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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第14章 僕の役割は文化祭実行委員
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僕の役割は文化祭実行委員 2話

※100日チャレンジ81日目

プールで俺は誤って女性に触れると、女性はまるでゴミでも見るような目でこちらを見ている。


「あ……あわわ……すみません。」

「……。」

「すみません!私の彼氏が……彼運動が苦手でついぶつかってしまったみたいです。」


すると、競泳用の水着を着たお姉さんはため息をついてそっぽを向いてしまった。

いかん、事故とはいえ相当怒ってるぞ。


「……もういいです。」


そういって、20半ばの女性はその場を去っていった。

でも、体が触れたというよりは、泳ぎを邪魔されたことに怒ってるようにも見えた。


まあ、それはそれでこちらもダメージが少なくて済むのだけど。


「もう〜……直輝くんあんなに絶望的に泳ぎが下手だったなんて聞いてないよ!」

「ご……ごめんて。」

「だって、まっすぐ進むのに隣のレーンにまっすぐ進んじゃうんだもん!」


見返すと、俺は2のレーンから何故か左に直進して7のレーンまで来ていた。

このプールは隔たりがなかったので気が付かなかったらしい。


「ごめん、迷惑をかけた上に助けてもらったみたいだ。」

「もう、私がいないとダメなんだから〜。あ〜、なんか濡れるわ〜その感覚。」

「なにが!?」


どうやらお巡りさんに通報した方が良さそうなのがここにも存在してたみたいだ。


「どうする?泳ぎ手伝おうか?教えるよ。」

「……お願いします。」


俺はもう事故らないように舞衣に泳ぎを教わることになった。


それからは、息継ぎの仕方や足の使い方、水でも目をあける練習を経て何とか1人で泳げるようになる。


水の中の世界は思ったよりも快適だった。

無心になれるし、体を動かせる。

何より体が冷やされるのでいくらでも体が動かせるのだ。


突然チャイムが鳴る。

定期的なメンテナンス時間だ。

室内プールはこうして定期的なメンテナンス時間が設けられて休憩時間がある。


「ねえ、二人でランチしない?」

「ああ、いいね。」


俺たちはフードコートに行き、食べ物を注文する。

俺はラーメンを頼み、舞衣はホットドッグを頼んでいた。


「いや〜案外……泳げるようになるんだな!ありがとう。」

「どういたしまして!」


プールから出た舞衣はすっぴんになっていたけど、これはこれで素朴な笑顔が可愛らしかった。

いつもはガチガチにメイクしてるけど……こうして見るとすっぴんも可愛い。


「そういえばさ、休み明けから文化祭実行委員の説明会があったな。」

「あ〜、あったわね!直輝くんやるの?」

「うん、一応。この前諏訪先生にご指名をいただいてね、生徒会役員もやるっぽいからちゃんとやろうかなと思ってるんだ。」

「すご!直輝君めちゃくちゃ信頼されてるじゃない!」

「いや……これからめっちゃ不安だけどね。」


俺ははっきり言う。

小中学校ではほとんど空気だったからそんな機会はなかった。

たまたまこの学校に適任者がいなかったから成績の良い俺が選ばれたのだと思う。


「でも、直輝くんなら出来るよ!だって私が今頑張れるようになったのも直輝くんのおかげだし…死のうと思ったけど私、直輝くんに出会えてよかった!」


面と向かって言われて俺は赤面をする。

いかん、普段の少し身の毛がよだつような表現ではなく、普通の愛情表現で俺は舞衣の顔が見れなかった。


再びチャイムが鳴る。

休憩の終わりだ。


「あ、そういえば……母ちゃんはどこに行ったのかな。」

「あ、確かに。」


二人で母ちゃんを10分ほどかけて探して……やっと母ちゃんを見つける。


「ひゃっほーーーい!」


母ちゃんは……岩を模した発泡スチロールのような素材のウォータースライダーを爆走して楽しんでた。


そして、ざぱーん!と音を立てて彼女は水しぶき上げる。


めちゃくちゃエンジョイしてるな!おい!!


あんなにはしゃいでる母ちゃんマジで初めて見たかもしれない。


周りの人達は物珍しそうに母ちゃんを見つめる。

辞めてくれ、あれは俺の母ちゃんなんだ。


「いやー!プール大丈夫なんて……って最初思ったけど、こうして童心に戻って遊ぶのは楽し……あれ?」


そして、母ちゃんの様子に俺たちは驚愕する。

母ちゃんのビキニとパラオは紐で結ばれていたのだが、ウォータースライダーにより解けてしまったようで、母ちゃんのバストを守っていた水着の紐が解け、母ちゃんはハラりと胸部が顕になっていた。


「おおおお!なんだあれ!でか、でかいぞ!」

「見たところ……20代半ばか。」


ギャラリーが母ちゃんの上裸をみて歓喜の声を上げる。ものすごく息子としては複雑だ。


そして、母ちゃんの水着は少し離れたところにあったので舞衣に回収をお願いして俺たちはその場を後にする。


「舞衣……帰るか。」

「……うん。」


騒ぎになっては戻れそうになかったので俺たちはその場を後にした。

どうやら、俺たち親子は自由に行動するとハプニングが起きる呪いにかかってるのだと実感した。


☆☆


「ごめん!2人とも……ババアがやらかした!」

「いや、大丈夫だよ母ちゃん。」


母ちゃんは手を合わせて謝る。

自分のせいでせっかくの休みを台無しにしたことを申し訳なさそうにしていた。


「ね!直輝くんもやらかしてたし。」

「え?そなの?」

「ちょっ、それは今は……。」

「直輝くん!泳ぎが絶望的に下手くそでお姉さんに突っ込んでいったんですよ!」

「あはははは!マジ?直輝最高だわ!」

「公衆の面前でおっぱい晒した奴に言われたくねえええええて!」


すると、母ちゃんは冷静な顔をして肩にぽんと手を置いてゆっくりと話した。


「直輝……私は、おっぱいなんか目じゃないくらい既に沢山のものを晒してるんだよ?何を今更……。」


忘れてた、この人元AV女優だった。

というか、今更になっておっぱいと連呼するのも恥ずかしくなってきた。


「だー!もういいよ。……でも今日は楽しい休みだった!」

「ね!これで痩せたかも。」

「私も最高に身体を動かせたよ〜。流れるプールとか波のプールとか……全部楽しんじゃった!」

「楽しみ過ぎだよ母ちゃん、次行く時はビキニ禁止ね。」

「なんでよ!あの開放感がいいんじゃない!」

「いやいや!あんな場面経験して、まだビキニ着たいの!?」

「そうか……直輝くんはもっと露出する方が好きなんだ。」

「舞衣……俺はツッコミが回らんからボケにボケを重ねるのは辞めてくれ……。」


夕焼けの帰り道は少しだけ涼しく、久しぶりに30度を切っていて、ひぐらしの声と鈴虫の声がが入り交じり少しだけ涼しく感じた。


いろいろあったけど、おかげで脳がスッキリした。

そう思い、俺は次のフェーズに備えてゆっくりと夕陽に向かって歩き出した。



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