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カート・スーツケース

 日本の現実の道路は、ねこ車が必要なほどの悪路だ。

 ねこ車。大きい手押し一輪車。後ろから二本のハンドルで支える。

 ごく細い板の橋があれば、重い砂利などを積んで行動できる。きわめてひどいところでも安全にものを運べる。


 なぜ、ねこ車のレイアウト……一輪と、二本のハンドルが標準でなかったのか。


 いや、もっと前によりいいものがある。

 樽。

 樽はそれ自体が車輪・ころの機能を持ち、しかもふくらみは方向転換も可能にする。

 とても容易に運ぶことができる。

 樽そのままではスーツケースの代わりにはならないだろう。だが、同様に中央が膨らんだ、ちょうどある種のハードチーズのように厚みがあり縁が丸い円盤なら?

 さらにその中心に軸受けを設け、そこからハンドルにつなげ、外すこともできるようにすればハンドルで円盤を押していける。


 なぜ直方体にこだわる?

 それが一番効率よくスペースを使える、というだろう。

 海洋冒険小説にある、シー・チェストの伝統があると言うだろう……ベッドにも手術台にもなる。

 だが、確かにコンテナは直方体以外ないかもしれないが、機内の網棚のようなスペースに積むなら?

 円盤は、重ねることによってかなりスペースを節約することもできる。重ねるコインケース。円筒形のパックで売られるビスケット。

 横に、長い円筒状のスペースを確保すればいい。

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