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メイド

 (今回のお話はメイドの視点からお話しします。

メイドとは一体誰なのかは本文で明らかにします)


 こんにちはメイドです。

名前は今のところ有りません。

ていうか、ご主人様が未だに付けて下さらないのです。

私に興味が無いのか、単にその事に気づいていないのか。


 あ、言い忘れていましたが私は「時の掛け軸」の番人です。

私自身、ここから出ることは出来ません。

ご主人様は自由に出入りすることが可能なようですが。

よく分かりませんが私がいる世界とご主人様の世界とは次元と時間のタイムラグがあるらしく私自身、ご主人様の世界に行くことは出来ません。

それに私は作られた存在、現実世界に行く欲求を抱かないようにプログラムされているみたいです。


 続いて「時の掛け軸」の説明をしますね。

「時の掛け軸」はあらゆる時間を現実の1時間に圧縮できるみたいです。

そしてそれは「チャイルズ」の修行場に当たり、「チャイルズ」たちに一枚ずつ与えられます。

それぞれの掛け軸には私みたいなメイドが存在しご主人様たちの修行の相手をすることになります。

それぞれの掛け軸のメイドたちには私みたいに人格が存在しそれぞれのご主人様に会わせたバラエティ豊かなメイドとなっております。

まぁ、私自身は他のメイドには会ったことがありませんが。

そしてこれが重要なのですが私たちがいる空間では私が一番最強であること。

ご主人様に負けることは絶対に許されないようにプログラミングされています。

ご主人様がパワーアップされるとその情報がアップデートされるので絶対に負けることはありません。

と言っても危なかったことがいくつかありましたが。

取りあえず不死の体なので1時間もあれば相手の力を上回ることは可能。


 言い忘れていましたが私は遠山とおやま 葵唯あおい専門のメイドです。

元男という異例の経歴の彼女には早く心も女性になって欲しいと言うことでこの空間では男言葉を禁止しております。

最初はかなり戸惑っておいででしたが今では慣れたものです。


 ここで遠山とおやま 葵唯あおいについても説明しておかなければなりません。

この人物は他人の人格をコピーすることでパワーアップするかなり特殊な方です。

しかもその人格を一回一回表に出さなければ能力を取得することが出来ないらしい。

だから、その1人、1人の人格に一日修行の相手をしなければなりません。

現在は8人の人格を計8日かけて相手にしています。

ちなみに弟子でチャイルズになられた方は除外しております。

遠山とおやま 葵唯あおいのコピー人格は彼女の弟子にならないとコピーされない制約があります。

そして弟子がチャイルズに昇格するとその人格は彼女の中で消去されます。

彼女のコピー人格は初めにあった教師5人とチャイルズに昇格しなかった能力者の友達の3人です)


 今回、また新たに2人の人格が加わったという事で私自身ワクワクしております。

何せ掛け軸内は暇で暇でこれはこれで娯楽になりますから。


 1人の人格は新しい世界に驚きつつすぐ順応してきました。

彼女の能力は「波」。

元々能力「光」から進化した能力。

地震も起こすことが出来るし空間を意図的にゆがませることが出来る厄介な能力。

彼女と闘う度に意図せぬ出来事が起き、とても面白い対戦相手です。


 問題はもう1人の人格。

彼女はいつもオドオドしている。

そのくせパワーが凄い。

性格と能力が一番会っていないような人格。

彼女の能力は「かさね」と言うらしい。

簡単に言うと重力系の能力。

簡単な打撃程度の攻撃でも普通の人間だったら簡単に死ぬと思います。


 2人の人格はまだまだ発展途上の能力者。

これからが楽しみだと思っている。


 そして最後11人目の人格が本人格。

彼女は未だに「女言葉は未だになれない」と愚痴を言いながら今までの人格の修行の成果をしっかりと吸収しながら私に挑んでくる。


 言い忘れましたけど私は実践派なので闘いながら色々とアドバイスをするタイプなのです。

つまり戦闘タイプのメイドです。

ちまちました修行はやりません。

11日間、とても楽しい時間を過ごしています。

でも最後にご褒美があります。


 それは最後にご主人様と一緒にお風呂に入ることです。

「いつも思うのだけど私は1人でお風呂に入ることが出来るのになぜ一緒に入りたがるの?」

「それはお嬢様に女の体に慣れてもらうためです」

と私はしれっと言う。


 はっきり言うと本人格のお嬢様はとてもカワイイ。

他の人格の彼女はコピーされているからか姿もまるで違う。

本人格の彼女はとても初々しいのです。

肌もスベスベしていて、そして一番理想的な体。

女子として完璧な体つき。

それでいて性格は正反対。

いつまで経っても女の体に慣れないご主人様はめちゃくちゃいい。

もちろん、私はお嬢様の体の隅から隅まで洗ってあげます。

恥ずかしがるご主人様はとてもいいのです。


 言っておきますがちゃんとメイドとしての仕事もちゃんとこなしていますよ。

食事や洗濯、掃除はプロ級の腕前ですから。


 ちなみに計11日間は実際の時間にして1時間に短縮されています。

あくまでもこの11時間は時の掛け軸内での時間です。


 こうやってお嬢様は日々鍛錬されているのです。


 最後にどうでもいい話をしますね。

私の名前が一向に付かないのは私の性癖が原因かも。

少し反省しつつ性癖を変えるつもりは一向にありませんが。

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