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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第10章 俺の後輩は死にたがり
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俺の後輩は死にたがり 10話

100日チャレンジ31日目

旅館に戻り、俺たちは少し汗だくのまま部屋に着くことになった。


地上に戻るとより暑さを感じて体が汗でじめついていることに気がつく。


「御坂、お前先に温泉行ってもいいぞ?」

「えー、先輩先どうぞ!私先入ってたしやる事やってから入ります。」

「そうか?それならいいんだが…。」


俺は脱衣所に入り服を脱ぐ、汗をかいていると脱いだ時の爽快感がより強く感じられた。

露天風呂で感じる自然からなるマイナスイオンがそれだけで体を癒してくれた。


体を湯船に付けて、ゆっくりと腰かけていく。

すると足からゆっくり肩に向けて温まるのを感じる。

温泉独特の匂いと、少しアルカリ性のあるぬるめのお湯が心地よく、体が副交感神経が優位になるのを感じる。


「せんぱーい!湯加減どうですか?」

「ああ、最高だ!ゆっくり浸からしてもらうぞー!」

「はーい!」


俺は夜空をみながらぼんやりと顔を上に向けて考える。

まさか、勢いのまま長野に来ちまうとはな。

勉強漬けの夏休み、景色はほとんど変わらなかったのに御坂にあってからは景色が変わってばかりだ。


勉強も心做しか以前よりも楽しく思えた。

さっき勉強したけど没頭できるくらいは勉強していたので御坂がいる事が少なからず俺にいい影響があるのかもしれない。


さて、この旅の後半はどう帰るか…意外と長野県は名古屋を経由するか、北上して諏訪でおりかえすかのどちらかになる。

正直同じルートで帰る方が楽なんだけど、せっかくなら他のものも見て帰りたいな。


すると、突然脱衣所のドアが開いた。


「え?」


ドアを見ると、御坂がバスタオルを体に巻いて白銀の髪を団子にしていた。

え?なにしてるの?こいつ。


「せんぱーい!せっかくなら私もお背中流しますよ〜。」

「バカ!急に入ってくるな!」


御坂は180cmの体躯と純白で白い肌があった。

胸の谷間にはホクロがあって、メラニン色素とは部分的に生成されることを知って……じゃない!


「なんでですか?先輩ヤンキーなんだから女の裸の1つや2つ見てもなんとも思わないでしょ。」

「うるせえ、お前だとなんか違うんだよ!ほら、すぐ出るから…しっしっ!」


しかし、俺の離れてという合図とは裏腹に御坂はどんどん湯船に浸かっている。

俺は咄嗟に後ろをむくと、バスタオルが雑に屋根の近くに置かれて御坂がお風呂に入る音がした。


そして、御坂が体を俺に当てて御坂のスタイルが目をつぶってでもわかる体制になっていた。


「おま…えな…!なんで入ってるんだよ!」

「えー、だって…私たち付き合ってるじゃないですか?そんな男女がひとつ屋根の下で一緒に過ごすんですよ?」


御坂は後ろから俺を膝の上に乗せて抱き抱える。

しかし、その体制に少し違和感を感じた。


「なんか、これだと身長差あって親子みたいだな。」

「しばきますよ、先輩。」

「すまん。」


しかし、どうして御坂に対してこんなにも緊張を覚えるのだろう。ナンパしてる時はそんな気持ち一切なかったのに、今だけは気持ちが違ってしまう。


「先輩、もしかして今…ドキドキしてます?」

「……はぁ!?なにいってるんだよ、お前はスタイルはいいかもしれないけど、長年のインドア生活でお腹が若干やわらかいし、胸まで想像よりもでかくないから色気が物足りないんだよ!」


できる限り苦しい言い訳を並べるが、御坂は全く動じることなく笑っていた。


「じゃあ……惚れまくるまで、可愛がってあげますよ。」

「やめろおおお!?」


御坂は後ろから俺の右の首筋に口を当て少しだけ舌を這いずらせたり、少し吸い出したり、噛んだりもした。


「ちょ…ほんとに…やめ…やめろおお!」

「先輩、可愛いところありますね。たまに可愛い声出してますよ。」

「お前いい加減に…。」


俺は御坂の方向を見ると、お湯で体が火照った御坂が純白の髪を滴らせて行けないものを見ているようだった。


御坂はあまりにも綺麗だった。


「やっとこっち向きましたね〜。」

「……おう。」


俺たちは正面で向き合い、体を抱き寄せる。

そして、御坂と口を合わせる。

久しぶりの…キスである。


1度してから…少し話してまたキス、そんなことを何度も繰り返して俺たちは気が高ぶるのを感じた。


しかし、かなりの長時間そんな行為をしていると、気持ちがぼやけてくる。

気持ちがいいのか…湯船の上で俺たちは顔と体を合わせ、少しずつお互いの気持ちや愛を確かめ合う。


しかし、そんな時だった。


俺は少しずつ景色がぼやけて…体のバランスを崩していた。突然体の力が抜け、お湯に体が入るのを感じる。


御坂の

「先輩!?ちょ…大丈夫ですか!?」

という声を最後に、俺は少し気を失ってしまった。


☆☆


目を覚ますと、俺は和室のベッドに横たわっていた。

ぼやけた景色が少しずつ鮮明になると、御坂が泣き出しそうな顔をしていた。

髪は乱れ、乾き切ってないところを見ると切羽詰まった状況だと言うのを感じる。


「…先輩、よかった。すみませんでした…先輩のこと気にせず私……最低です。」


どうやらのぼせてしまって少しだけ気を失ってしまったらしい。

御坂が入るまで俺はかなりのぼせていたので当然と言えば当然である。


「いや、こちらこそありがとうな。ここまで運んでくれて。髪…びしょびしょだぞ。」


すると、御坂は恥ずかしそうに頭を隠す。


「い…いや!見ないでください!」


御坂はさっきとは違う意味で赤面をしていた。

裸は平気で見せるのにボサボサの髪を見られるのは恥ずかしかったらしい。

女って不思議なものである。


「…御坂、俺はお前が好きだ。」

「な!?どうしたんですか、頭おかしくなったんですか!?あ、元からか。」

「ぶっ飛ばすぞ。」

「すみません。」

「なんというか、最初はただの共存関係だと思っていたけど、お前可愛いし…お前と一緒にいると不思議な事がたくさん起こるんだ。俺人生で初めて女にドキドキした。俺は、ハッキリ言ってありのままのお前が好きなんだ。」


言った、言ってしまった。

こんな恥ずかしいセリフをまあよく言えたものだ。

しかし、本心である。

俺は御坂が愛おしくてたまらなかった。


しかし、そんな俺の弱々しい手を御坂は強く握っていた。

表情を見ると、彼女は泣いていた。

悲しいとか辛いものから来るのではなく、嬉しそうに微笑んで。


「私もです、先輩。」


濡れた髪、若干はだけた服装で静かに微笑む御坂は月明かりに反射して美しかった。


俺は、この日人生で初めて人を愛することになる。


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