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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第14章 僕の役割は文化祭実行委員
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僕の役割は文化祭実行委員 18話

※100日チャレンジ98日目

オープニングイベントを終えて、俺は自由行動になる。

警備なども先輩方が楽しんでこい!と背中を押してくれたので、俺は楽しむことに注力することになった。


さて……と、いたいた。


昇降口に舞衣が待っていた。

いつもの闇メイクチックなものではなく、今回は打って変わって清楚系のメイクをしていて、俺はふと見とれてしまう。


「おまたせ!」

「直輝くん……代表挨拶かっこよかったよ!」

「いやいや、突然の無茶ぶりだったからびっくりした。即興で自分で何言ってるかわかんなかったし……さて、行こっか。」

「うん!」


うちの文化祭は、1日しかない代わりにかなり出し物は凝っている。


例えば……、ほら……あの教室なんかもそうだ。

学園祭なのにカジノをやっている。


仮のベットコインが支給されて、かなり凝っている。

というか、年代層30代が多いのでかなり楽しんでるみたいな。


「かーっ!姉ちゃん……すごいな、ディーラー向いてるよ。」

「俺もだ!何度やっても勝てねえ!くそ!」

「……恐縮です。」


恐ろしいことにダンボールでパチンコも作っているのだが、特に人気が高いのがポーカーだった。


特にディーラーさんは髪やまつ毛の長い180センチの美女が沢山の賭博者を負けへと導いていた。


「よお、なんか……凄いことやってるな。」

「あなたは……諏訪湖花火の時の……。」


そう、白い美女の正体は龍の彼女の御坂千秋だった。


「ワンゲーム、やらせてくれないか?」

「ええ……もちろん。」


彼女は手札を手際よくシャッフルする。

かなり本格的な動きをしていた。


長身とスーツとベストが見事に噛み合っていて、海外の映画に出てきそうだった。


「それにしても、日中は出られるようになったんだな。」

「……ええ、先輩が私の肌を研究してくださって、肌に合う日焼けクリームを塗ったり、日傘があれば私は体のダメージを最小限に止められる事が判明したのです。」


龍……最近会わなかったけど、不良なのにめちゃくちゃ面倒見が良い。

それはいい……それはいいのだが……。


「なあ、なんで……カジノなんだ?お前のクラス。」

「……夜間クラスですと、年齢層が高いのです。高校を中退した人がはたらきながら来るケースがほとんどですので。」


「そうだな、大事な役割してるよな。」

「それで、意外とクラスの人って金持ってて遊ぶの好きだから韓国とかクルーズ船に乗ってカジノを行く人もいるんですよ、だからクラスは慢性的なギャンブル中毒へと陥ってるのです。」


「何してるの!?すげぇな夜間高!てか、日本でカジノして大丈夫なの!?賭博法とか!」

「ふふふ……健康麻雀なんていう賭博禁止の設備があるくらいなのです。法律対策もバッチリですよ。うちのクラスはそれについてもスペシャリストが多いのです。」


いや……夜間高の皆様……その行動力があれば高校卒業の方が楽なのでは?


「おっと……話が過ぎました。ではカードをお配りします。」


彼女はカードを5枚配る。

内容は……役が作られないブタだった。


しかし、ルールでは1回はカードを変えても良いのだ。


俺はなるべく同じ数字が揃うダブルかトリプルを狙うとする。

なのでKと適当な1枚を残して俺は彼女にカードを渡す。


「あら、半分以上交換するんですね?」

「ま……まあ、楽しみにしてろよ。」

「あらあら、随分自信があること……。」


そして彼女はまたシャッフルをしてカードを配る。

俺はそれを見るとなんと、Kが2枚……つまり、俺はKのトリプルを作ることが出来た。


いいじゃん!役が揃うのでも手一杯だからこれなら勝てるかもしれない。


しかし、彼女は悪魔のごとくニタァと笑うとカードを提示する。


ふむ……ダイヤの10.J.Q.K.A……って……


「ロイヤルストレートフラッシュじゃねえかぁ!!!!」

「あはは……先輩の負けですね。」

「……えっとロイヤルストレートフラッシュが出る確率は…… 約0.000153%って、んなわけねえだろ!」


俺はツッコミついでにカードをたたきだす。

あれ……?ロイヤルストレートフラッシュってそんな簡単に出るものだっけ?


