33/56
殺人は是認。誘拐は否認。
同時刻。警視庁の取調室で葛城と青田は酒井の取り調べをした。
「あなたはなぜ大工を暗殺しようとしたのですか」
「高野の正義を受け継いだから。高野を殺した時思った。冥土の土産に暗殺をしたくなった」
「なぜ死体を木に吊るしたのですか」
「高野を殺すなら劇場型犯罪にして、マスコミを使い大工の不正を暴こうとしたから」
「ではなぜ関係無い清水美里を誘拐したのですか」
「だから俺は誘拐なんてしていない。信じてくれ」
その様子をスモークガラス越しに合田と月影は聞いていた。月影は言った。
「殺人は是認。誘拐は否認か。どう思う」
「信じるさ。酒井は誘拐犯ではないと」
その時北条が入ってきた。