決まり文句で起こされるー2
改めて鏡を覗き込む。
何処かで見た気もする筈、15.6歳の頃とはいえ自分自身なのだから。
よく見ると先程までプレイしていたキャラクターがほんのり融合されている気もする。これが雰囲気が違う要因か?
「何でこんなことに……わっ?!」
手にしていた学園の案内用紙が光りだした。
『目覚めてなりより。』
一際明るく光ると、男性とも女性とも思える人物(?)が浮いている。
「だ…誰?」
『そうね…あなた方が精霊とか神とか呼ぶものでしょうか?』
『それより、上手くいって良かった良かった。』
肩書きのわりに随分軽い笑い方をする。
『あなた、だいぶお酒飲んでたでしょ。
あのままずっと誰にも見つけられずサヨナラでした。』
「はあっ?!あのままって、まさか!」
ヤケ酒で孤独死?!!
『余りに気の毒で…、ちょうどこちらの世界と繋がっていて良かったです。』
「いやっ…!こちらの世界って、ゲームでしょ!」
『ほんの気持ちですが、そのまま移してますから。
16歳からですが、まぁ楽しんでみては?』
「聞けや!!」
おほほほ―――と、良いことした。と言わんばかりに笑いながら光り消えた。
「……うそ…?」
お決まりの展開じゃないか。
「そのまま、って…まさか、ステータスとか見れる…かな…?」
ファン、とやはりというか見慣れたレベル等が浮かんだ。
【アレイ=ホープス】level 999+++
魔法
風 999+++
火 999+++
氷 999+++
雷 999+++
光 999+++
…………等々
「…………」
朝陽は最後まで見ずにステータスを閉じた。
ちなみに表示上999までで、その上となると+がつくのだが、+が3つの朝陽は999を三回越えているとなっている。
「………チートってやつ?」
「アレイーっ!早くしなさい!」
下から母の呼ぶ声がする。
「は…はいっ!!」
反射的に返事をした。
そうか、朝陽では無くアレイとなったのか。