???①
「これはひどいね。」
都市だった事がかろうじて判断できる瓦礫のやまだった。
「ああ、運が悪かったんだよ。龍の誕生に立ち会ってしまったんだ。」
「迷宮が生み出す最強の魔物、龍か……まさか迷宮都市が一個丸々つぶれるとはね。」
1000年に一度迷宮のスタンビードと共に生まれる最強の魔物゛龍゛今回のように都市を破壊することも容易い力を持っていて、人を好んで襲うことが無いのが唯一の救いである。
「Aランクもかなりいたんだろ。」
「ええ、だけどほぼ死んだらしいね。近くにいたものは蒸発、迷宮内にいたものは崩落で生き埋め、逃げてたものも装備を外してて焼死生き残ったのはごく僅かだよ。」
ーガタッー
「おい!今の音なんだ!」
「わからない!だがここはスタンビードの起きた場所だ!何がいてもおかしくはないから気を付けて。」
ーガタッ、ガタッー
「あの瓦礫の下だ。」
「ちょっと、Sランクの魔物とか出てこないでよ」
その時瓦礫の下から泣き声が聞こえた気がした。
「あれ、生存者じゃない?」
「そんなわけねえだろ、この状況でどうやって生き残るって言うんだよ。」
「でももしそうだったら。」
やっぱり瓦礫の下から泣き声が聞こえるような気がする。
「チッ、仕方ねえ、俺は何が出てきてもいいように待機してるから行ってこい。」
「わかった。」
ー~~~~~~ー
瓦礫に近付くと声がはっきりした。
「ここにいるのね!もう大丈夫助けに来たわ。」
「助………け…………に?」
「そう、助けに来たの!今上にある瓦礫をどかすからね。」
その返事をした声はひどくかすれていて、性別も判断できなかった。
「これで最後ね。」
最後の瓦礫をどかし、見えたのは全身が酷く焼きただれてしまっている女の子。
「大変!重症じゃない!」
「助け……て………くれる…の?」
「ええ、そうよ。ギール!この子を治療して!警戒は私がするわ」
「おい、まずは何が居たのかをきちんと報告しろよっ、てこいつは酷い。わかった任せとけ、魔物近づけんなよ。」
「おじ…さん……だ……れ?」
「おじさんじゃねえ!お兄さんって言え!」
ギールがまたやってる。まだ若いのに老け顔だからいつもあのやり取りをしている。本当にあの性格で顔さえ良ければもてただろうに。
「おい!余計なこと考えて無いだろうな。」
「はい!護衛に集中します!」
無駄なところで勘が鋭いのもマイナスね。それにしも、40万の人口を抱えていた都市で生き残ったのがごく僅かとは、恐ろしい化け物が生まれたものね。




