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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第6章 あの子のお母さんもAV女優!?
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あの子のお母さんもAV女優!? 11話

楽しいバーベキューも……これで終わりです。


片付けが始まり、先程のガヤガヤ感は急に静けさに変わっていきます。

後の祭り…なんて言葉があるけどまさにこのようなことをよぶのだろうと思いました。


馴染み切る事は出来なかったけど、私はここにいたいと思いました。

私は強くはありません、1人で居られないからこそ直輝くんが作ってくれたこの繋がりを大事にしようと思います。


そろそろ……解散の時間でした。


「ねえ?瑞希ちゃん!良かったら一緒に帰らない?」


ある女の子が話しかけてくれます。

その人は……今日初めて来た女の子の片割れの川崎彩奈かわさきあやなちゃんです。


パッと見は白を基調としていて、歌舞伎町か渋谷にでも居そうな装いで私よりは大人びています。


私とは正反対で背も高くすらっとしてるので並んで歩くのが少し恥ずかしい気がします。


「わ……私でよければ。」


せっかく誘ってくれたので私は乗ってみることにしました。

彼女とは偶然にも近所だったのです。


「直輝くん!私たち帰るね!今日はありがとう〜!」

「お?瑞希も帰るのか!……楽しめたか?」

「……うん、今日はありがとう。」


どうしてでしょう、最近直輝君がかっこいいです。

目の瞳孔が開いて、少し心拍数が上がる気がします。

こんな事人生で経験したことがないので上手く言語化ができません。


「そうか!また夏期講習で会おうな〜……ってあと少しだけど。」

「……うん!」


彼は私の頭をぽんぽんとします。きっと彼なりのスキンシップなのでしょう。

それを出来てしまう直輝くんは、少しズルいなと思いました。


「なーおーきーくーんー?」

「あれ?舞衣……どうかして……痛い痛い!なんで急に十時固めを!?」

「ちょ〜っと話し合いましょ?」

「なにを!?……とりあえず、またな!瑞希!」


私たちはこの素敵なクリーム色の家を後にしました。

そのうちまたこの家に遊びに行きましょう。

私の第2の自宅として。


家を出たときに……彼の悲鳴が聞こえてきました。

舞衣ちゃんの気持ちも少しは分かります。

彼は……人に好かれ過ぎているのだから。


☆☆


「……そういえば私たちバーベキューではそんなに話せなかったわね。」

「確かに。」


私は集団が苦手です。

3人以上だと何を話せば良いか分からなくなります。

途中、遥香さんにベッタリでした。


「瑞希ちゃんは……好きなものとかあるの?」

「チーズ。」

「食べ物好きなんだ!」


私はこういう時に気の利いた事を言えません。

それくらい、チーズが好きなのです。

もしかしたら前世からチーズが好きだったのかも知れません。


しかしそれを言うだけでは会話は今まで広がらなかったので、しくじったと後悔をしました。


「じゃあさ!今度チーズアフターヌーンティーなんて食べに行かない?」

「え?なにそれ!」


私は耳をピンと立ててしまう。

初めて、チーズが好きという言葉の続きができたことが嬉しかったのです。


「新宿で出来たみたいなの!私さ〜男友達ばかり出来ちゃう性格だから……女友達ほしかったんだ!」

「そうなんだ、私でよければ……!」

「ありがとう!」


彼女はとことんいい人でした。

打算も特に感じられません、女の子ってたまに自分よりも不細工な友達を作っては蹴落として合う傾向にあるのですが、私にはそうは感じられませんでした。


「私はね!アニメが好きなの!」

「アニメ……。」


私も多少はアニメは見ます。

なんせ友達が少ないからNetflixとかのサブスクは一通り踏破してあるくらいでした。

それを流しながらダラダラしてチーズを食べるのが好きです。


「なんのアニメ見るの?」

「……ジョジョの奇妙な冒険ですね。」

「え!?そうなの?めちゃくちゃ意外なんだけど!てっきり鬼滅とかその辺かなと思った!」


私はNetflixの見過ぎで王道よりかは少しニッチなのが好きです。

それもあって……友達が少ないかもしれません。


「何部が好きなの!?私もアニメ化してるものは全部見たわ〜!」


私はその言葉にピンと来てしまいます。

スタンド使いは惹かれ合う、なんて作中に出てきますがこうして共通の好きな物をもつと惹かれ合うのかも知れません。


「……5部です。」

「ええー!めっちゃ分かる!いいよね、あの命のやり取りをやっている感じというか!それでいてイタリアって舞台がまたオシャレなのよね〜!」

「……アリーベデルチ(サヨナラだ)。」

「おお〜さては……ブチャラティみたいなのが好きなんだね!ああいう、任務も遂行して部下も守るっていう覚悟を決められる上司とかほしい!」


凄い、彼女は何言っても返してきます。

コミュニケーション能力が人と段違いなので私は彼女のコミュ力に圧倒されてました。


彼女こそ、道を開ける5部の主人公のジョルノ・ジョバァーナみたいだと感じました。


「あ、瑞希ちゃん帰り道そっちか!」

「……そうみたい。」


少し、名残惜しいです。

また彼女に会える日は来るのだろうか……そう不安になってしまいます。

もう少し話したいけどもう22時なので帰らないと行けません。


「ねえ!LINEやってる?交換しようよ!」

「うん!お願いします!」


私は、初めて直輝君以外の人とLINEを交換しました。

そして、彼女からブチャラティのスタンプが来ます。


「アリーベデルチ(サヨナラだ)。」


そして、彼女を見るとそのセリフをポーズを決めながら言ってくれてます。


「アリーベデルチ!」


はじめて……日本語以外のさよならをいいました。

また1人、素敵な友達が出来たことが何よりも嬉しかったです。

私の家の近くは静まり返っていましたが、私の心は後の祭りとは程遠いものでした。

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