アンドロイド・イクスプェンツァー〜人になれない機械人形〜

お手伝いロボットを始めとしたアンドロイドが普及した近未来。
第三世代型アンドロイドから人型である第四世代型アンドロイドが普及され、一部のアンドロイドは人と変わらぬ容姿ゆえに一見見分けがつかない。しかし、首についているリングにより、それがアンドロイドであることが分かる。そのアンドロイドには主がおり、服従するためだけに生まれてきたのだ。
子供の子守から戦争の兵士まで様々な『道具』として使われてきた。

第三次世界大戦の主役も人ではなくアンドロイドであった。その戦争は思わぬ形で休戦を余儀なくさせられる。
ある島での核開発実験が失敗。サイファーペンチニウムが流出し、世界的大混乱が起こる。事前に発明されていた空間消滅装置、可分粒子衝突器「スプライト」により、空間の素粒子そのものを消して汚染物質の流出を最小限にとどめることに成功するが、空間そのものが消滅してしまったため世界がゆがみ、世界的大災害「クライオブジアース」が起こる。
その後、一時休戦ののち世界平和条約が結ばれ、平和な日々が続いていくと思われた……。


ある日、入間謙蔵（いるまけんぞう）は、再開発として放置されている鉄道跡地でジェットスプリング・ホバーボード(空を駆け回るボード)の練習を行っていた。すると、一台の暴走してきたトラックとぶつかってしまう。
トラックの中には、一体のアンドロイド。
首のリングにはVのマーク、シリアルコードなし。
謙蔵が触れた瞬間、
『認証いたしました』
とアンドロイドは言った。
得体の知れないアンドロイドを中心に、世界はまたうごめいていく。