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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第24章 雪と温泉とウィンタースポーツ

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月下に灯るメイド長 5話

「それでは、本日はここまでです。気をつけておかえりください。」

「本日は、ありがとうございました!」


その後も面接は続いた。


本当に色んな子が来てくれて、逆に勉強にもなった。

しかし、採用か不採用かは悩ましい。

私は採点シートにものすごく考えながら記載をしていた。


「……ねえ……どう?」

「んー!いい子達なのは分かるんですけど、良いだけではメイドって出来ないですよね。」

「……さすが舞衣ちゃんね。」

「そりゃあ2年も働いてますからね、ぶっちゃけSNSとかも自分でやらなきゃだし行動力とか成長性も感じないとダメですね。」


そう、メイド喫茶はとにかく難しい業界だ。

例えば外国人なんかはこっちに来る機会はとても多い。

なので英会話研修も取り入れるのだけどその適性がないとお店が回らない。


他にもSNSの集客も自分でやらなきゃだし、成人してる子は飲める子の方がこちらとしても嬉しい。

お酒アレルギーと3人目の子は記載してあるけど、嘘か本当かのどちらかがある。本当なら皮膚に触れただけでも大変だし、嘘なら飲めないというのでどちらのパターンでも扱いずらいのだ。


メアちゃんは未成年だし不器用だけど業界自体が好きなので採用。しかも、自分の得手不得手を考えて変えられる覚悟があったから採用した。

忖度はない。(と思いたい。)


そして、4人目の面接が始まろうとしていた。


「では、次の方どうぞ。」

「はーい!くるみです、よろしくお願いします!」


次の子は21歳の女の子だった。

めちゃくちゃ可愛い。

背は低めでどちらかと言うとスレンダーな感じだけど、フランクな物腰のやわらかさとオーラが売れそうな感じがあった。


「……くるみちゃんね。なにか得意なことある?」

「えへへ〜こんなこともあろうかとダンス用意してきました!」

「……へぇ。やってみる?」

「はい!じゃあ音楽流しますね!」


そう言うと、彼女はTikTokで流行りの曲を踊るとキレのある動きで私たちを圧倒した。

それも、一つ一つ動きを止めた方がいいところは止めて自分の可愛いアングルを決めたりなど、カリスマ性もあった。


ダンスを終えて私達は乾いた拍手をする。


「ありがとうございます!」

「いやぁ!あなたのような人を待ってましたよ!」


舞衣ちゃんもすっかり彼女に惚れ込んでいて採用をしようとしていた。

しかし、メイド歴10年の私には所々に違和感を感じた。


「……素晴らしいパフォーマンスやカリスマ性を持ち合わせてるけど、どうしてうちに?」

「私〜こうしてインフルエンサー活動をしてるんですよ!元々地下アイドルとかでも売れてました!」

「……あ、ごめんなさい。ここに来た動機を聞いてるの。」

「あ!ごめんなさい、私ったら天然ってよく言われるんですよね〜あはは。」


私は彼女の目を見てふと思う。

彼女の目には光がない。

あんなに人を引き込む笑顔なのに目だけ笑ってないのだ。

恐らく、この天然ボケをわざとやっている。


「ここに来た理由は、ことねさんと共に仕事をしたいからですね。」


そう言って彼女は少しだけ不気味にニヤついた笑顔をこちらに向ける。

どうやら私目的らしい。



挿絵(By みてみん)




「……ふむ、地下アイドルとかの経歴で辞めた理由は?それも2回ほど脱退してるわね。要はうちとしては長く働いてもらえるか、とかそういったことが少し私としては懸念点に見えてしまったの。才能があるからこそ、私は怖く感じる。」


つまるところ、彼女は私と一緒だ。

仮面を被って生きている。

このタイプは社会に馴染むかもしくはとんでもないペテン師かのどちらかに走るので、私は後者を恐れていた。


「あちゃー、ことねさんには通じないか。」


そう言うと彼女はあっさりと自分が仮面を被ってることを認めた。


「……本当の目的は何?」

「まあ、自分の知名度を上げるために利用したいのと、あとはことねさんにはシンパシーを感じてて、学べることがあるのかなって思いました。ことねさんも画面被ってますよね。」

「ちょっと!?失礼じゃないの!今の減点になりますよ!」


怒る舞衣ちゃんを私は遮る。

この子はきっと、サイコパスの傾向があるのかもしれない。

でも、必要か不必要かで考えたら話は別だ。


「……あなた、人間関係はどう?」

「え。」


突然の想定外の質問にくるみちゃんはズッコケる。

きっと、それに対する答えは持ち合わせてないのかもしれない。


「……家族や兄弟とは?」

「そこまでです。まあでも波風立てないようにしてますね。」

「前の職場とは?」

「んー、微妙です。共感だけの中身のない表面上の会話が嫌いなので、嫌じゃないですけど疎外感はありました。でも、そこも演技でやりきる術は身につけました。」

「こ……ことねさん?」


私は考える。

この子は悪い子では無いのかもしれない。

ちなみに履歴書をみるとくるみはもちろん本名じゃない。

くるみの花言葉は知性と戦略。(形が脳みそに似てるから)

確かに危険性はあるけど彼女の高い知性は武器になる可能性がある。それに彼女はどこか自分の居場所がなくて私を見てほしいという声が聞こえた気がした。


「……私は厳しいわよ。面白いわねくるみちゃん。」


その返答に彼女は全てを理解したようでさっきの演技に塗れた笑顔とはまた違う笑顔を浮かべる。

多分合格したところまで見透かしたのかもしれない。


「まあ、ちょっと二方には胡散臭く見えたかもしれないです。」

「……いえ、あなたSNSも自分でちゃんと大きくして、ファンの人にもきちんと対応をしている。ダンスだって影で練習を沢山したんでしょうね。その上であなたの人間性に触れたかったの。」

「あはは、ことねさんが想像以上で私楽しかったです。」

「……うん、合否はまた3日以内にメールします。」


そう言って、彼女を返した。

もちろん私としては合格である。


「ちょっと!?ことねさん、大丈夫なんですか?」

「……大丈夫よ。彼女は我々にとって必要な人間になるわ。」

「そういうなら、分かりましたけど。」


私はお互いに大きく伸びをする。

今日の面接はここまでだった。

カメラをオフにして、動画のデータを舞衣ちゃんに渡す。


疲労感と座ってばかりだったからおしりが痛い。

それに少し喉も痛く感じたのだたくさん喋った証拠だ。

部屋の暖房で少し背中に汗をかいてるのを感じた。


「さて、今日はここまでにしますか。動画編集もお願いできる?その間も給料は払うから。」

「もっちろん!任せてくださいね〜明日までには挙げるので!」


そういって、私達は駅で解散をして私はゆっくり今日は湯船に使ってUber Eatsを頼み、疲れたからだをゆっくりと癒すことにした。


その間に動画は投稿され、再生数は31万にも及んでいた。

もちろんコメントも着いてチャンネル登録も増えてきて、どんどんと新店舗に期待値が上がってくる。

私も止まらずには居られなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

YouTubeのコメント

「メアちゃん可愛い!自分を変えるために努力して勇気貰えた!もうメアちゃん推しになります!」

「舞衣ちゃん若いのにしっかりしてて頼もしい。椅子蹴り飛ばすとこらはやらせか判断つかなかったww本当に17歳?」

「くるみちゃんの気持ちわかる。家と仕事でも気を張ってるんだろう。多分ことねさんはそこまで見てる。」

「ことねさんまじで美人!おなじ28なのに肌が綺麗すぎる。」

「ことねさんに踏まれたい。」

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