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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第2章 僕のクラスメイトは托卵女子
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僕のクラスメイトは托卵女子 14話

ゴールデンウィークの2日目だった。

天気は涼しさというかとにかく暑さしかなくて夏がもう来てしまったのではないかと思う猛暑になっていた。

ニュースはとにかくゴールデンウィークのレジャーのことで持ち切りになっていて、俺はコーヒーとハムチーズトーストとココアトーストを食卓に並べていた。


今日は佐倉さん……まちがえた、舞衣さんとのデート(?)当日である。

実は恥ずかしい話俺は高校2年生にもなって女の子とデートをしたことがなかった。

なので、少し自身の挙動に落ち着きがないのが手に取るようにわかった。


「直輝?」

「……。」

「なーおーきー!」

「はっ!」


俺はぼうっとしていたようで母ちゃんの問いかけにすら気づいてなかった。おかしい、やっぱり今日の俺おかしい。


「どうしたのよ、永遠にヨーグルトをスプーンで混ぜてたわよ。」

「はっ!」


俺は無意識にスプーンを円を描くように混ぜていたように気がつく、明らかに普通じゃない。


「あははは!直輝〜今日のあんた面白いわね〜。」

「うっせぇ。」

「まあでもこの前は傷だらけで帰ってきたからビックリしたわよ〜傷もやっぱり若いから治りも早いのね!」


確かにあの日から5日が経過したとなると、あの日の傷もほとんど治っている。

虎ノ門君は馬鹿力で手加減というものも知らなかったのでこんなに傷を負ったこともなかった気がする。

そして、あの日に舞衣さんにデートに誘われたのだ。

何故だろう、一晩を一緒にいた(やましいことはございません!)のにこんなにも意識をするのは童貞の性なのかもしれない。


「今日の予定は?」

「江ノ島?」

「なんで疑問形なのよ。」

「まあ、そんな感じよ。あとは察してくれ。」


彼女には江ノ島に行く約束をしたのだ。

実は江ノ島は行ったことがないのでイメージがとにかくわかなかった。島だから……海?それくらいである。


「母ちゃんカウンセラーとかじゃないから察するのは無理です〜元AV女優なんで。」

「やめてくれ、掘り下げるのは息子としてきつい。」

「あはは、まあいいわ……もう半分大人みたいなものだし全部を話す義務もないから大丈夫よ!」


母ちゃんはいつもとにかく明るい。

きっと過去が壮絶だったのできっと受け止められるだけの器が人よりも大きいのだろう。

少し安心したので俺は身支度をする。


「行くの?」

「ああ、待ち合わせは早めの方がいいってネットに……。」

「デートでもするの?直輝も母ちゃんに似て顔整ってるしモテるよね〜。」

「な!?」


やはり母ちゃんは鋭い……なんでもお見通しだった。

俺はそんな視線を振り払い玄関へと駆け出していく。


「行ってきます!」

「はい、行ってらっしゃい!」


その反応はもうそうだと言っているもんだけど……とにかく俺は朝からカッとなり自分のコントロールがまだ難しかった。


☆☆


江ノ島に着くと少しレトロな駅があり日差しは暑く人で賑わっていた。

まだ彼女は来ない……俺は30分ほど前に到着をして何をすればいいかわからなかったのでソーシャルゲームを開いてはデートで何をするべきかと調べて……そしてまたゲームと繰り返していた。

それにしても、30分はちょっと早すぎたな……ピッタリで来ればよかったかもしれないと少し後悔をしていたが、15分前に差し掛かる時だった。


「直輝くん?」

「あれ、舞衣さん……。」


舞衣さんが到着していた。

服装は青いワンピース風の服を着ていて、いつものハーフツインをしているけど少し内側に巻いていて夏を彷彿とさせるようなファッションだった。


胸の谷間も洗わになっており、シルクのように滑らかな肩を露出していた。


「待った?」

「んー、15分ほどかな。」


あ、しまった。デート攻略だと俺も今来たところだよと答えるのがセオリーだった。

しかし、約束の時間よりも2人とも早く来るあたりお互い真面目なのだろうと関心もしていた。


「じゃあ、行こっか!」

「そうだね!」


俺たちは並んで歩く、この時は少しエスコートするように早めに歩いてあげるといいらしい。

なるべく道路側を歩いて守るように……ってああ!しゃらくさい!見すぎだよ俺!ふつうで行かないと。


「直輝君……少し緊張してる?」

「え……あ、ああ……いやいや、ちょっと暑いなって思ってね。」

「そっか……。」


すると、彼女は俺の左手を掌を合わせるようにギュッと握った。


「ひゃあ!?」

「あはは……直輝君の手、汗びっしょりだよ!ねえ、今日の私……可愛いかな?」


舞衣さんが巻いた髪をクルクルと捻るようにいじり出した。なんだろう、この仕草と言いいつもの彼女とは思えないほど胸の高揚を感じていた。


俺は咄嗟に目を逸らしてしまう。


「ま……まあいいんじゃないかな?いつもよりも3割増しでよく見えるよ。」

「そう、ありがとう!」


彼女は何処か嬉しそうだった。

どことなく足取りもリズミカルなのでこの状況を楽しんでるようだった。

デートだ、これぞ圧倒的にデートだった。

なんて事だろう……神様、ちょっと素直になれないけど今人生でトップクラスに幸せです。

2人で道を歩くと波風が吹く砂浜に辿り着いた。

この季節はまだ海水浴のシーズンより早いのだがサーフィン?をしようとする者がいたり、海で遊ぶ人も沢山居た。

流石は関東の人気スポットである。


そして、橋の上の道が島へと真っ直ぐ続いていた。

あれが……江ノ島か。

そして、舞衣さんは楽しそうに……そして少しドキドキしてるのか手のひらより下から少し鼓動が伝わってきた。


「じゃあ、あそこ行ってみよっか!」

「う……うん。」


海の匂いは、正直変わった匂いをしている。

風からある砂浜のような……それでいて塩っけのあるような……生臭い魚の死骸のようなそんな匂いが入り交じっていて複雑な感想だった。


青春最中のゴールデンウィーク、まだまだ退屈しなさそうである。

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