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王子様

 僕はある教室に来ていた。

しかも三条橋先生に連れられてだ。

何か思惑があるに違いないがこの教室に来てから10分、僕たちは一言も発していない。

緊張感だけが漂っていた。


 実はもう1人、僕の横にいるのだがそれ内緒にしておこう。

この後の惨劇に関係する人物だから。

(といってもこれは大袈裟な表現ですが)

でもその人物は僕を見るなりとても嬉しそうな表情でこの教室に導いてくれた。

三条橋先生を見るまでの間だけだったが。

そして今の状況である。


 そして、その惨劇が幕を開けた。

ある人物が教室に入ってきたのだ。

その人物はは言ってくるなり、

「ようこそ、僕のお姫様

さぁ、僕と姫だけの時間だ。

今宵も存分に楽しもう」


 「何だ、このイケメンは?」と僕は思った。

その前にここは女子校だぞ。

男子が入ってこれる場所じゃない。

僕がツッコむことではないが。

でも一応、僕は性転換しているから問題は無いが。

と一応、心の中で言い訳もしておいた。


 そのイケメンは僕たちを見るなり赤面をした。

「何で君たちがここにいるの?

ここは僕と姫だけの空間のはずなのに」

そして三条橋先生を見るなり

「そういえば今日はそういう日だったね。

すっかり忘れてしまってたよ」

彼は今までの慌てぶりを取り戻すように格好かっこを付け始めた。


そしてこれが惨劇の一部始終である。

(一応、大袈裟って言っておきましたけど)


 彼は落ち着いて話し始めた。

「僕は一応、女だよ。

ここは女子校で男子禁制だからね。

修行の時はいつも男装して望んでいるんだけど、その理由は後で言う。

まずは自己紹介。

僕の名前は海野うみの わたる

初めましてじゃないよね。

去年、海で出会っているから。

監視員として。

と言ってもあれはバイト。

僕の能力を生かしたね」

ここまで話し始めるともう一人が話し始めた。

僕の隣にいた人物が

「この人は私のお願いで男装してもらっているの。

男装アイドルでもある彼女にお願いしてね。

王子さまキャラでもある彼女に教えてもらった方が色々と覚えやすいってのもあって」


 「後は僕が話すね。

僕は彼女、海城かいじょう 豊深とよみ の師匠なんだ。

そして僕はここのOG。

大学に通いながら彼女に水の能力を教えている。

君は知らなかっただろうけどある程度の能力を持った人間は師匠を連れて入学してくる。

それは君の弟子に当たる3人にも共通している。

つまり、他の2人にも君以外の師匠がいるはずだよ。

もちろん、ここに入学してからの発現でもその後、師匠が付くシステムになっている。

多分、君は知らなかっただろうけど」


一息置いて

 「後、言い訳だけしておくけど普段はふたりしかいないからいつもああいうノリなんだ。

出来れば2人だけの秘密にしておきたかったんだけど。

これだけは内緒にしてくれるかな。

アイドル活動にも支障が出るし。

何せ僕のファンがショックを受けるから」


 僕は男には一切興味が無い。

もちろん、男装していることはよく分かってる。

それでも彼には何の興味も無い。

それでも実際女の子にはモテるだろうということはよく分かる。

僕はなんとも思わないが。


パンパンとてを叩く音がした。

三条橋先生だ。

「あなたたちのノリは分かったからここから本題ね。

今日は3人で水の修行をしてもらうわ。

もちろん、指導は海野君ね。

私は高見の見物で見させてもらうから」

と言うと海野さんは

「その前にこの小学生は誰なんだい。

さっきから偉そうな態度なんだけど。

もしかしてスーパー小学生?」


 「失礼ね。

れっきとした大人よ。

これでもふたりの担任でもあるのよ。

あなたより能力も上。

指導方法が良かったらあなたの担当の教授にも口をきいてあげるわ。

そして能力も一レベル上げてあげる」


 海野さんは驚いた顔をしていたが次第に真剣な顔に戻り始めた。

「まずは僕の唯一にして最大の武器、ウォーターガンを教えるね。

直訳すると水鉄砲なんだけど。

と言っても全てを教えるわけじゃないけど。

だって全てを教えちゃったらいざ闘うときに僕が不利になっちゃうじゃん。

だからあくまでも初級編」


 僕は彼女の説明を聞いて余計なことを思った。

だったら唯一にして最大の武器って言わない方が良かったんじゃないかと。


 彼女は

「まずは指を鉄砲の形にするんだ。

人差し指に水の弾を作る。

これは水の能力者だったら出来るよね。

そしてその水の弾を標的に向かって放つだけ」

彼女はそう言うと近くにあった椅子にその弾を放った。

弾は見事に椅子を貫通した。


「この能力の特徴はいかに弾に初速を貯めるかと言うこと。

初速が速ければ速いほど威力が強い。

そして僕はその威力を強めるためにこういうことをしている」

そう言うと彼女は赤色、青色、黄色の弾を次々と放った。


 「色とその弾の能力の関係は企業秘密。

要は指鉄砲ゆびでっぽうさ。

それで取りあえず100発、そうだな、後ろの黒板に向けて撃って。

あ、一応言っておくけどこの教室は普通の次元にはない教室。

だから現実世界には何の影響もないから遠慮無く撃ってね。

その証拠にさっき売った椅子がいつの間にか元通りになっているだろう」


 確かに椅子は元通りになっていた。

でも遠慮無くっていっても僕はチャイルズ。

本気を出せば凄いことになるのは目に見えている。

そういえば三条橋先生は手加減も修行の内だと言っていた。

海野さんのレベルを超えないようにと心の中で誓った。


 でもやってみると意外と難しい。

玉の大きさ、デカすぎると重くて撃てないし、小さすぎると威力が少ない。

さっき見た弾の威力にはどうやっても及ばなかった。

結局全力を出し切っても。

しかも色の付いた弾は原理がよく分からない。

どうやって色が付いているのか、そして威力は明らかに通常の数倍以上はしている。

それが彼女の隠し球なのだろうけど。


 そしてきょうの修行は終わった。

疲労だけが残った。

最後に海野さんは僕に向かって

「君、ものすごく筋がいいよね。

とても初心者とは思えないぐらいだよ」

さて、僕は彼女にどう伝わっていたのだろうか。

一応「チャイルズ」なんだけど。





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