性によるのは
「じゃ、お母さん一年間よろしくお願いします。涼、ほらあんたも言いなさいよ。」
「よろしくお願いします。」
医学部を目指し一浪し見事に惨敗。
二浪を決心し予備校に通うために名古屋の祖母の家で居候することになったのだ。
脳外科医として優秀だった祖父は涼が中学三年生になる春に癌で既に亡くなっていた。
祖父が亡くなる数週間前に祖父に勢いでじぶんもしょうらいは医師になるよといったことが涼が医師になることを目指し始めた原点だ。
祖母の家は、いわゆるおばちゃんの家といった和の雰囲気はない(和室すらない)ので、かは不明だが小さい頃から祖母のことは「おばちゃん」や「ばあば」ではなく「グランマ」と呼んでいる。
「グランマ、俺二階の荷物整理してくるね」そうつぶやきリビングから退出した。
家は二階建ての築40年の木造建築だ。
一階にはキッチンやリビングのある広い所とガラスでできた扉を挟んで廊下があり正面に進んだ先にグランパや代々の祖先の立派な仏壇のある部屋が位置している。その他に一階には、トイレのある小部屋に風呂と洗面所がセットの部屋がある。
二階は、寝室が三つあり涼は階段から一番遠くの部屋を使うことになった。
その部屋にはよく日が入るため、涼はすこし心弾んでいた。