第12話
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中学生になった白雪は、多忙な日々を送っていた。まるで、昔の紫苑のようだ。
白雪の教育係兼ボディガード(?)は桐生玲奈という女性になった。彼女もまだ高校生だ。そして、桐生家も鷹司家の傘下の家の一つだった。
桐生は、白雪の教育係を快く引き受けた。桐生は可愛いものが好きらしい。
それゆえ、引き受けたとのこと。
確かに、白雪は百人が見たら百人が可愛いと言うほどの美少女に育っていた。
中学校でも、入学した日から男子生徒に言い寄られていた。
ーー当然、紫苑以外には興味ないので冷たくあしらったが。
そんな容姿を持つ白雪のことを大層気に入ったようだ。その証拠に、桐生は白雪に色々な服を着せて楽しんでいる。
白雪も楽しそうだから良いのだが。
千冬としては、大満足だった。去年の紫苑と片桐のようになったらと懸念していたのだ。
☆
白雪は、どんな辛いトレーニングもしっかりこなした。
桐生もそれなりに優秀だった。そんな彼女から、白雪はどんどん知識や格闘術を吸収していった。
もちろん、学校の成績もトップクラスを維持している。
そんな彼女を支えていたのは、やはり紫苑の存在だった。
紫苑にも今回のことを伝えた。白雪が組織加入を希望していると言ったときは、凄く驚いた。
だが、彼は「一緒に頑張ろう」とも言ってくれた。
それだけでも、辛いトレーニングなどへっちゃらだ。
恋の力は凄い。こんなにも人を本気にさせてくれるのか。
恋をしてよかったと白雪は感じた。
そして、それを必ず実らせる。そう心に誓った。
◎
私は必ずお兄様に相応しい女性になる。白雪の覚悟はダイヤモンドよりも硬かった。
この生活は正直辛い。今すぐにでも止めたい。
普通の女の子は、きっと家でトレーニングなどしていない。友達同士でカラオケにでも行っているのだろうか。
私は、そういった付き合いは断っている。私にはやらなければならないことがある。
学校では、上手くやっている。成績も良いし、交友関係も良好だ。相変わらず、男子生徒からのアプローチが多くて困っている。
お兄様以外の男などどうでもいい。私の心はすでにお兄様ものでしかない。
ついついお兄様も同じだったらいいな〜と思ってしまう。
◎
お兄様の周りには強敵が多い。
お姉様をはじめ、今は片桐ととても仲が良いらしい。
片桐とは、お兄様と会う度顔を合わせる。
女の私でも美しいと思ってしまう。お姉様も美しいが、片桐の魅力はそれだけではないような気がする。
一挙一動が美しい。気品があって、ザ淑女という感じ。
そして何より、思いやりに満ち溢れている。少し一緒にいただけでわかった。
片桐は、お兄様のことを本気で想っている。
去年までは、お兄様と片桐はギクシャクしていたのに……どうして?
なんかモヤモヤする。
お兄様は、片桐の微笑にデレデレしている! 私には、あんな大人の魅力はまだ出せない。
ーーいつかお兄様を私の大人の魅力で虜にしてみせる!
今はまだ、その時期ではない。
それにしても強敵ばかりだ。
お姉様は、会う度にお兄様に過剰とも言えるスキンシップを迫っている。
お兄様も、それに鼻の下伸ばして!
もうっ、私だって普通の女の子より胸あるわ! お姉様や片桐ほどではないけど……
ーーいつかあの二人を超えてお兄様をメロメロにするんだから!
私ももっと積極的になるべきかしら?
昔よりもお兄様に抱き付く回数も減ってしまった。これからは、もっと迫ってみようかな。
でも、軽い女の子に見られたくないな。お兄様もあんまりベタベタされると嫌がりそうだし。
お兄様に、お前はもういらないと言われたら私は多分生きていけない。
もし、お兄様が私以外の女性を選んだらどうしよう。
胸が苦しい。
これも恋。
やっぱり恋は残酷かも。
でも、それでも私は諦めない。
私には、お兄様以外はありえない。
だから今は自分の出来ることをやるだけ。
「お兄様、私をこんな気持ちにした責任とってくださいね。
いつか私が、お兄様の隣で笑える女性になってみせます」
白雪は、夜空に向かって小さく呟いた。
〜続く〜
今回は、白雪メインです。




