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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第12章 学校のマドンナはおとこの娘
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学校のマドンナはおとこの娘 9話

※100日チャレンジ60日目

「ただいまー。」


いつも通りの我が家。

母ちゃんが出迎えてくれるがいつもと違う様子で目をぱちくりとしていた。


「おかえり……ってどうしたの!?その子!びしょ濡れじゃない!」

「ちょっと泥被っちゃってさ……お風呂貸して上げてもいいよね?」

「そりゃあいいけど……見ない子ね。なんて言うの?」


母ちゃんが少し目線を下げてニッコリと微笑むと少し渚は崩れたメイクで恥ずかしそうに目を逸らした。


「どうも……ボク早乙女渚です。」

「あら、随分可愛らしい子ね!女の子の服装も似合ってて羨ましいわ。」

「ああ、そうなんだよ……とっても似合ってて……ってええ!?なんで男だってわかったんだ?」



渚は固まっていた。

どうやら一目で男とわかったのがあまりに衝撃的だったらしい。


「そりゃあ!私は百戦錬磨の女優だからね!そっち系のことも……むぐーっ!!」


俺は咄嗟に母ちゃんの口を閉じた。

大体は理解したよ、AV時代にそういうのがあったって事ね。

でも、初対面の子に「私!AV女優だったの!」みたいなカミングアウトはやめて欲しい。


「どうしたの?直輝くん。」

「あー!いや、ほら……母ちゃん色々舞台とかもやっててさ、女性役もやったりする方針だったんだよな!」


嘘は言っていない。嘘は。


「てか、お風呂いこーぜ、渚!」

「あ、うん。行こっか。」


母ちゃんは既にお風呂を沸かしてくれていたのでスムーズにお風呂に入れそうだった。

服はドラム式洗濯機に入れれば乾燥までやってくれるのでそこまで時間もかからなさそうだった。


そして、渚がカーディガンをぬいでシャツを1着……また1着と脱いでいて、どこか好奇心をくすぐるようだった。


「直輝くん……?あの、そんなじっくり見られると恥ずかしいんだけど……。」

「ああ、いやすまんすまん!そんなつもりはなかったんだけど……すぐ出るな。」


俺が出ようとすると、手首を掴まれた。


「待って。」

「え??」

「直輝くんも……少し泥を被ってる。気持ち悪いでしょ。」

「い……いやいや!客人だから先入ってこいよ!」

「でも……風邪引いてもアレだし……もし良かったら……一緒に入る?」


上半身が半裸になった渚は……肌がすべすべで女性らしい体つきをしていて、もはやガチの女の子にしか見えななくて目に毒だった。


「ぎゃああああ見えてる!見えてるって!」

「でも……僕たち男だよ?裸の付き合いってやつも。」

「うるせぇ!後ではいるよ!」


俺は反射的に部屋を出てしまった。

なんとまあリアルな女の子のような光景だったのだろう。

女性ホルモンってあんなに変えてしまうのかと医学の恐ろしささえ感じてしまう。


俺はリビングに戻り母ちゃんと座っていた。


「なんというか……ここまでクオリティが高いとは思わなかったわ。学校のマドンナ……なんて言われるだけあるわね。」

「だろ、男とわかっていてもたまに分からなくなる時があるから怖いんだよな。」


母ちゃんのさっきのやつはどうやら嘘だったみたいだ。

俺が事前に相談して事前情報があったからなんとなく予測が着いたらしい。


「さっきもお風呂一緒に入らないか?って言われたけど断った。」

「まあ、いいかもね。私も息子の兜合わせなんて見たら卒倒しちゃうかも。一応その手の考えは理解したい方ではあるけどね。」


やめろ母ちゃん、なんで真顔で兜合わせを息子に言えるんだよ。


「でも……いい子そうね。」

「ああ、すごく良い奴だよ。」


しばらくすると、お風呂から出た渚が俺の用意した服を着ていた。

やはり少し俺より体格が小さいからダボついている。


いや、むしろ俺も普段ブカブカな普段着を着るんだけど、なんかそれが彼Tシャツを着ているようだった。


「助かったよ。着替えまでありがとうね。」

「渚……スッピンだとこうなのか。」

「やめてよ、恥ずかしい。」


スッピンの渚は普段カワイイ系の顔立ちをしているけど、スッピンは日本の某大手男性アイドル事務所のように中性的でカッコイイ系の顔をしていた。


凄い、男でも女でも食っていけるじゃん。

でもやはり視覚情報は俺は彼を女だと認識していた。


「スッピン……嫌いなんだよね。目はキリッとしててタレ目にするのめんどいし、鼻が高いから逆に低く見えるようにメイクしなきゃだし。」

「おいこら、なんて羨ましい悩み持ってるんだ。」


渚にイケメン度で負けてしまったら俺はどう生きてけばいいんだ。


「ねえ、逆にこれからお風呂入ると思うし、メイクしてあげよっか?」

「え?」

「直輝くん……パーツは整ってるからポテンシャルあると思うんだよね!メンズメイクにするから!この通り。」

「い……いや、俺は遠慮しとくよ。なあ、母ちゃん!」

「いいじゃない!私も息子の変身するところ見てみたいな~。」

「い……いや……そ……その。」


俺はその後2人に後押しされて結局メイクをすることになった。


「ふーむ……まずは眉毛だな。ここを黄金比に剃りあげて。」


渚は剃刀で俺の眉毛を整える。

実は1回もやった事がなかったので俺は眉毛の形がそもそも整ってなかったらしい。


その後は、肌にあったファンデーションで肌を綺麗にして、鼻を高くしてもらった。


簡単なメイクなのに、俺の顔は見違えるようにかっこよく見えた。


「す…凄い……これがメンズメイク。」

「でしょー!まあ、芸能人とか男性アイドルもみんなやってるからね~。」


パシャッ


母ちゃんがスマホのカメラで俺の顔を撮ってなんか操作していた。


「……母ちゃんは何してるの?」

「ああ、舞衣ちゃんに送ってるのよ。」

「俺の肖像権はどこいったの!?何してるのマジで。」

「あ、舞衣ちゃんから2000円分のPayPay貰った。」

「買うな!息子の肖像権を買収するな!」


なんと既に俺の味方はいなかったらしい。

怖い……怖いよ。


「大丈夫だよ、もし1人になってもボクがいるからね。」

「いや、渚……この商売……お前が始めた物語だろ……。」


渚は初対面とは思えないほど我が家に馴染んでいた。

すると、突然渚のスマホから着信が入っていった。


画面を見ると……ママと書いてある。

渚は……何故か家族の連絡に少し怯えているようにも見えた。

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