「……先輩、私はねアルビノじゃないですか。」

「そうだな。」

「約17,000~20,000人に1人の確率で生まれるとされています。つまり、私の存在自体が低確率なんですよ、今更ロイヤルストレートフラッシュを充てるくらいどうってことないじゃないですか。」

「くそう……明らかにこじつけなのに妙な説得力がある。」


俺は速攻で惨敗してベットコインは没収された。

ちなみに舞衣も別の賭博をしていた。


サイコロ3つを振って茶碗で役を作る……チンチロである。

彼女も何個か役を作り、あと少しで勝てるとこだったけど、最後に相手がそこそこ強いサイコロの役をつくって負けていた。


みんなは気づかないけど、俺は1つ気がついてしまった。

最後のサイコロ振る時だけ4.5.6しかないサイコロを使っていることに。


どうやらこのカジノ、将来とんでもない大物を作りそうな予感がした。


☆☆


「くぅ〜、まさか文化祭初っ端からギャンブルにハマってしまうとは……。」

「ね〜、あーあ……あと少しで勝てたのに。」


いや、最後イカサマしてたから最強の役を作るチートがないと勝てなかったよ。


他にも食べ物の出し物も沢山あった。

例えば、隣のクラスの出し物はドリンクショップをしている。


「お!天野じゃん!お疲れ様!」

「ああ、お疲れ様……。」


隣のクラスの男子が店員をしている。

カフェのようなバーテンのようなオシャレな感じでドリンクのペットボトルやシロップの瓶が並べてある。


「凝ってるな……じゃあ、タピオカミルクティーを頼む。」

「わりい、タピオカなしのタピオカミルクティーしか出せねえ。」

「いや!?それただのミルクティーじゃねえか!どうしたんだよ、昨日タピオカ仕込んでたじゃん。」

「いや!あのな……炊飯器で炊いたら……こんな感じになったんだ。」


隣にはちゃんとタピオカが置いてあった。

俺はそれを1粒食べると外はヌメヌメ……中はボロボロの何かの食感がしていて、とてもタピオカとは思えない味わいのものが出来ていた。


「ど……どうしたらこんな不味くなれるんだよ。」

「さあな〜、という訳でうちはこんな感じなんだ。」


見た目はオシャレなオープンキッチンのバーのようなのに……竜頭蛇尾もいいところである。


「大丈夫よ!直輝くん……じゃあ、私はカシスオレンジ風ジュースでお願い!」

「んじゃあ……バタフライピーティーの炭酸割りで。」

「あいよ!」


しかし、それ以外のドリンクは完璧だった。

カシオレ風ジュースはきちんとシェイカーで混ぜて美味しそうだったし、バタフライピーティーもきちんとレモンで味変できるようにしていて、果汁を絞ると色が変わるギミック付きだった。


なんというか……書類でしか見てなかったけどうちの文化祭、かなり凝ってる気がするな。



「すまん、結構色々凝ってるんだな。美味しくいただくよ。」

「おう、楽しんでこい!カップルさん。」


俺たちはその後も校舎を回る。

迷路とか、モザイクアートとか、学校が作り出すものはどれも目を貼るものがあった。


「すごいね、なんか……今年の文化祭去年よりクオリティ高くない?」

「あ、去年……俺居なかった。」

「あれ?直輝くんそうだっけ……?」

「そうなんだよ、だからまだ雰囲気とかわかってなくて……。」


すると、舞衣は俺の手を握りにっこりと微笑んだ。


「……楽しい?初めての文化祭。」


いつもと違うメイクでどこか印象のギャップも相まって彼女が可愛くて仕方がない。


「……うん、舞衣といるから……尚更楽しい。」

「やーん!最高!今日は帰さないよ〜。」

「いや、程々にな!?」


そんな、少し懐かしくもいつも通りのやり取りをする俺たちを遮るように校内放送が流れてきた。


「ピンポンパンポンー。間もなく、軽音楽部のライブが体育館にて始まります。未来の人気アーティストが奮って演奏を行います。体育館にて演奏を行いますので、是非足をお運びください。」


そう、文化祭といえばの醍醐味……軽音楽部の演奏である。

それを聞いた人達が体育館へと足を運ぶ。


「おい!ゴールデンチリペッパーの演奏が聴けるぞ!」

「行きましょ!」


どうやら、ライブ目的のお客さんもいるみたいだった。


「……ん?ゴールデン……?」

「ああ、直輝くんあんまり聞かないんだっけ?うちの学校って東京ではそこそこ有名なゴールデンチリペッパーっていうバンドもいるんだよ。」

「初耳なんだが!?」

「えー、たまに新宿とか下北沢のライブ会場でライブしてて、いつも箱が埋まってるんだよ?」

「……うちの学校、スペック高くね?」


全く知らなかった。

ライブなんて行ったことないからな……。

そんな、不安と未知を感じつつ、俺たちも体育館へと、足を運ぶ。


文化祭も佳境に入って、少しだけ日差しが強くなる。

しかし、それがこの学校のボルテージをあげているようでもあった。

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