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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第4章 クラスの不良は優等生
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クラスの不良は優等生 7話

四尾連湖に着くと、まずは荷物を荷車に載せなきゃ行けなかった。


実は昔ながらの作りをそのまま採用してるので道が整備されておらず車で向こう側にはいけないのだ。


ちなみにもう1つ方法がある。


「おお!なおっち〜!ボートめっちゃ楽しいぜー!」


有料だけどボートを使うという方法もある。

龍君はめちゃくちゃはしゃぎながら漕いでいた。

ほんと…精神年齢分からない人だな。

あとのみんなは荷車をつかって向こう岸をめざしていく。


「まさか…この俺がみんなと出かける日が来るとはね。」

「えー!どうしたのよ、直輝君!もっとたのしも!」


彩奈さんがそんなふうに言ってくれる。

そうか、彼女はあのゆるーくきゃんぷをするあのアニメのファンだからめちゃくちゃ気合いが入っているのか。


それにしても、小柄だけど少しグラマーな舞衣に対して彩奈はすらっとしていて背も僕と変わらないくらいだから少しモデルチックだ。

それがアクティブな服装とマッチしていて結構意識してしまっていた。


…いかんいかん!そんな分析してたらまた舞衣に殺されてしまう。


「でもさ、こういう日はいい思い出になると思うんだ。」

「おっしゃる通りで。」

「何故に尊敬語?」


自制心が彩奈を意識しては行けないと言っている。

そのせいで日本語が少しバグってしまう。


あれ、ちょっと待って…男女で集まってキャンプ?

なんか…めっちゃ陽キャじゃないか?

すごい!いつの間にか俺の青春はこんなに華やかになっていたのか!ちょっと感動した!


そんなことを思っていたらキャンプサイトに到着をしてしまった。

湖に面している湖畔サイト、そして林の中にある林間サイトなどがあった。

んー、どちらにしようかな。


「「「「「湖畔サイトかな。」」」」」

「いや、めっちゃハモったな」

「あはは…まあそうなっちゃうよね!」


どうやら、みんな意見は合致していたようだった。

あの漫画でも確か湖畔にテント立ててたっけ。


今日用意したのは男女で別れるためにポールテントと普通のスリーブ式のテントの計2点のテントが用意されていた。

そして、雰囲気を出すためにヘキサタープという六角形のタープを用意する。


俺たちは最初にタープを立てて天井を作るのだけれど…。


「なかなか立たない…。」


そう、結構物理演算ができないと難しい。

ポール2本と紐の張りで支えるので少しでもミスがあると立つことが出来たなかったのだ。


そして、龍君は事前に練習もしてなかったので俺たちは苦労していた。


むう…どうすれば良いか…。


「まずはポールを1個自立させてみるか。恐らくロープの張りで三角形にすれば立つはず。」

「お、なおっちがなんか掴んだ。」


全部を中途半端にやるよりもまずはひとつ、次にひとつと確立させたほうが効率がいいと仮説を立てると見事に1つのポールが自立した。


「おお!直輝すげぇじゃん!どうやったの?」

「まずはロープ2本とポールで三角形を作るの。そうするとポールは右にも左にも行かないで自立するなと思ってね。」

「おお!ってことは…。」

「次に反対のポールも同じように自立をさせる。そこにタープ本体をくっつけたら…。」


見事、まずは天井が完成した。


「あとはそれぞれの端っこを伸ばすようにロープを張れば出来るはず!」

「「おおおおー!!!」」


説明していたら…タープを自分一人で立ててしまった。

なんか、すごい達成感が…。


「って違う!これはみんなで協力するやつじゃないか!」

「直輝はこういうの昔から得意だもんな〜。」

「物理演算能力が高いんだろうな。」


そんなこんなで結局残りのテントも俺一人で立ててしまった。


「あれ?そういえば彩奈さんと舞衣がいないな?」

「あー!あの二人ならちょっと散策するって言ってたよ。」


☆☆


私は川崎彩奈かわさきあやな、過去に仲違いをした舞衣と一緒に今は四尾連湖の受付でホットチャイに挑戦中だ。


「どう?舞衣。」

「初めて飲んだけど…なんというかシナモンの香りと辛さを感じるね。」

「私はちょっと慣れないかも〜。」


舞衣はめちゃくちゃ可愛い。

メイド喫茶でも人気が出たりしてる。

しかし、たまに何考えてるか分からないところがあるんだけれどね。


「なんか、直輝君と話したら色々変わったね。」

「そうだね、彼優しいもん。」


私は知っている。直輝君は舞衣の彼氏をしている事も。

でも、なんだろう…彼と対立をしてからも彼はそんな私を許してくれて、受け入れてる感じがとても暖かい。

きっと舞衣もそんな彼に惚れて好きになったのだろう。


「ねえ、もしかしたら彩奈はさ…直輝君のこと…好き?」


突然、そんな事を彼女から言われる。

私は頭の血がぼっと上がる気がした。


「え!?いやいや…ないないない!だって私は舞衣と直輝君の恋愛応援してるんだよ?」

「そう?それならいいんだけど…。」


気が動転してしまった。

確かに彼と話すのは楽しい。

私に関わる男って私の見た目とかそういうもので近づく人が多かったし、付き合っても自分語りする人しかいなかった。

だけど彼は私を素の状態で接してくれている。

それが心地いい…それだけである。


でも…好きと言われると…わからない。

私は人を好きになったことがないのかもしれない。


「大丈夫よ!大丈夫!それより…みんな喜ぶと思うし薪とか買ってみんなのところ戻ろ!」

「そうね!ありがとう!」


彼女は自然に笑顔で接してくれている。

虐めていた張本人にたいしてもフラットに接してくれている。

少し、それが罪悪感に感じてもいた。


「ねえ、舞衣…あの時はごめんね。こんな私でも…友達でいてくれないかな?」


不意に…そんなことを言ってしまった。

私は衝動的に動いてしまうので悪い癖だなと常々思う。

しかし、そんな彼女は笑顔のままだった。


「何言ってるの!私こそ…仲良くしてくれてありがとう!じゃあ…戻ろっか!」


私は、少し勘違いをしていたのかもしれない。

さて、それではこの時間を精一杯楽しむとしよう。


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