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ピンポン少女〜後編〜

(今回の話は主人公、遠山とおやま 葵唯あおいの視点でお送りします。

ていうか、やっと主人公の話が出来る。(笑))


 僕の名前は遠山とおやま 葵唯あおい、ってもう知っているよね。

今回はこのピンポン少女という話のネタバレをしていきたいと思う。

この話には僕が出ていないと思っているでしょう。

実は僕はずっと出ずっぱりだったんだ。

気づいてないと思うけど。


 その話をする前にこれからある話をします。

その話をしないと本編の話が出来ないので。


 事の始まりは夏休みの直前だった。

放課後、僕は職員室に呼び出されたのだ。

そこで僕を待ち構えていたのは担任である5人。

つまり、火脚ひあし先生、冬室ふゆむろ先生、波津はづ先生、金時かねとき先生、吹原ふきはら先生の5人です。

この5人は僕を拉致した犯人であり、性転換の原因を作った犯人であり僕の師匠でもあります。

この5人は能力のことや女の子のことをいろいろと教わった師匠でもあります。

今は能力的には僕の方が上ですが頭が上がらない存在でもあります。

ちなみに今はこの5人に稽古を付けたりしているのである意味立場は逆転していますが。


 この5人はとにかく仲が良いのか悪いのか分からない。

それぞれ専門の能力には自負があるので張り合ってばかりいます。

それでも何かと5人でつるむことが多いのです。

そして5人が僕のことで連むといつも良からぬ事が起きるのです。


 僕が職員室に入るなりいきなり火脚先生が

「まぁ、なんだ、とにかくここに座ってくれ」

僕がおそるおそる彼女たちの前の椅子に座ると冬室先生が

「何も取って食おうなんてしないわ。

少しだけ私たちの提案に乗って欲しいだけよ」

と意味ありげな笑みを浮かべ言ってきた。

波津先生が

「夏休み前に約束通り弟子を5人作ったことは褒めてあげる。

良くやったわね。

それでだけどいつも同じ相手で訓練をするのは良くないと思うのよね。

たまには違う相手と訓練しなきゃ」

すると金時先生が

「要するに夏休みにあの娘たちが私たちと違う師匠を見つけて訓練することが望ましい訳よ」

残りの吹原先生は隣でうんうんと首を動かしていた。


 確かにとても刺激的な話だがまだ僕の弟子を他の師匠に預けられるほど基礎が出来ている訳じゃない。

そう考えあぐねていると波津先生が

「何も本当に他の師匠に預ける訳じゃないの。

つまり、師匠(主人公)が他の師匠に化ければ良いの」

僕は何を言っているのかすぐには理解できなかった。

しばらくして理解は出来たのだが僕は

「無理、無理、絶対無理!!

他の師匠に化けるって他の女の子に化けると言うことでしょう。

僕たちが持っている特殊能力は女の子しか持てないものだから。

大体、他の師匠のことは知らないし、知っていたとしても今のこの状態でさえ精一杯なんだから絶対無理だよ」

波津先生は僕のこんな状態にお構いなしに

「先日、あの娘たちと一緒にショッピングしたんでしょ。

可愛い洋服一杯買ったって聞いたわよ。

それに可愛い下着も。

それにあの娘たちと一緒にお風呂にも入ったんですてね。

随分、女の子生活満喫しているじゃない。

そんなあなたが他の女の子に化けるなんてお茶の子さいさいじゃない。

姿、形を変えることぐらいあなたの変身能力でなんとでもなるし女の子としての振るまいなんて夏休みまでに私たちがなんとかするわ。

普段の特訓のお礼もあるしね」

僕はゾクッとした。

羽津先生は続けて

「まずはキャラクターの作成ね。

確か師匠は物を創造する能力は苦手だけどピンポン球ぐらいの大きさのボールなら沢山量産できるって聞いたわ。

ピンポン球を作る能力の少女ってどうかしら」

火脚先生は

「そりゃ良いね。

体系はロリ体系が良いかな。

その方が能力の凄さとのギャップ萌えっていうか。

でも背の低さにはコンプレックスを持っているとか。

名前は卓間たくま 球和たまわていうのはどうだろうか。

名字と名前の最初を会わせると「卓球」ってなるしな」

僕の目の前で次々と設定が出来上がっていく。

もちろん僕の意見なんて無視だ。

冬室先生は

「とにかく見た目が可愛いことは必須ね。

どういった見た目が良いのか」

吹原先生は他の4人を尻目に机で黙々と作業している。

そして話が一段落したところで彼女の絵がお披露目となった。

もちろん新しいキャラクターの容姿のデザインだ。


 こうして、新しい師匠のキャラクターが次々と出来上がった。

僕は何も口を挟めずにいた。

そして次の日から女の子としての特訓だ。

少なくても1週間ボロが出ないようにしなければならない。

女の子の仕草から女の子のしゃべり方まで。

女の子要素が足りないからと言ってなぜかゴスロリ服を着ることまで決まってしまった。


 その後はみんなの知っているとおり。

正直猫をかぶるのは苦手なのですぐ素に戻ったのだがバレることはなかった。

それにしてもしゃべり方でこんなに苦労するとは思わなかった。

とにかく二人称が定まらないのだ。

他人のふりをするのはもううんざり。

夏休み明けにはいつも通りの普通の訓練に戻る。

それまでは弟子であるクラスメートたちは普通の夏休みだ。

僕も沢山夏休みを過ごすつもりだ。

明けには彼女たちと会うのが楽しみだ。

とにかく変な訓練が終わり目一杯羽を伸ばしたい今日この頃です。



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