表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/83

再会

 (今回のお話は明岳あけだて 直央なおの視点でお送りします)


  昨日は散々な目に遭った。

入学式の後、いきなり三条橋先生に呼び出され見知らぬ人物との対決をさせられた。


 ちなみに三条橋先生は私がこの学校に入学するまで修行を見てもらった師匠でもある。

私の他にも欠下かけした 沈香しずかって言う女の子も同門である。


 先に私自身の説明をしときます。

私は三条橋先生曰く光属性の能力者らしい。

一通り光の特徴は三条橋先生から習った。

自分の姿を隠すことや全く違う場所に自分を投影すること。

これによって相手の死角からの攻撃が可能になる。

もちろん、自分を分身させたり大きく見せたりすることも可能。


 去年1年間、対戦する相手をじっくり観察してきたつもりだった。

文化祭の時も堂々と観察した。

その時の彼女はとても強い相手とは見えなかったけど。

結果は惨敗。


 そして、次の日(つまり今日になるのだが)私は昨日のあの教室に呼び出されていた。

今度はタイマンだとのこと。

今日の授業ははっきり言って上の空。

正直昨日のこともあったのでビビってもいる。


 教室を開けるとそこには私がいた。

少し、ビックリしたがそれはすぐに鏡だと気がついた。

そして、自分自身のビックリした間抜けな顔にガックリもした。


 「誰よ、こんな入り口の真ん前に鏡を置いたのは」

と独り言を言いながら鏡をどけた。


 そして教室の中を見渡すと誰もいない。

私が少し早く来すぎたのか。


 しばらくすると

「早く気づきなさいよ。

私がどこにいるのかを」

と言う声が教室中に響き渡った。


 そういえば昨日惨敗した相手は負けた相手の能力をコピーできるって言っていた。

私みたいに自分の姿を隠す能力でも持っているのか。

私は目を瞑り周囲の声に集中した。


「いやいや、目を瞑らなくても分かるから。

ていうか、最初に鏡のフリをしている私だから」

そう言われると私は鏡に再注目した。


「ちょっと真似をするぐらいで見失うなんて1年前の私は何て間抜けなのかしら」

私は唖然としていた。

鏡の中の私が勝手にしゃべっているのだから。


 「ていうか、これ鏡じゃないから。

ただの枠だから」


 そう言うともう1人の私が語り始めた。

「いきなり見知らぬ世界に放り込まれたのはちょうど1年前。

最初は戸惑ったわ。

でも、不思議と環境が整っていて修行をすればするほど力が付いてきた。

でも外の世界に出たときに1日しか経っていないことにも驚いたわ。

中の世界と外の世界の時間の流れがこんなに違うなんて。

久しぶりに勝負してみる?」


 私は彼女(もう1人の自分)の挑発に乗ってみた。

でも結果は案の定、惨敗。

私のパンチもキックも何もかも当たらなかった。


 「ごめんね。

こんなに差が付いているとは思わなかったから。

大体、本人格の特性である絶対防御能力って奴?

私もよく分からないけどデフォルトで付いているみたい。

でも1年でこんなにも差が付くとはね」


彼女が一息つくと

「ほんでお得情報!!」

といきなり言い出した。

「私自身、自分の能力は光だと思っていた。

で、一年間、光の特徴を勉強してきたわけ。

あなたは気づいてないかも知れないけど光を集約して一本の線にするとビームになるわけ。

手からもビームが出せるし指からもビームが出せる。

何なら目からも。

ただ目からビームを出すと数秒間、視覚がなくなるのは玉にきずだけど」


 私自身、初めて聞く情報ばかりだ。

大体、私はそんなに賢くは無い。

彼女が言っていることのほとんどを理解できずにいた。


 そして彼女は続けて

「で、色々と勉強していくうちに光はごく微量の粒子による波運動だと分かったの。

そして、色々と修行していくとあらゆる波運動を起こせるようになったって訳。

で、たとえば足下を揺らすと」

そう言うと彼女は貧乏揺すりを始めた。


 しばらくするとその足の振動は私の足下にも届いてきた。

ていうか、教室中が揺れ始めた。


 「このように簡単に地震が起こせるわけ。

他にも応用がいくつかあるんだけど。

もう時間が来たようね。

後は本人格に任せるわ」

そう言い、彼女は私の前からすっと消えていった。


 直後に「しゃべりすぎ」という声が私の真後ろから聞こえてきた。

それは紛れもなく昨日の対戦相手だった。


 「改めて自己紹介するね。

僕の名前は遠山とおやま 葵唯あおい

一応、この学校の生徒会の副会長をやっている。

と言ってもまだ女子校の雰囲気には慣れてないけど」

と彼女は気まずそうに話した。


 「余計な話はまぁ、いいや。

今、見てくれたように僕の能力は君たちの人格の完全コピー。

そしてその能力をさらなる高みまで進化させること。

さっき見てくれたように君のコピーでも全然能力の精度が違っただろう。

最終的にはチャイルズ並みの進化も可能。

並大抵の努力じゃないけど。

あと、コピーされた人格は僕の能力に準拠するから学習能力も僕並みになる。

失礼ながら今の君よりコピーされた人格が賢いのはそのため」


 はぁ、それは余計なお世話だ。

私は内心そう思った。


彼女は続けて

「でも、安心して。

人格は完全コピーされているけど君たちのプライバシーは完全に守られているから。

実際には表層の部分しか分からないから。

今の話のほとんどもつまり君のコピーが話したほとんども僕が今、初めて知ったことばかり。

正直、驚いてはいるんだ。

君の能力が波属性だったとはね」


 なんか白々しいが今のところは取りあえず信じておこう。


「さぁ、今からみっちり修行をしようか。

何せ君は昨日から僕の弟子になったんだから」


 いい加減にして欲しい。

さっきの戦いで私には余力が残っていない。

そんなことを知ってか知らずか。

地獄の特訓はこの後、小一時間続いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=518122787&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