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委員長

 転校初日にもう一つ出来事があった

それは僕の面倒係に委員長が指名されたことだ。

僕が一通りの自己紹介を終えたところ、担任が

「この学校は生徒はもちろん、教師も全員女性だ。遠山(僕)は出自でじからして女社会の常識は皆無だろう。だから、遠山の面倒を見る係を選びたいと思う。そうだな、委員長の冷泉れいぜん、遠山の面倒を頼む。」

と言うと委員長は笑顔で

「喜んで」

と返事をした。


 その後、いろんな人から委員長の評判を聞いた。

とにかく、面倒見が良く、優しく、悪い評判を言う人は皆無だった。

評判からして、こんないい人がいるのかというべた褒め状態だ。

ちょっと緊張していたが、僕の面倒を見てくれる人は安心できそうな人のようだ。

と思っていたら、委員長が

「ちょっと悪いけど、放課後校舎裏に来てもらえるかしら。」

と声をかけてきた。


 放課後、校舎裏に呼び出された経験は無いがそれが何を意味するのかはなんとなく分かる。

僕の中では不良に絡まれる生徒が呼び出されるイメージだ。

約束通り、校舎裏に行ってみると委員長が険しい顔をして立っていた。

委員長は

「とりあえず校舎裏を選んだのは誰にもあなたと会っているところを見られたくないからです。まず、あなたに言っておきたいことがあります。私はあなたに一切興味がありません。そして、あなたの面倒を見る気もありません。あなたの出自でじがどうであろうと知ったことではないです。それとこのことをクラスのみんなや先生方には内緒にしてほしいのです。この学校のことや女社会とやらは自分で調べてください。私は内申点を上げるのに大変なんです。あなたの面倒を見る暇が無いのです。それじゃあ。」

と一方的にしゃべり帰ってしまった。

委員長はとんだ裏の顔を持っていたのだ。

あまりのことに僕は呆気にとられ愕然としてしまった。

そしてこれからの3年間の学園生活に絶望を覚えた。


 しかし、1週間が経つと委員長についていろんなことが分かってきた。

委員長は僕が頼みもしないのにいろんなことを手伝ってくれるのだ。

それもみんなの目の前だけでなく2人きりの時も手伝ってくれるのだ。

しかも、僕の方から用件を頼むと委員長は

「はぁ!なんで私がやらないといけないの?」

と悪態をつきながらも手伝ってくれるのだ。

それに僕が女の子としてやってはいけないことをすると普通に怒って訂正をしてくれる。

もちろん悪態をつきながらなのだが。

この1週間、女の子の性のこととかも事細かに教えてくれた。

いったい初日のことは何だったのか。

委員長はただのツンデレだったのか。


僕は改めて初日のことを委員長に聞いてみた。

委員長は

「一応、あなたの面倒を見ることは決まったわけだから責務は果たさないとね。それにあなたの面倒を見ることはある方のご命令でもあるしね。私はそのある方を決して裏切れないの。まあ、そのある方というのは今のあなたには話すことができないのだけど。それにあのときの担任は私の裏の顔を知っていながらあなたの面倒係に私を指名してきたの。あの担任、性格が悪いから。」

と答えた。


 まあ、あのときの担任が性格が悪いのはこの学校に入る前のある事情から知ってはいたけどねと心の中で僕は思った。


委員長は続けて

「それにあなたを立派に育てないとそのある方に顔向けができないの。私はそのある方を非常に大切に思っているから。」

そう聞くと僕はますますそのある方が気になるのだが。


ということで委員長のツンデレが決定したのでありました。


 

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