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とある男子高校生の裏事情  作者: 烏丸 遼
学園騒乱編
59/66

プロローグ

新章突入です!


◆◇◆◇◆


 紫苑は高校生最初の夏休みに入った。幼い頃は、別荘で過ごしていたが今年は京都に行く。

 京都には、鷹司家が管理している学園がある。京都旅行も兼ねて、学園にもお邪魔する予定なのだ。

 学園が鷹司家の管理下にあるということもあり、紫苑自身も学園に縁がある。紫苑が正式に組織に加入したので、その報告や子ども達を見に行くのだ。


「京都も山梨に劣らず、暑いね」

「そうですね。紫苑様も一緒に日傘に入りますか?」

「……密着したら余計暑いだろうに」


 そんなわけで、紫苑は片桐とともに京都へ来ていた。

 明日には、東京から鷹司姉妹も到着する予定だ。

 一足早く着いていた紫苑と片桐は、京都の名所を観光していた。


「京都は観光名所がたくさんあって飽きないね」

「そうですね。私は京都の街並みも好きです」


 二人はバスや徒歩で各地の寺や庭園、仏像なども見て回った。

 

「そろそろ旅館に行きましょうか」

「そうだね。どこの旅館に泊まるの?」

「えっと……嵐山にある花の宿というところです」

「それじゃあ、タクシーで行こうか」

「はい。それと……」

「ん?」


 片桐は急に恥ずかしそうに顔を赤くする。


「……その……旅館は一部屋しか……取ってません」

「……え!?」

「い、いいですよね! 一緒に寝たことなら何度もあるんですし!」

「そうだけど……」


 旅行の計画は全て片桐に任せてしまっていた。


「それに……明日からはお嬢様方も来ますし、二人きりの時間は今日だけですから……」

「……そうだね。明日からは学園に泊まるからね」


 学園には、ホテルのような客人が滞在できる施設も完備されている。


「……怒ってますか?」

「いや、怒ってないよ。今日くらいは一緒にいようか」

「はい!」



 旅館の食事や温泉は1日の疲れを癒してくれた。

 しかし、片桐の浴衣姿が想像以上に艶かしかったので、理性を抑えるのに随分と苦労した。

 こうして、1日だけの紫苑と片桐の京都旅行は終えた。


〜続く〜


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