二人の愛が崩れる頃に、私はあなたと別れました。
君とならどんな困難でも乗り越えていけると思った。
だから、互いに悩み明け暮れ、“愛”の是非を考えた。
愛を知るまで、恋を語れず、恋を知らずに、愛を語れず。
人が誰かに恋をしなければ、誰かを愛す愛は生まれず。
二人で築いた思い出達が、それの証拠で僕らの結晶。
二人でなら、どんな困難でも乗り越えていけると思った。
何度転んでも立ち上がって、涙を拭って走り続けた。
時々歩いたかもしれないし、立ち止まったかもしれない。
だけど、振り向いて元の道に戻ることだけはしなかった。
君とならばどんな困難でも乗り越えていけると思っていた。
君からとても大切な愛を貰い、君という名の愛を知り、
愛という名の君を裏切り、愛という名の君を見棄てた。
君が泣いたとき、僕は過ちに気付いて、何度も謝った。
そして、次の日には元の笑顔の絶えない生活に戻った。
君という名の愛に二人で笑い、僕という名の愛に君は泣き、
愛の大切さを思い出して、心の中で君への愛を噛みしめた。
だけど、君の優しさは、いつからか強がりに変わっていた。
誰にも相談できない二人だけの時間に君は呑まれ、揉まれ、
苦しみ耐え抜いて、それでも笑顔で僕と向き合ってくれた。
時計がチクタクチクタクと一定間隔で時を刻む毎日で、
僕達は互いの心に思い出という名の愛を刻み合った。
互いの愛は巡り、永遠だった無償の愛はなくなり、
いつしか愛は一つになり、愛を叫んで愛に溺れた。
愛に滅んだ僕達は、出逢いと別れを繰り返し、
他の何処かにいる誰かと、互いの愛を分かち合う。
二人とも好きだったカラオケで、互いに愛を歌い、
互いの愛に誓い合い、それでも愛を偽って、愛を失った。
互いの愛を疑い、互いの愛を受け継ぎ、互いに愛を注ぎ合った。
互いに愛を求め続ければ、二人の未来は変わっていたのかもしれない。
誰かを愛して、誰かに愛され、誰かと別れ、誰かと巡り合う。
誰かを裏切り、誰かを信じて、誰かを想って、誰かを愛す。
そんな恋人同士の当たり前に呑み込まれた僕達は、
愛に砕け、愛を蒔き、愛に芽生えて、愛を捧ぎ合う。
愛よ、咲け。 愛よ、誇れ。 愛よ、歌え。 愛よ、散れ。
誰かが、僕達から純粋な愛を奪い、汚れだけを残していった。
僕が死ぬまで、君を愛し続ける予定だった。 はずだった。
君を死ぬまで離さないで、二人っきりで過ごすつもりだった。
君と出逢えてよかった―――。そんな過去形になるはずはなかったのに。
ずっと、これから先も、笑顔の数だけ幸せになって、涙なんて何処かにやって、
互いの愛を確かめ合いながら、ギュッと互いの手を握り合い、愛し合うはずだった。
以心伝心な僕達には、無意味な言葉なんかいらなかったはずなのに。
誓い合った約束さえあれば、意思疎通はできていたはずなのに。
二人が揺られた季節の数だけ、二人の愛は無限大に高まり、
二人で誓った愛はいつでも、僕達のすぐ隣にあったはずで。
なのに、積み上げてきた僕達の愛は、跡形もなくバラバラに崩れ落ちて、
今までの長い彷徨いを隠すかのように、目の前から全てが消え去ってしまった。
今の僕にとっては、毎日やってくる夜が長く、とても長く感じるんだ。
前までは二人で迎えた夜明けも、今では一人で迎えなくてはいけない。
それがとても苦しくて、とても嫌で、何回も、何十回も悩み続けた。
だけど、答えを出すには、君と僕の間の壁がとても多すぎて、邪魔で、
何度もぶつかって、何度も倒れて、何度も砕けて、何度も立ち上がった。
それの繰り返しで、だけど、ちゃんとした答えはいまだに出ていなくって。
君がいてくれたなら、これくらいの辛さなんて簡単に乗り越えられたのかな。
君を裏切り続けた僕には、永遠の辛さを味わうことしかできないのかな。
僕の愛を試すことだけは、やめてくれ。何処かすぐ近くにいてくれるのなら。
大好きな君を今でも大好きでいたいんだ。だから、僕はお別れをまだ言わない。
まだ君を大好きでいるから、片想いな僕は君に別れを言えないままでいる。
何かあれば、躊躇わずに言ってよ。僕はいつどんな時でも君の隣にいるから。
君の胸がトキメいているなら、僕の感情もユラユラ一緒に揺られていて、
君が優しく両目を閉じれば、そこには僕達二人の思い出が刻まれていて、
誓い合った毎日という時間が、僕の歩みを密かに後押ししてくれている。
君なしじゃ感じることのできなかったこんな感情が、大きく揺れだす。
それはまるで振り子のように、好きと大好きの行ったり来たりを繰り返す。
君なしじゃ乗り越えることのできなかった困難が、今 胸の中にあふれ出す。
それはまるで思い出のように、今は懐かしい寂しさだけが僕の心を映し出す。
読みにくかったですよね、すみません;
ですが、最後までお読みいただけて光栄です^^