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神居 天巫 〜前編〜

 (今回は神居かみい 天巫あみの視点でお送りします)


 こんにちは。

神居かみい 天巫あみと申します。

今回は私の事を詳しくお話ししたいと思います。


 私は村の外れの神社で生を受けました。

お父さん、お母さんとも普通の人でした。


 私の神社のある所は本当に長閑のどかな所です。

周りは田圃たんぼに囲まれ人も少なかったように思います。


 当然、同年代の子などらず寂しい幼少期を過ごして参りました。

でも、お父さん、お母さんとも優しい人でそんなことを感じずに育ってきました。


 ある日のこと、私が人形遊びをしていると両親が飛んで帰ってきました。

そして両親はとても驚いたのです。

今だから分かるのですがそれが異常なこととは思いませんでした。


 父は

「いいか、今やっていることは決して外ではやらないこと。

絶対だからな」

母は

「このことが世間に知れると大変なことになる。

絶対に外ではやらないでね。

約束よ。

でないと親子がバラバラになっちゃうから」

私は幼かったからなのか両親の言っていることが分からなかった。

私のそれが異常なことに。


 ちなみに両親がビックリしていたことは次のことです。


 私は1人で遊ぶのが好きだった。

でも人形とはいっぱい遊びたい。

それで沢山の人形を動かして遊んでいたのです。

手を使わずに。

いわゆる念動力です。

私はそれが普通のことだと思っていました。

誰でも出来ることだと。


 だから、両親の忠告を聞かず外でも遊んでいました。

もちろん忠告される前から。

それを聞いた両親が飛んで帰ってきたのです。


 もちろん、このことは村中に知れ渡ることになりました。

そしていつしかマスコミにも取り上げられることに。

自慢じゃありませんけどテレビ局に何度か行ったことがあります。

当時、私の特番を組まれたことも。

小学生の私は一躍有名人になったのです。


 でもそれは束の間でした。

一年も経たないうちに私たち家族はバッシングを受けるようになったのです。

インチキ家族と。


 最初は週刊誌からでした。

私の超能力がインチキだと書かれたのは。

超能力と言っても念動力しかありませんが。


 私がテレビで披露し反響が多かったものがあります。

それは私が持っている人形10体の同時浮遊です。

テレビで披露したものは屋外で10メートルぐらい浮遊させたと思います。

その日は非常に風が強くやりにくかったのを覚えています。

でも不思議と私が精神を集中させると風が止み見事に成功出来たのです。

当時生放送だったと思います。

それを週刊誌が図解入りでトリックを公開したのです。

もちろん、私はそのトリックに心当たりがありません。

それに手品で再現出来たからと言って超能力は否定は出来ない。

超能力ではないと証明することは出来ないのだから。


 その一件で私たち家族はインチキ家族と罵られるようになりました。

もちろん、家からは一歩も出られない生活。

学校にも行けません。

それに学校の友達もその件で去って行きましたし。


 それでも両親は私を信じてくれました。

大体、公開されたトリックはとてもお金がかかり小学生の私1人では到底出来ないもの。

両親ももちろんこの件には関わっていません。

もちろん、テレビ局も。

でも世間は手のひら返し。

息苦しい日々が続きました。


 そんなある日、ある女性が私の家に来ました。

その女性は政府の人物だと言いました。

「突然お訪ねしてすいません。

私は政府のめいを受けて来ました。

まずはお詫びしなければ成りません。

今般の事情は私たち政府が情報操作をしたものです。

私たち政府はあなたの超能力を信じています。

と言いますかあなたのその力は超能力としか言い様がありません。

でもその力は世間に知られてはいけない力。

私たちはあなたを保護したいのです。

どうか私たちを信じてください」

と言い、両親はその女性の差し出した電話に出た。

両親は驚きそして信じたようだった。

一体相手が誰だったのかは未だに分からない。


 この後、信じられないほど早くバッシングは消えた。

その女性は

「辛い思いをさせてごめんなさいね。

でもこれからは楽しい未来が待っているから。

それとこれからは寮生活になるからね。

ご両親としばらく会えないけど我慢してね」

と言った。

私は訳も分からず実家から離れることになった。


 さっき、友達はいなくったと言いましたけど実は1人だけいました。

確か1つだけ年下だったような。

名前はあまねちゃんと言ったっけ。

名字は覚えてないけど。

この娘だけは私の超能力を信じてくれた。

ていうか、この娘も何か不思議な力を持っていたような気がする。

あまり覚えていないけど。

私の無二の親友だった。

でも、その娘には何も言えずに別れることになった。

一生友達でいようねと誓ったのに。


 新しい所はとても厳しい所だった。

寮にいるのはみんな私より年上。

しかも外部との連絡は禁止。

当然、無二の親友とは連絡が取れない。

今頃、怒っているのだろうか。

本当にその友達に申し訳なく思った。

何の連絡も無く消えたことを。


 それからその友達と長い間、会えずにいた。

でもまさか下級生の入学式で再会するとは。

彼女は私をにらみ付けてきた。

私はその睨み付けてきたその彼女を見て昔の友達だとすぐに分かった。

だいぶ私を恨んでいるようだ。


 次回はその彼女のことについて詳しく話したいと思う。



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