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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第14章 僕の役割は文化祭実行委員
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僕の役割は文化祭実行委員 17話

※100日チャレンジ97日目

そして、文化祭は始まった。


体育館はイベント会場となっていて、全校生徒が集められていた。


そして、体育館はカーテンで閉められており、普段とは違う暗黒な景色になっていた。


ザワザワ……。


普段と違う様子に生徒たちはスリルを感じてるのかざわついている。

そして、中央にスポットライトが当たり、マイクを持った飯田と渚が照らされていた。


「レディース&ジェントルマン!&……おとっつぁん&おかっつぁん!」


早速謎のボケで一同が苦笑いをする。

早速アドリブでいきやがった。


「みんな!盛り上がってるかー!?」

「いやいや、まだ始まったばかりだよ!全く、せっかちだな。」


上手いこと渚がツッコミをいれる。

案外、明るいこのふたりは相性がいいのかもしれない。


「ではでは!早速、始めていきましょう!まずはオープニングムービーから!!刮目してみよ!」


俺はスポットライトを止める指示をして、自分が作ったカウントダウンのオープニングムービーをスタートした。

少し緊張する。

動画なんて作ったことないからな……。

内容は、全校生徒がクラスごとカウントダウンをするもので20秒カウントダウンだった。


「20...19...18....」


ムービーと共にクラスのカウントダウンが作られる。

それに合わせ、少しだけ誰かがカウントの声をしてくれる。


「17...16...15...14...」


14のところで俺たちのクラスも出た。

少し懐かしく思える。


「13...12...11....」


この辺りになると、職員室とか英語の先生も巻き込んでいた。

松本先生が過労で疲れた顔でカウントもして苦笑する。

おいおい、しっかりしてくれ。


「10...9...8...」

この辺りからは上級生達も写るようになる。

文化祭は高学年になるほど思い入れも強くなるからな。

ああ、本当にココ最近はいろいろあった。


「7...6...5...」


徐々に全体のボルテージも高くなるMCの飯田と渚もカウントをして盛り上がる。


「4...3...2....」


手をパチンと叩く音も重なりみんな楽しそうだ。

そうか、これが……人を楽しませるってことなのかも。


「1!!!」


最後は……文化祭と生徒会のメンバー。

俺も、満面の笑みでカウントをしていた。


「文化祭……スタート!」


その後は俺自作のオープニングムービーが流れた。

流行りの音楽を流して、みんなが楽しく作業をしている風景。

普段接することがない人達が繋がっていく、そんな事ばかりだった。

自分で作ったものなのに、込み上げてくるものを感じる。


オープニングムービーは、2分ほど流れて終わる。

音ズレもなく俺は、少し安堵した。


そして、スポットライトは再び渚と飯田が映し出される。


「いやー!みんなすげー活気でしたね!」

「うん!ボクもこうして携わってきたけど、めちゃくちゃ楽しかったな!」

「いや、始まったばっかりだぞ。……では、最後に……文化祭実行委員の代表の方からの挨拶で絞めたいと思います!」


……ん?そんなのタイムテーブルにあったっけ?

俺は見返すけど、そんなページ1ページもなかった。


というか、文化祭実行委員の代表なんて……存在しないのでこの2人の発言には違和感があった。


「文化祭実行委員代表……尚且つ、俺の親友の……天野直輝さんです!スポットライトさんも彼を当てて下さい。」


スポットライトが、端の俺の席とパソコンに向けられる。

え……ええ?……ええええ!!

いやいや、何サプライズしてるの!

俺は口をパクパクとしてフリーズしていた。


しかし、そんな時に背中を誰かがポンと叩く。


「あはは、1本取られたな。」

「……会長、なんすかこれ。」

「私もわからん、でも……君はこの1ヶ月胸を張って行くべき努力をした。それを言えばいい。」


そう言って俺はゆっくりと立ち上がって体育館のステージに立つ。

妙に……300人近くの人間が視線を一気に集まり俺の心境は殺伐としていた。


「……飯田〜。後で覚えてろよ。」

「わりい、でも……お前はよく頑張ったよ。それをぶつけてやれ!」


そう言って俺は彼からマイクを貰って深呼吸をする。


「ご紹介にあずかりました、文化祭実行委員代表……天野直輝です!……すみません、喋るとは思ってなくてちょっと緊張してます。」


すると、周りが少しにこやかになる。

案外、本音で言うと和やかになるものだ。

緊張しないでー!といった励ましの言葉が俺に聞こえてくる。


「僕は……去年までは文化祭とか学校の蚊帳の外の人間でした!正直、僕はこの文化祭が始まるまでの期間は……人生でいちばん頑張った1ヶ月でした!」


周りから拍手の声が聞こえてくる。

それに加えて、緊張が少しだけほぐれてくる。

上手いことは言わなくていい……思ったことをいえば……そう思うと自分は自信が湧いてきた。


「正直、上手くいかないことだらけて21時まで作業もしてる日もありました!誰かとぶつかったり、時には倒れてしまう日もありました!」


喋りながら、この1ヶ月を振り返った。

それだけ、頑張ったのだから……それを誇ろうと思う、でも何より強く感じたこともあった。


「でも、僕の力ではこんな素晴らしい文化祭はスタートできませんでした。会長を初めとする生徒会や文化祭実行委員の皆様、そして全校生徒の皆様の力があって、私は支えられて今があります!本当に……ありがとうございます!!」


そう言って、俺のお辞儀に対して拍手喝采の声が聞こえる。

たまに指笛を鳴らす人も居たり……周りの声がとにかく暖かかった。


「これにて……オープニングイベント終了です!!皆さん……今日は、とことん楽しみましょう!人生での思い出を……是非作ってみましょう!」


そう言って、俺の言葉で締めて文化祭はスタートした。

俺は緊張しすぎたのか足が千鳥足のようにヘナヘナとしていた。

やべえ……なんか……すげー疲れた。


すると、目の前に飯田と渚が俺の前で誇りつつも、イタズラがこもった笑顔をしている。


「やるじゃん!直輝。」

「かっこよかったよ、さすが代表!」

「うるせえ、2人とも……ありがとう。」


まだカーテンのしまって半分病みに包まれてスポットライトはつけっぱなしである。

生徒たちは自分の持ち場についていて、誰も俺たちを見てる様子は無い。


俺たちは、まずはお互いの仕事を称えるかのようにハイタッチをした。

少し強めだけど、達成感で心が軽いような、そんな体験したことの無い感情と共に、俺の血脈は沸騰しそうなほど活力に溢れていた。



いつもと違う学校、いつもと違う雰囲気……今日は一体……何が起こるのだろうか?


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