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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第15章 僕の幼なじみはドS少女
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僕の幼なじみはドS少女 7話

俺は用心してその日は無事帰宅した。


案外世の中の心配事というのはすぐに怒らないらしい。

「……我ながら、めんどくさい事に首を突っ込んじまったな。」


最近は人の為に……なんて頭に血が上るけど、その先のリスクまでは考えられてない。

自分の悪い癖だと思う。


俺は急いで頼れる人物たちに連絡をすることにした。

少し早めに学校に来て、その旨を伝えるところだった。


「おーっす、直輝ーいるかー?」

「飯田!来てくれたか!」

「あはは、なんか久しぶりに頼ってくれたな。」


まずは俺の親友の飯田蓮である。

彼はスポーツもやってるし喧嘩も強そうだった。


「うぃー、なおっち〜?」

「龍まで!ありがとう!」


続いて学校最強で俺の悪友の虎ノ門龍も眠そうに来る。

夜間校であんまり寝てないはずなのに……頼もしい限りである。


「んで……どいつから締めあげればいいんだっけ?」

「いや、スイッチ入るのはやすぎだって……。」

「あ、そういえばこいつも来ていた。」


そしてもうひとりは、文化祭実行委員の件でもかなりお世話になった早乙女渚もちょこんといた。

これで呼んだのは全員だった。


俺は端的にふみやというイケメンに喧嘩を売り、狙われてる可能性が高いので用心棒をやって欲しい旨を端的に伝えた。


大してみんなは少し考えた。


「すまない!ぶっちゃけみんなに迷惑を被るのは分かるんだけど……。無理だったら別に断ってもいい。」


流石に全て頼りきりは申し訳なかった。

だから判断はみんなに委ねることにした。

そりゃあそうである。

女のために俺を守ってくれと言っているようなもんだったから。


しかし、みんなは顔を合わせて笑っていた。


「んだよ!水くせえな、もっと早く言えよ!」

「僕たちは既に君に沢山助けられてるから……恩返しとさせてよ!」


最後に、飯田が俺の肩に両手をおいて語りかける。


「大丈夫だ!ここにいるヤツらはもっと頼ってもいいんだよ!お前いつだってみんなに力を貸してきたじゃねえか!……それに、いつも抱えすぎだばーか。もっと頼りなさい。」


「飯田……それにみんな……。」


思ったより……みんなは暖かかった。

みんな声を揃えてもっと頼れと言ってくれる。


「ありがとう……本当にありがとう。マジでみんなには感謝してもしきれないよ。」


少し目頭が熱くなり、背中が火照るような感じがした。本当に良い友達を持った。

なんかここ最近は特にそう感じる。

困った時に手を差し伸べてくれる存在がいるって本当にありがたい。

どうやらみんな……分かってくれてたみたいだ。


「それに……僕その人たちに心当たりあるよ。」


なんと敵の情報は既に渚が持っていたみたいだった。


「いや、なんで渚知ってるの?」

「……中学の元カレだからね。でも、自己顕示欲めちゃくちゃ強い小物だし、なんでも金で解決するところがあったりですぐ振っちゃった。」


なんというか、今回の敵は危険人物に変わりはないのだけどちょっと残念な要素があるように見えた。


「ま……まあ、深くは聞かないとして、どうすればいいと思う?どんなやつかも分からないんだ。」

「そうだね……彼自身はそんなに強くないし、お金を払ってチンピラを雇うようなやつだから……やられる前にやるのがいいかも。」

「……逆に体勢が整うとやばい?」

「うん、武器とかも揃えてくるかも。」


なるほど……手は早めに打っておいた方が良さそうだった。


若干こちらは戦力不足か……?と少し悩んだがあんまり心配する必要はなさそうだった。


なぜなら……。


