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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第4章 クラスの不良は優等生
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クラスの不良は優等生 10話

キャンプは終わり、俺たちはいつも5人で集まることが習慣になっていた。


不思議と…最初はバラバラなみんなだったとは思えないくらいみんなでいる空間が楽しかったのだ。

季節は7月になる。


もう夏の季節になっていて、俺たちは半袖で学校に行くことが普通だった。

というか…むちゃくちゃ暑い。


夏に差しかかる東京は気温が30度をとうに超えており逃げ場の無いサウナにいるような苦しさだった。


「おはよう、飯田、龍。」

「おー今日も暑いな直輝。」

「そろそろ期末試験もすぐだな〜。」


俺たち学生は期末試験が差し掛かっており授業も多少ピリついていたので少々くたびれていた。

なぜ学校というのはクーラーではなく扇風機を置いてあるのだろうかと今の日本経済を憂いてしまう。


「増税した金はどこいったんだ。」

「んなもん、政治家のキャバクラ代に決まってるだろうが。」

「怒られるぞ〜龍。」

「号泣会見待ったナシだな。ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛〜この日本…おんおん…あ変えたい!!あなたには分からないでしょうね!」

「それはもっと怒られるぞ飯田!」


そういえば10年前に兵庫県の某議員が号泣会見してたけどあれめっちゃ流行ったよね。

確かにホモビやネットミームが好きな飯田なら知らない方がおかしい。


「てか、なおっち勉強はどうだ?」

「んー、正直停滞してるところ。」

「あ?んだよお前自分に言い訳してねえでとにかく勉強しろよ。光合成してんのかよ。」

「いや、龍にだけは言われたくないよ!」


いや、龍自体はめっちゃ勉強してるんだけど…相変わらずこの男は問題を起こしている。


「俺知ってるよ〜この前もずっと女の子と遊んでたって。」

「あ?エリカか?なんだ見てたなら声掛けてくれよ。」

「彼女なの?」

「あ〜中学生の頃からナンパして、そっからずっと一緒だな。」


龍はどうやら昔からこの調子らしい。

しかし、他の女性に手を出してる様子は無いので案外一途なのかもしれない。


「じゃあこれから毎日合宿だな。」

「まあ…それしかないか。」


実際、合宿は効率が良かった。

勉強は基本はインプットをする効率の悪い作業なのだが、こうして集まって勉強をするとそれぞれが得意な科目を教えあっている。


いわゆる…アウトプットが理想的に行われているのだ。

適度にゲームというご褒美があるから集中力付きやすい。


みんな得意な科目は違った。

龍は数学が圧倒的に高く。(全教科ほぼ満点だけど)

俺は地理、公民、日本史、世界史が強い。

飯田は現代文、古典

舞衣は生物、化学

彩奈は英語が得意だった。


このように得意な科目が綺麗に別れている。

それがこのメンバーのバランスの良さの表れだった。


そしたら、2人にも声かけるか。


「舞衣、彩奈!今日みんなで勉強会しない?」

「私は大丈夫よ!舞衣は?」

「あ…ごめん…バイトのイベントしなきゃだから無理かも。」

「あ〜、舞衣イベントと撮影会もやるんだったよね。この…人気者!」

「うう…直輝君との時間が。」


どうやら舞衣は忙しいみたいで彩奈だけがOKだった。


「舞衣、今度パンケーキでも一緒に食べに行こうぜ。

だから撮影会も頑張れよ。」

「うう…頑張る。」


少し悲しそうな舞衣だったのでフォローを入れる。


こうして、俺たちは再び我が家で勉強会をすることにした。


☆☆


「あれ、母ちゃんがいない。」


家に帰って違和感に気づく…何故か母ちゃんがいない。

LINEを見てみると…どうやら里帰りで沖縄に旅行に行ってるようだった。

なんと行動力に溢れた母親なのだろう。

テーブルの上には5000円が丁寧に置かれていた。


「んだよ〜遥香さんに会いたかったな〜。」

「いや、飯田よ…毎朝会ってるがな。」

「毎朝じゃ足りないんだよ!あの抜群のプロポーション、フェロモンただ寄せる香り、どこか子供っぽいあざとさ…全てが最高なんだよ!」

「うっ…やめてくれ、その女俺の母ちゃんなんだ。」


いや、確かに母ちゃんは美人なのはわかるけどこうも解説をされると気持ちが悪い。


「じゃあ、今日はお前の母ちゃんのAVでも観るか。」

「やめろ龍!ヤバいやつ通り越してサイコパスだよ!彩奈がいるのに男過ぎる話題するな!」

「私は大丈夫よ?観る?」

「それはそれで困るからやめよ!?」


なんで集まってAVなど見なければならないのか。

前述のとおり彩奈も母ちゃんの過去を知っている。

というか、一目で分かったらしく母ちゃんの知名度が垣間見えてなんか複雑だった。


気を取り直して勉強を始める。

まずは苦手な人が多い英語からである。

教師は龍と彩奈だ。


龍はTOEIC700点以上あるし…彩奈はTOEFL?だかそんなやつを受けていたらしい。

とにかく英語のスペシャリストが多かった。


「英語ってさ…どうにも難しいよね。ちんぷんかんぷんというか。」

「んー、直輝くんは先ずは単語を覚えるところかな?断片的に単語が分かれば会話の意図は大まかわかるわよ。」

「そうなの!?」


確かに英単語ってアイデンティティとかそんなものしか分からない。


「例えば…アトモスフィア…これは分かる?」

「あと…モス……苔?」

「ブッブー!雰囲気よ。」

「わかるかい!」

「とにかく英単語アプリとかでまずは毎日10単語覚えるとか…習慣づけが大事ね。語学は使ってナンボよ。」


凄い…彩奈は得意な英語になるとものすごく博識になる。


このように俺たちはそれぞれの感覚を教えあって行った。

25分勉強をして、5分休む

途中でゲームのおっきい休憩をしてまた勉強という感じで勉強を進めていった。気がついたら時間を忘れて没頭して…時刻は9時を刺していた。


「さーて、そろそろ帰るか。」

「てか、すごい雨だな!」


天気はゲリラの豪雨だった。

飯田と龍は近いから帰れるけど…彩奈だけは電車を使うので少し帰るのが困難だった。


「彩奈だけちょっと帰り道危ないかもな…俺たちは急いで帰るぜー!お疲れー!」

「おー、お疲れ様。」


龍と飯田は俺の傘を借りて急いで帰る。

リビングで俺と彩奈は2人だけになってしまった。

き……気まずい。どうして俺はこうも独特なシチュエーションに直面するのか。


「あはは……こりゃあ止みそうにないな。もしあれなら親御さん呼んで…。」

「ねえ、直輝。」

「ん?どうし…。」

「今日…泊まってもいい?」


突然、彩奈がそんなことを言い出した。

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