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僕のお母さんは△▽女優  作者: kyonkyon
第2章 僕のクラスメイトは托卵女子
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僕のクラスメイトは托卵女子 1話

母ちゃんの1件が終わって…あれからだいたい1週間がたった。

最初はやはりぎこちなかったのだが俺の家族は元々の関係の良好さが功を成したのか、俺たちの生活は元通りになっていた。

母ちゃんも資格があったので次の仕事も決まりそうな感じだったので我が家の生活に平穏が戻りつつあった。


ちなみに我が家に少しいい変化があった。


「おはよう、母さん。」

「直輝!最近自分で起きられるようになったじゃん!」

「まあ、少しでも前に向くって言ったし。」


俺が母ちゃんに起こしてもらうのが日課だったが、最近俺は夜遅くまでのゲームを辞めることにした。

そして、まだ将来の夢はぼんやりしているのだが俺は就職ではなく進学を考えるようにした。


母ちゃんはいわゆる学歴コンプレックスなのだが、母ちゃんが諦めた道を俺が歩むこともひとつの恩返しになると考えたのだ。

まずは生活習慣の見直し、そこがマストなのでたまに昼まで寝る日もあるが頑張っている。


「今日も飯田くんが迎えに来る日でしょー!荷物とか準備大丈夫?」

「ああ、昨日の夜にまとめたよ。」


なんかいい方向に進んでいた、雨降って地固まるとはこのことを指すのだろう。


そして、今日も母ちゃんの朝ごはんを口にする。

白く炊いた白米と味噌汁、メインはベーコンエッグと栄養満点である。


ピンポーン


いつも通りにインターホンが流れた。

きっと俺の生活を誰かが覗いてるのであれば既視感を感じるほど、ここまでの流れは一定であった。

しかし、少しこの日は違和感があった。


「おっす!おはようさん!」

「おー…飯田と佐倉さん?なんで?」

「おはよ、天野くん!たまたま飯田くんと鉢合わせになったんだけど…天野くん近所だったんだね!」


何故か佐倉さんがいた、はて…どうして来たのだろうか。


「えー、直輝〜こんな可愛い子と知り合いだったの?私にも教えてよ〜!」

「うっさい。」

「ひどい!」


母ちゃんも玄関に顔を出し、佐倉さんを見てはにたぁと見つめる、う…うぜぇ…、ちょっと思春期の感情がイラッとするのをかんじた。


「えー!天野君のお母さん美人だし若い!いいなぁ〜こんなお姉さんになりたいです!」

「えー!可愛いのに性格もいい子じゃない!うちあがってく?」

「やめてくれよ、ほら飯田さっさと出るぞ!」


俺は遮るように飯田を引っ張り予定よりも少し早く家を出ることにした。しかし、思春期で感情が昂ってもいってきまーす、の一言をきちんと添えるあたりまだキャパシティはあった。


「な…なあ直輝よ。」

「なんだ?」

「ちょっと怒ってる?」

「ちょっとだけど別に飯田には向いてはいない。」

「そうか、それならいいんだけど…ちょっと遥香さんを拝ませてくれよ〜!」

「いや、ネットで検索すればいくらでも出てくるだろ。」

「いやいや、そこは生遥香さんを拝むぐらいでいいんだよ。なんか尊いから俺はFA○ZAでみるなんてことは……。」


アダルトサイトの具体名を言うな、バカ!

