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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第6章 あの子のお母さんもAV女優!?
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あの子のお母さんもAV女優!? 9話

備長炭でグリルは遠赤外線でほんのりと熱さを感じる。

この炭は火が付きにくいのだが、1度着くと8時間も火がついてくれるので非常に優秀な炭だ。


ちなみに密度が高いのか金属に当てたりするとキーンと子気味良い音を立ててくれる。


そして、その炭にまずはカルビを乗せていく。

すると、カルビから備長炭に脂が滴り、炭がそれを熱で気化させると旨味のある煙が肉を燻してくれるので旨みが凝縮されていく。


「直輝くん、肉焼くの上手いね!」

「お!分かるか!」

「うん!焼きすぎず…レアよりのミディアムを意識してるね?」

「やるな、瑞希。いい着眼点だ。」


食うことに関しては彼女は察しがいい。

俺も伊達に母ちゃんのグルメを堪能してるわけじゃない。


そして…肉の柔らかさが親指と薬指を付けた時の親指の付け根と同じ固さになったら…。


「ここだ!」


俺はそのタイミングで食べる肉用のトングに持ち替えて、紙皿に乗せていく。


「凄い…程よく焼けてるけどしっかり柔らかくなっていて…炭で焼いた独特の凝縮された旨味を感じるよ。」


瑞希が美味しそうに肉をほうばる。

こうしてたまには自分で調理するのもなんとも楽しいものだ。


こんな感じで、しばらくして俺たちは普通にバーベキューを楽しんでいた。

少し、料理漫画っぽくなっていた。


そんなことをしていると、後ろから足音が聞こえた。


「こんにちは〜!」

「やっほー!直輝君!」


いつものメンバーの佐倉舞衣と川崎彩奈である。

舞衣は今日は黒を基調とした方を出していて、シンプルだが彼女の白い肌や黒髪と会う服装をしていた。


彩奈は白いワンピースに、普段は茶髪なのだが夏休みなのもあり、髪色が全体的にパープルになっており、髪も少し巻かれていて若干港区女子っぽさがあった。


「もう〜!直輝君!夏期講習なのは分かるけど…もっと私と会ってくれてもいいんだよ?彼女なんだし…。」


舞衣は少しほうを膨らませて怒っていた。

確かに俺たちは交際を正式にしている訳だが、成り行きで付き合ったのもあってココ最近彼女との接点はなかった。


とはいえ、彼女も人気プレミアムメイドなんて肩書きを貰っているのでダンスやら撮影やらでも忙しかったし、看護学校のオープンキャンパスもあったので予定がほとんど合わなかった。


…もう少し、連絡しても良かったかもな。


「すまん、俺も夏期講習で成績上げたくてな。善処するよ。」

「素直でよろしい!」


ふふん!と舞衣は満足気だった。

少し彼女は独占欲が強いからな。

ずっと連絡は疲れるけどたまには勉強がてらデートでも行くとしよう。


「直輝くん、これ!あのキャンプの漫画の続きだよ!」


次に…彩奈が本を差し出す。

彼女とは最初は喧嘩をしていたのだが、相変わらず俺の好きな漫画を貸してくれたりするのでとてもいい子だと思う。

特に彼女は英語が得意でTOEFLとやらも高得点を取っているからマジで勉強になる。


「いつもありがとう、今日は沢山肉あるから食べてってよ。」

「うん!ありが……誰?」


2人は庭のキャンプギアで牛肉を食べる瑞希と笛吹さんを見て目をぱちくりとさせる。

そりゃあそうである。

マジで2人からすると知らない人なんだからな。


「えっと…あの酒飲んで赤くなってるのは笛吹さやかさん。飯田の家で居候してるらしい。」

「え!そうなの!?」


特に…彩奈はめちゃくちゃ反応していた。

彼女こういう展開好きそうだから過剰に反応するのも納得である。


「えー!飯田くんも隅に置けないな〜!こんな綺麗な人と同棲してるなんて…!」

「ま…まあな〜。」


それに対して舞衣は少し困惑顔だった。

お、気づいたか?


「笛吹さやかって…どっかで聞いたような…?」

「ああ、今度映画でやる翼の折れた天使の作者なんだとよ。にわかに信じ難いが。」

「え!?そうなの!?ベストセラー作家じゃない!なんでそんな人が居候なんかしてるの?」


喜ぶ舞衣に対して飯田は必死に目を逸らしていた。


「ま…まあ…そうだな…。」

「いや〜あの天使の自己犠牲をしながら他者を幸せにして行く展開…ほんと泣けたなぁ。モデルとかいるんですか?」


すると、ビールの缶を机の上にカンっ!と鳴らし笛吹さんは話始めようとした。


「あー、あれは公園のホームレスの…むぐぐ!?」


最後までいい切る前に飯田は笛吹さんの口を抑える。


「むぐぐー!むぐぐぐ!?ぐんぐん!(ちょっと!何をするの!?れんれん)」

「…今のは聞かなかった事にしてくれ。世の中知らない方がいい事もある。」

「よ…よく分からないけど…わかったわ。」


俺も良くは聞こえなかったけどホームレスとか言ってたか?

