か母親のことを憎み、嫌っていたはずだった。

以前のこいつならこの質問を聞いたらとても嫌な顔をしていたに違いないだろう。

しかし、彼女は笑っていた。


「私も!素晴らしい仕事だと思う!どんな仕事でも……回り回って人を幸せに出来るんだって、遥香さんをみてそうおもったの。」

「ほう、さすが俺の母ちゃんだな。」

「いざ私の母さんと話すと…なんで嫌ってたのか分からないくらい素敵な母さんだって気がついたんだ。」


瑞希は、勉強だけでなく精神も急成長をしていたらしい。

そりゃあ、小さな背中も大きく見えるわけだわ。


「どんな仕事も、人を幸せにできるのかも知らないな。俺達も…いつかそんな仕事に出会えるといいな。」

「そうだね!素敵な出会いをありがとう!」

「おーよ。」

「ねえ、夏期講習が終わっても……また遊びに行っていい?」


瑞希はどこか不安げだった。

夏期講習がなくなれば俺たちの接点も無くなることを案じたのかもしれない。

でも、そんなことをする気は毛頭なかった。


「んだよ、水臭いな。いつでもこい!アポ無しでもいいぜ!」


彼女は、とても嬉しそうな顔をしていた。

「ありがとう……。じゃあ、今から行きます!」

「急だな……いいぞ。俺もお前に負けた教科全部聞くからな。」

「えー!?私が教える側!?」


夏期講習最終日は思ったよりもあっさり終わってしまった。

しかし、俺たちの夏期講習はまだ終わることはなさそうだった。

夏は酷くコンクリートを照りつけるのだが、ビルの間をかける風がどこか、心地が良かった。

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