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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第3章 私の過去はAV女優
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私の過去はAV女優 8話

私は……驚愕をした。

AVというのはどんなイメージが湧くだろうか。

いかがわしい、凄いことをするなど様々な意見があるのだろう。

撮影現場は?きっと男性がいやらしい目でこちらを見てるとか……そんな偏見を私は持っていた。


しかし、それは大きな誤解だった。


「はるかちゃん入ります!」

「「「おはようございます!!」」」


とても活気なある挨拶に私は面食らってしまった。

少し硬直をしてしまう。


そして、現場は撮影や編集などを行っていた。


「AD、この展開はどう思う?」

「そうですね、よりみてもらう為にはこのシチュエーションを組み込むと良いかと。」


「この映像は編集はこのようにして!」

「はい!」


「みゆきちゃん、あと4回くらい潮吹きのシーン入れられる?あとは、挿入時にもっとのけぞって欲しい!そこを何回かにわけよう!」


もっと無気力な現場かと思っていたら、まるで生放送の撮影かと思うくらい活気に溢れていて……みんなで作品を作ってる、そんな雰囲気がひしひしと伝わってきた。


女優さんも体力勝負なのか、やっていることは性行為なのにとても必死にやっている。


「あはは……はるかちゃん、驚いた?」

「監督……!」

「凄いでしょ、この現場。」

「正直、少し感動さえ感じています。」

「みんな、この仕事に誇りを持っているんだ。たかがAVかもしれないと皆はバカにするのかもしれない。でもね……これも一つの作品だ、女優にカメラマン、脚本家やディレクター……様々な人が関わるからこそ見られ続けているんだよ。」


そう、ここにいる誰もがプロなのだ。

皆が胸を張って仕事に臨んでいるのだ。


この現場を軽んじる私は……もういなかった。


「わたしも今日、本気で撮影に臨みますので、よろしくお願いします!」

「おう、その意気だ!がんばれよ♪」


それから丸一日の撮影が行われた。

最初はいきなりだがレイプものの企画で何人かの女優さんとで1本の作品になるのだ。


もちろん、生でする。


「はい、これピルね。」

「こういうのもしっかりしてるんですね……。」

「もちろんさ、男優さんの性病検査など衛生面にも気を使ってるよ。」

「すごいな……AV。」


わたしは、そこから何回か休憩をとって気がついたら何時間もここにいた。


私は、初めての撮影に大きな壁を感じてしまっていた。

「私……演技するの難しい、しかもセリフもアドリブが多くてプレイも結構決められてるし……カメラが気になって感じるのも難しかった。」

「あはは……初日にしてはよくやった方さ。ほれ、これは給料さ。」

「あれ、思ったより……。」

「多分単価は交際クラブの方が上がりやすい。」


そう、私はAV女優になったからと言ってすぐに稼げてる訳ではなかった。

文字通りの底辺スタート、そしてもっとたくさんの人に見てもらうためにTwitterやブログも初めて、スキマ時間には自分で広報もしていた。


☆☆


「ただいま、直輝!」

「あ〜、あ〜!」


直輝は1歳を過ぎると、少しずつ立つ練習も出来てきている。

息子が健やかに育つことはなんと微笑ましいのだろう。


「私……絶対あんたを幸せにしてあげるからね!」

「あ〜、きゃっきゃっ!あーあ。」

「あ!今……ママっていった?かわいい〜!」


頑張る幸せと息子が育つ幸せ……どちらもが私を強くして言った。

なんとか面接まわりをして仕事を振られるようになったけど……直輝の時間はなかなか取れなくなったので私は頑張ってベビーシッターを雇う事にした。

シングルマザーとしては比較的稼げている方だったので、あとは私は仕事の勉強と撮影に打ち込むことが出来た。



「遥香ちゃん、人気女優の作品をゲット出来たけど……見てみる?」

「みたいです!演技力の勉強になりますので!」

「お!いいね……がんばろう!」

「はい!」


私の給料は……みるみる上がっていった。

下品だが、私は潮吹きの練習が甲を成して潮吹き演技派女優として売れていき……1年ほどで週間売り上げ1位を記録することが出来た。


「遥香ちゃん入ります!」

「「「おはようございます!」」」

「おはようございます!今日もよろしくお願いします!」


わたしは、売れても調子に乗らずに謙虚に生きることにした。

この人たちのおかげで私は売れてるし、直輝にご飯を食べさせてもらってるのだから。

直輝は、気がついたら3歳になっていて……保育園はいつも延長保育最遅にしてもらい、迎えもベビーシッターにお願いする日もでてきてしまった。


直輝は……とても素直で優しい子だった。


「直輝ー!ごめんね……今日もお母さん忙しくて待たせちゃったね。」

「おかーさん!大丈夫!お化けの絵本読んでたから大丈夫だったよ!」

「直輝……かえろ?今日は頑張ってハンバーグ作ったの!」

「ハンバーグ!大好き!」


私は……正直この直輝の大人びた性格に頼っていた。

いや、甘えすぎていたのかもしれない。



私は、人気が上がると仕事をかなり入れてしまい

1ヶ月に25本作る日もあった。

時には海外に行って外国人に致されるというものも出てきてしまい、私は時に疲れてしまってディレクターに泣いてしまうこともあった。


「ディレクター……私、もう辞めたいです。」

「遥香ちゃん……辛いかも知らないけど乗り切ろう。

少し今月は本数を少なくしてもいいから。」

「うう……うえええええ!」


やはり、AVは過酷だ。

朝8時に行って朝7時に撮影が終わり、メイク中などで仮眠を取ってそこからまた撮影を長時間行う。

体力勝負だし、いかに環境が活気に溢れていても……自分の時間のなさが時に心を蝕んでいる事もあった。

そう思う頃には、私はAVの女王なんて呼ばれることもあり、ファンにサインを書く日もありスケジュールはとても圧迫されていた。


私は、26歳になった。

貯金は余裕で億が見えてくる金額になっていて、マイホームを購入して、車を買っていて……私はボロアパートに住んでいたことが嘘みたいだった。

気がついたら直輝は小学生になっていて、家政婦を雇って家事をしてもらい……なんとか私はこの生活を担保していた。


しかし、そんな日々も終焉が近づいていた。

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