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点と線 3
合田がこの真相を話そうと隣を見たが、月影の姿はいなかった。合田は月影を探しに捜査一課室に行った。そこには緊迫した表情でテレビを見ている刑事たちがいた。その内の一人が合田に言った。
「大工健一郎が辞任しました。今記者会見が始まります」
「このタイミングで辞任だと。確かなんだろうな」
「はい。どのチャンネルでも会見をしています」
その時合田の携帯が鳴った。
『斉藤です。今清水良平の自宅の電話にかけてきた女の所にいます。彼女が相手の声が違ったから電話を切ったと証言しました』
「それより知ってるか。大工が辞任するそうだ」
『本当ですか』
「すぐテレビを付けたほうがいい」