第3話
九条グループは、会社経営や政治活動、慈善活動などに携わっている。
そして、そのトップが九条真美なのだ。
彼女のことを恐れている者も多い。彼女が命令すれば、大抵のことは現実になる。
彼女に逆らうのは極めて危険なことなのだ。
彼女が何を考えているのか、誰にもわからない。
九条グループの人間は、ただ組織の繁栄と家の繁栄を望み、活動するだけだ。彼らは、それが正しい選択だと思っている。
しかし、それが一般社会に公になることは避けなければならない。紫苑や千冬、まだ正式に加入していない白雪までもが組織の存在を隠して生活しなければならない。
一般人は、組織の存在を知らない。それゆえ、怪しい組織が社会の裏で暗躍していると知れば、組織の人間は疑われ生活しにくくなる。
さらに、九条グループも良いことばかりしてきたわけではない。
組織の存在が公になれば、それらのことも隠し通せないだろう。
だが、今まで組織の存在が公になったことはない。組織に対し、恨みを持つ人間がいなかったわけではない。
組織のことを公にしようとする人間は、組織の人間に抹殺される。今ではそれが、組織内の暗黙の了解となっている。
紫苑や千冬ですら、九条グループの正確な規模や活動内容を把握しているわけではない。
紫苑のような各当主たちは、他の当主が何をしているのか、詳しくは知らないし知ろうとも思わない。
深く知ろうとすれば、かえって自分の立場を悪くしかねないのだ。それで失脚した当主も過去にはいた。
全てを知り得るのは、九条家当主だけ。
九条家だけは、各家の活動内容や特徴、弱味すら知っている。
他の当主たちは、自分の仕事をこなし、組織内で出世していけば十分な生活を送ることができる。
彼らは、ただ組織のために働くことが一番安全で快適な生活が送れるのだ。
九条グループの人間ですら、組織の全容を把握できない。一般人は、組織の存在すら知らない。
だが、各地のいたることろで多大な影響力を持っていることは確かだろう。
組織に関わる家に生まれた紫苑たちは、組織に存在する聖域に絶対に立ち入らないよう、自らの仕事に励むだけなのだ。
番外編① 完
次話から新章です。




