プロローグ
新章突入です!
◆◇◆◇◆
紫苑は高校生最初の夏休みに入った。幼い頃は、別荘で過ごしていたが今年は京都に行く。
京都には、鷹司家が管理している学園がある。京都旅行も兼ねて、学園にもお邪魔する予定なのだ。
学園が鷹司家の管理下にあるということもあり、紫苑自身も学園に縁がある。紫苑が正式に組織に加入したので、その報告や子ども達を見に行くのだ。
「京都も山梨に劣らず、暑いね」
「そうですね。紫苑様も一緒に日傘に入りますか?」
「……密着したら余計暑いだろうに」
そんなわけで、紫苑は片桐とともに京都へ来ていた。
明日には、東京から鷹司姉妹も到着する予定だ。
一足早く着いていた紫苑と片桐は、京都の名所を観光していた。
「京都は観光名所がたくさんあって飽きないね」
「そうですね。私は京都の街並みも好きです」
二人はバスや徒歩で各地の寺や庭園、仏像なども見て回った。
「そろそろ旅館に行きましょうか」
「そうだね。どこの旅館に泊まるの?」
「えっと……嵐山にある花の宿というところです」
「それじゃあ、タクシーで行こうか」
「はい。それと……」
「ん?」
片桐は急に恥ずかしそうに顔を赤くする。
「……その……旅館は一部屋しか……取ってません」
「……え!?」
「い、いいですよね! 一緒に寝たことなら何度もあるんですし!」
「そうだけど……」
旅行の計画は全て片桐に任せてしまっていた。
「それに……明日からはお嬢様方も来ますし、二人きりの時間は今日だけですから……」
「……そうだね。明日からは学園に泊まるからね」
学園には、ホテルのような客人が滞在できる施設も完備されている。
「……怒ってますか?」
「いや、怒ってないよ。今日くらいは一緒にいようか」
「はい!」
旅館の食事や温泉は1日の疲れを癒してくれた。
しかし、片桐の浴衣姿が想像以上に艶かしかったので、理性を抑えるのに随分と苦労した。
こうして、1日だけの紫苑と片桐の京都旅行は終えた。
〜続く〜