「よーし、千秋の世話と勉強でストレス溜まってたし運動するか〜!」

「もしもし?笛吹さん?え……部屋汚した?おい……今度という今度は許しませんよ……!」


なんか、こちらの陣の士気が普段のストレスのせいか高かったから。


☆☆


ここは大田区の湾岸にある廃工場。

そこには何人か人間が集まっていた。


「……っち、愛のやつまた電話にでねえ!ブロックされてやがる!ちくしょう!」


俺はスマホを投げそうになる……が、このスマホ20万するからまた壊したら親父に怒られる。


「ギャハハ、ふみや……なんであんな女にこだわるんだよ。別にお前モテるだろ。」

「うるせえ、お前に何がわかる。前払いしてるから黙って言うことを聞け。」

「ちっ!なんだよ面白くねえ。」


あの……天野直輝とかいう舐めたやつをぶち殺すには綿密に準備が必要だ。

場合によってはとどめを刺す必要がある。


なので近くの不良やチンピラを買収して酷い目に併せて人質にして愛とよりを戻すことを考えていた。


なんで………急に居なくなったんだ。

高いものとか買ってやったのに、何が不満だったのか理解ができない。

でも、そういえ不可解なものこそ手に入れたくなる性分だった。


「ねえ〜ふみや〜、私とならどう?」

「わかった、あとは武器の手配も手伝ったらデートでも連れてってあげるよ。」

「やーん!私ぃ……頑張るね!」


下卑た女が媚びてくる。

こんなものには興味が湧かない。

やはり、あいつが必要だった。

でも、この顔のおかげでどうにも利用しやすかった。


「すみませーん!打ち合わせ遅れました!」

「あ?なんだてめぇ……ぶぼっ!?」


1人の男が殴り飛ばされる。

廃工場にいた20人あまりの人間がザワつく。

ちっ、たかが1人が怪我をした程度で狼狽えやがって。


「なんだてめぇ!」

「あ、どーも……呼ばれた気がしました。虎ノ門龍って言います。」


不良やチンピラがその名前を聞いて驚く。


「虎ノ門!?」

「それって……ここらじゃ有名な暴君の名前じゃねえか!?」


俺は不審に思う。


「おい!あんなやつも呼んだのか!?使えねえな……。」

「い……いや、そんなやつ呼んでないわよ!危険人物なわけだし!」

「じゃ……じゃあ、誰が!?」


バコンッとまた1人殴り飛ばされる。


「あ〜スカッとする。このあとまた吐瀉物の処理をしなきゃと思ってイライラしたけどこりゃあいいわ。」


もう1人……170cmのガタイが良い男が現れる。

これは……明らかに襲撃されている。


「みんな、警戒しろ!敵が来てるぞ!」

「て……敵って……お前具体的に指示しろよ!」


やはり寄せ集めの人間では統制が取れてないようだった。


「ち……使えないやつらめ……。」

「あの、すみません。ちょっといいですか!?」

「あ!?誰だテメェ忙しいんだよ今は!」


ニット帽を被った小柄な不良がいた。

しかし、ニヤリと笑うと。


「こんにちはふみやさん……ぶちのめしに来ました。」


男の正拳突きがみぞおちに入り俺はダウンする。

しかし、統制のない奴らはそんな様子に気がつくこともなく、目の前の侵入者と戦うことで精一杯だった。


「お前、まさか……!」

「天野……直輝と申します。」


来るはずのない宿敵が今……俺の目の前にいた。

みぞおちを殴られて呼吸が少し荒いでしまうが俺は会いたかった。


「俺も会いたかったよ……あいつの居場所を殺してから聞いてやるよ。」


すると、小柄な天パの目つきの悪い少年は少し考えた。


「いや、殺したら聞けないでしょ。頭悪いんですか?」


俺の血脈は沸騰していた。

殺す、殺してやる、ぶち殺すぞ。

そんな憎悪が彼へと向ける。


「……いいだろう。その口二度と聞けなくしてやる!」


ホコリ被った廃工場のなかで暗がりの中、侵入者との戦いの火蓋は切って落とされた。


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