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被害者の身元

 その頃廃ビルでは葛城の指揮の下で現場検証が行われた。葛城は現場近くに駐車した女の車を調べた。女の所持品の中にあった車の鍵を使い中に入り免許証を見つけた。葛城は近くにいた鑑識に報告した。

「女の身元は田村薫。二十三歳」

 すると青田が遅れてきた。

「一応この車の写真も撮影して。それと葛城さん。犯人の逃走経路が分かりました。隠し通路です。その証拠に足跡が検出されましたよ。僕はその隠し通路でここに来ました。そこにはこの拳銃が落ちていました。鑑識の話だと犯人はこの拳銃で彼女を射殺したそうです」

「間違いなさそうだな。家宅捜索状は請求しておいた。今から彼女の自宅に行く」


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