表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暗殺者の少女、異世界へ  作者: つちのこ
2/3

第2話 暗殺



「こちらになります。」

「ん。」



クルーシア空港から出た後は、正樹に拠点となる場所まで連れていってもらう。町外れの質素な家に地域住民にバレないよう入り込む。一応、この家の家主も協力者だ。



そして、持ってきていたノートパソコンを使ってアレキサンドロス四世の噂等を調べる。どうやら、彼はあまり外に出たがらないらしい。一日中玉座か寝室にいるのだとか。さらにそれについて詳しく調べたところ、彼を守るSPなどの呟きを見つけることができた。それにより、この噂は信憑性の高い噂であることが確定した。



──────

────


「悠里...いえ、死神さん。」

「悠里でいい。」

「...では悠里さん。お食事の方ができましたのでお持ちしました。」

「そこ置いといて。」

「はい。分かりました。では。」

「ん。」



行儀が悪いが、現地の食材を使った料理を頬張りながら先程の噂の詳細を調べる。うーん...。これ以上は時間の無駄だな。


次にするのは武器の確認。ボスが用意してくれた()だ。サプレッサー付きのスナイパーライフルなら何でもいいんだけどね。

そう思いながら箱の中を見ると、やはりいつも使っているM24があった。アメリカを始め、世界中の国の軍で使用されている銃だ。

ボスはなぜかいつもM24を送ってくる。そんなに好きなのか...?


スコープは5倍から50倍まで揃っている。この国は山に囲まれてるからいざとなったら山からの狙撃もアリかな...。



武器の確認と手入れを終えると、本来は楽器を入れる箱に銃を分解していれる。狙撃ポイントでまた組み立てる予定だ。そして、もう1つダミーの箱...こちらはちゃんと楽器が入っている...のを用意しておく。もし万が一...億が一弾かざるをえないような状況に陥った時、そちらを弾けばいい。



「正樹。」

「はい?」



隣の部屋のソファでテレビを見ていた正樹を呼びつけ、要件を言う。



「明日車出して。」

「あぁ、はい。分かりました。それで...どこか行かれるんですか?」

「ん。明日殺す。」

「え...。」

「狙えそうな場所見つけたいから。」

「わ、分かりました。」



なぜかマジかコイツ...みたいな顔をされた。...なぜ...?まぁいいや。明日に備えて早く寝よう。



───────

────



「え、こんな山奥から狙うんですか...!?」

「うるさい。」

「あ、すみません...。」



今、私たちは人の気配の感じられない山奥に来ていた。車は予め隠しておいてもらい、現地で買った登山用の道具などを装備し、頂上を目指す。



頂上に行く途中、正樹がへばったので、その場に置いていき、1人で頂上までやってきた。頂上から見る景色は綺麗なものだった。


遥か遠くに見える城は肉眼だと窓すら見えない。城の構造は頭の中に入っているので、脳内のマップと照らし合わせながら、40倍のスコープを取り出して寝室、玉座の間を確認する。さすがにまだ4代目なこともあり、新興国なためか警備やら城の安全性やらがなっていない。



「...。」



彼はいた。寝室にいた。ここから十分狙える。だが、一つだけ問題があった。それは、女とヤッていることだ。



「はぁ...。」



真昼間から盛っている猿に冷たい目を向け、スコープを箱に戻す。この場合、私はしばらく待たなければならない。すぐバレると面倒だからね。狙い目としては、ヤリ終わった後。



「正樹。」

「っ!?...は、はい。」

「15時40分発取っといて。」

「ま、まさか...。わ、分かりました!」

「あと、先に車戻ってて。」

「は、はい!」



現在の時刻は13時21分。ヤリ終わるのを考慮すると、この時間がベストなはず。こうして私はM24を組み立て、40倍のスコープを覗く。



──────

────


「...やっとか。」



地味に長かった。ヤッていた女は風呂から出た後、疲れ果て泥のように寝た。そして、今回の暗殺対象者は女の後に風呂に入り、そっと女の元に戻って行った。その様子を見ていた私はM24をブレないように構え、王からかなり上方に標準を合わせた。そして...



───バシュッッ!!



結構な音が辺りに響いたが、ここは山奥。誰もいやしない。



もう一度スコープを除くと、女の方を向きながら後頭部を撃たれたアレキサンドロス四世の死体があった。女は眠たい目を擦りながら起き上がった。



「ミッションコンプリート。」

「...マジ?早くね...?報酬は───」



──ブツッ!



そうスマートフォンでボスに伝え、急いで山を駆け下りたのだった。

その後、無事に15時40分発の飛行機に乗り、再び10時間かけて日本に戻ったのだった。なぜ早めに帰ってきたのかというと、国王が殺されたとなれば、空港や港など、この国から出る交通手段を全て閉ざされてしまうからだ。まぁほとぼりが冷めるまでここにいてもいいんだけど、やっぱり我が家が1番だ。


そして、ボスも報酬はきっちりと払うタイプの人間だと分かっているので、何も言わない。まぁ一応帰ったら銀行に確認しに行くけど。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