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悲観の果て 4
「それであなたは麻生と協力してこの事件の計画を立てた」
「その前に誘拐犯は三人いたはずだろう。田村薫と中野条透。そしてリーダーと呼ばれる男。そう報告があっただろ」
「麻生さん。教会であなたはトランプが一番上手いのでエースと呼ばれていた。高崎と桜井は犬猿の仲だった。そして桜井には彼氏がいた。その彼氏はあなた」
「エースとリーダーは同一人物なのだろう。それなら俺は犯人ではない。」
「なぜ同一人物だと思いましたか」
「報告があったから。成り行きですよ」
「成り行き。実はリーダーは二人いたとしたらどうでしょう」
「そんな報告受けていない。それに証拠がない」
「証拠はないが証人はいる。小木実。中野条透。清水美里。彼らはあなたたちが誘拐犯であると彼らが証言しましたよ」
「でたらめだ」
「嘘ではない。犯人はあなただと言った。もういいでしょう。物的証拠があります。誘拐犯の声紋があなたの物と一致した」