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とある男子高校生の裏事情  作者: 烏丸 遼
第1章 組織加入編
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第9話



◆◇◆◇◆


 今回、片桐を拉致する計画に加担した者は、200人近くいた。

 中には、宮代勉のような当主も混じっている。

 紫苑は彼らに、「計画の詳細な内容をはかせる」という名目のもと拷問を行った。

 本当なら、命で償わせたかったのだが、それでは組織の力が弱くなる。さすがに、九条家や鷹司家も止めに入るはずだ。


 だが、まだ終わっていない。

 証言によると、片桐を拉致する計画を発案したのは、勉ではなく勇だ。

 そして、勇はまだ逃亡を続けている。

 鷹司家、、澤登家、そして武闘派たちに協力してもらい、捜索している。

 勇が身を潜められそうな場所をはかせ、そこを捜索する。

 そういった感じで、捜索は進められた。


◆◇◆◇◆


 それから一週間後、勇を捕らえたとの報告があった。身柄をこちらに引き渡してもらい、紫苑は勇と対面する。


「勇さん、あなたとはお会いしたことがありました?」

「……いや、初めてだ」

「こんな形でお会いするとは、残念です」

「……我々は間違ったことはしていない。今回の決定は、とても認められるものではない。君は、鷹司家と好意にしているそうだな。千冬お嬢様にねだったのか?」

「いえ、今回の決定は姉さんーー千冬姉さんの悪戯です。自分も辞退しようと思っていたくらいです」

「ならば何故!」

「式のとき、やると返事をしてしまいましたから。それに、姉さんは俺なら必ずやり遂げると信じてくださっている」

「そんな個人的な感情で動いたら、組織はいつか崩壊する!」

「いえ、今のところ問題なくやっています。俺の周りには優秀な人材が多いですから」


 紫苑は必要最低限の仕事をしている。それ以外は、片桐が片付けてくれるのだ。


「それと勇さん、あなた達はまるで組織のために行動を起こしたような口ぶりですが、実際は家の面子を守るためです」

「そんなことはっ!……」

「いえ、自分の家を守ることは悪いことではありません。それには、多少の武力行使も必要なときもあります」


 突然、紫苑の声が低く冷たいものになった。勇も背筋がぞっとするほどだ。


「だが、あなた達は今回、絶対にしてはならないことをした。俺の仲間、一番の側近の片桐に手を出そうとしたことです。

俺の仲間に手を出したらどうなるか、その見せしめになってもらいます」


 それから、ほどなくして事件は収束したということになった。

 今回の計画に加担したものは、厳しい拷問の末、全員が病院送りとなった。

 組織に対する反逆に対する、武闘派による鎮圧。建前上、そのようになった。

 組織から失脚した者は、いない。だが、各当主たちにはある恐怖が植え付けられた。

 ーー紫苑は、年齢や家を問わず罰する。彼の仲間には、間違っても手を出してはいけない。


 紫苑は、事件がひと段落してまた普通の高校生に戻った。

 そしてある日、九条家に集まるよう各当主に連絡が来た。どうやら、今回の事件についての話がなされるようだ。

 紫苑は、急いで九条家に行く準備を始めた。


〜続く〜


組織加入編は次で、終われると思います。

その次は、過去編です。

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