反障害者障害
「人を殺した」
警察に電話をかけて、そう告げた男は、自らを障害者だと名乗った。その障害は反障害者障害。障害者を受け入れられない障害だという。
男はさらに明かす。障害者を殺したのは初めてではないこと、しかし自分の障害を理由に裁かれなかったこと、それからは罪を重ねないように障害者を避けて暮らしてきたこと、図らずも愛する女を得たこと、その障害のためにそこから離れたこと、過ちを繰り返さぬためにここに来たこと、そして現れたその女を手にかけたこと──
人として、あるいは人ではないものとして裁かれるために、男は全てを告白する。
警察に電話をかけて、そう告げた男は、自らを障害者だと名乗った。その障害は反障害者障害。障害者を受け入れられない障害だという。
男はさらに明かす。障害者を殺したのは初めてではないこと、しかし自分の障害を理由に裁かれなかったこと、それからは罪を重ねないように障害者を避けて暮らしてきたこと、図らずも愛する女を得たこと、その障害のためにそこから離れたこと、過ちを繰り返さぬためにここに来たこと、そして現れたその女を手にかけたこと──
人として、あるいは人ではないものとして裁かれるために、男は全てを告白する。