俺は後半は飯田のくだらないことは無視していた。

こいつの性に対する探究心と母ちゃん好きは何とかならないのだろうか…。


「あ、そういえば佐倉さんの親御さんはどんな人なの?」

「うーん、実は父親と二人暮しなんだけど血が繋がってないんだよね。」

「「え?」」


俺たちは声を揃えて疑問の返事を上げてしまう。

しまった彼女の地雷を踏んでしまった気がする。

思えば俺は彼女の何もかもを知らない。


「もしあれなら……深くは聞かないよ。」

「あ!ごめんごめん、全然に気にしてないわよ!」


佐倉さんはびっくりするほどフランクだったので俺たちの雰囲気が少し和む。

自分もつい先日まで訳ありだったのでなにかと親近感が湧いてきた。

その後は、特に他愛もない話をしながら俺たちは学校に着くことになった。


☆☆


キーンコーンカーンコーン…


さて、お昼タイムのスタートである。

最近真面目にノートもとっているが、やはり俺の勉強は少し遅れていたので理解はとても難しかった。


特に数学と英語に関しては基礎が出来てないから応用を解くのがさらに難易度を上げていた。

んー、どうしようかな…少し図書室で勉強しようかな。


「直輝ー、飯でも…ありゃいないか。」


俺は自身の学習の能力の低さに少し絶望していたため飯田の声を聞き取ることは出来なかった。


さて、図書室に着く…ここはとにかく人がいないので半分引きこもりみたいな俺にとっては居心地も良かった。

しかし、まずは自分の能力をきちんと分析しないとだな…地理や歴史などの記憶を用いた理解はできるから、苦手分野をしっかり洗っておかないと6月の期末試験をクリアするためにまずは学習の習慣を作らなきゃか…。


そんな、内向的すぎる思考をすると…人が入ってくる。

いや、人が入るのはごく自然である。ここは学校なのだから。しかし、入ってきた人間は俺のよく知る人物だった。


「天野くん、図書館にも来るんだね。」

「あ、佐倉さん。今日はよく会うね。」


佐倉さんは、黒髪と青いインナーカラーをしており、メイクは若干濃いめだが顔のパーツなどが整っているのはよく分かった。制服も若干フリルをつけていたりと改造をしていて新宿に居そうな見た目をしている。


今日はハーフツインをしているのが余計可愛らしさを上げていた。しかし、普段はぼっちな彼女がなぜここに来ているのだろう。


彼女の手にはなんと参考書があった。


「天野くんも勉強するんだね!感心感心!」

「いや…逆に俺は勉強しないと赤点になりそうだからね。」


俺は成績は下から数えた方が早いからね。

そういえば佐倉さんは成績はどれくらいかは知らなかった。


「あ!数学やってるんだ、この問題間違ってるわよ…この数字の計算が入ってないから!」


彼女が指さす問題を見ると、確かに間違っており…彼女の言った計算式をいれると簡単に解けてしまった。


「もしかして…佐倉さんって頭いい?」

「んー、前回の期末が483点だったけど…どうなんだろ。」


483点というのは500満点中の点数である。

つまり、彼女は上位5%以内に入るくらい勉強ができるのが点数でわかった。


そういえば内申点とか言ってたしもしかして彼女はもう具体的な夢とかあるのだろうか…コンカフェ嬢とか言いそうな感じもするけど。


「佐倉さんってやりたい事とか決まってたりする?」

「私はね〜、看護師になりたいんだ!」

「看護師?」


意外でしかなかった、こんなにも地雷系でコンカフェでメイドやってたりするのでサブカル方面かと思ったら医療系に進みたいんだ。


「どうして看護師になりたいの?」

「本当は医者とか薬剤師でもいいかなって思ったんだけどね…昔ODオーバードーズで精神安定剤とか他にも沢山の薬に手を出してたことがあったんだけど、その時一緒に私と向き合ってくれた看護師さんが忘れられなくて…私と同じような子を救いたいなって思ったのよ。」


なんてことだ…佐倉さんも確かにいじめとかで苦しんでるのは知ってたけど、その反面こんなにも努力を惜しまなかったのか。

どこか、胸の奥がトクンと音をしたのを感じた。


「ねえ、佐倉さん…俺も今大学に行こうかなって思ってて…佐倉さんさえ良ければ勉強教えてくれないかな。」


佐倉さんは、目を見開いて驚いていたが…少しクスッと笑って静かに微笑んだ。


「私でよければいいわよ!初めて天野くんに頼られたわね!」


それから、俺の日常はまた1パーセントだが変化が訪れた。

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