ホームレスをモデルにしてあの傑作ができるとしたらとんでもない話である。


「んで!こいつは上原瑞希、最近よくうちに来て勉強したりするんだ。結構勉強頑張り屋でさ〜良い奴だから仲良くして欲しいな。」

「み…瑞希です!よろしくお願いします!」


瑞希は小さい体をペコペコとさせている。

伏せをしてるチワワみたいでその動作だけでも癒される感じがする。


「あら!可愛い子ね、川崎彩奈です!よろしくね。」

「佐倉舞衣です!よろしくお願いします!」


3人は礼儀正しく挨拶をする。

そう、女の子での繋がりも作っておけば瑞希も良い方向に進むだろう。


そう思っていたら突如舞衣が俺の手を取り引っ張られた。


「ん、舞衣?どうした…?」

「直輝君、ちょっと…」


俺は庭の端のみんなが見えないところに連れていかれて俺は困惑する。

何か嫌なことでもあったのかな?


すると、彼女は俺の頭をつかみアイアンクローを仕掛ける。


いたた…、そういえば俺らの中で一番強いのは舞衣だった。150センチの小柄とは思えない怪力が俺の頭をミシミシと音を立てていた。


「直輝くーん?私に黙って知らない女の子と家にいたのー?」

「いだだだだだ!ご…誤解……誤解です!」


彼女はめちゃくちゃ怒っていた。

その怒りがアイアンクローの握力として変換される。

んー、握力50キロ以上はありそうだ。

なんて悠長なこと言ってられない!マジで痛い!


「ねぇ〜私寂しかったんだよ〜?それでも直輝君が頑張ってるからって我慢してたのに…遊んでたの!?」

「違う!マジで誤解だよ!アイツ1人じゃほっとけないくらい勉強苦手だったから教えてたの!ぎゃあああ、さらに握力が強くなってる!ギブ!ギブアップ!」


すると、彼女はアイアンクローをやめてくれた。

…彼女はヤンデレの素質があるのかもしれない。


「…やましいことは何もしてない?」

「してないって!母ちゃんがいるし、あいつは勉強の生徒だよ。」

「…それならいいんだけど、私も彼女なんだから一声行って欲しいな。」

「…すまん。」


やっとなんで怒られてるかわかった気がする。

確かに、彼氏としての自覚が足りなかった。


「…罰ゲームにつきあってくれたら許してあげる。」

「…あの、どのような処遇で?ジンオウガ討伐とか?」

「それはただのゲームじゃない!」


どうしよう…罰ゲームなんてやられたことないからな。とにかく、受ける罰は受けよう。


「…ん!」

「…は?」


彼女は指を口に当ててなんかのアピールをする。

え?主語がないから分からない。


「キス…してくれたら…いいよ…。」

「え!?き…き…キス!?」


俺はテンパる。

確かに俺たちは交際をしているからむしろキスすらしてなかったからその方が不健全なのだけれど…流石に急過ぎる。


「出来なかったら…アイアンクロー。」


俺は危機感を感じ、彼女の肩をガっと掴む。

彼女は受け入れるように目を閉じて、少し露出した肩に熱気と湿気を感じたから少し緊張してるのがわかった。


「わかった…するぞ。」


俺は覚悟を決めて彼女に顔をちかづける。

そうだ、俺は彼氏なのだ。

キスのひとつくらい出来なかったら舞衣に失礼である。


俺は…彼女と接吻を交わす。

ぎこちなく、彼女の唇の柔らかさとほんのりとバニラのような香水が鼻を通って普段と違う感触に恐怖とはまた別のドキドキを感じていた。


何より、心地がいい。

抱き合うと体が落ち着くのも感じた。

そうか、本来交際とはこんな感じで許し合うものなのか。


「ん…罰ゲームクリア。」

「…今度デートでも行こう。」

「えへ、よろしい!」


彼女は頬を赤らめて微笑む。

普段気づかなかったけど…こういう積極的なところも可愛いよな。


俺たちは徐々に離れていく…。


「あら〜?これはいい酒の肴だな〜。」


突如、笛吹さんが俺たちの後ろで例の烏龍茶を飲んでその一部始終をみていることに気がついた。


「「ぎゃああああああああ!」」


俺たちは真昼間から大人気ない悲鳴をあげてしまった。


「いや〜青春ですな〜えへへへ〜。」


いちばん見られたくない人に見られてしまった。

しかし、笛吹さんは人差し指をぴんと立ててウインクした。


「大丈夫だよ〜言いふらしたりしないから〜。それより勢いに乗せてこれから〇〇でも××でも〜。」

「やらないよ!(です!)」


とにかく、彼女とは積極性も大事だがTPOも弁えて節度を持つのが良いと思った昨日この頃だった。

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