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こうして誘拐犯は身代金を回収した
十二時の東京駅。清水良平はコインロッカーに身代金を預けた。その周辺を、一般人を装った警察官が数名張り込んでいる。五分たった時女が身代金の入ったコインロッカーに近づいた。そして次の瞬間。女はそれを開けアタッシュケースを回収した。誘拐犯はそれを持ってすぐに逃走すると思っていた。しかし女はアタッシュケースを開けて金を数え始めた。そして彼女は大きな声でこう叫んだ。
「七百八十万百七十円。確かに受け取りました。領収書はここに置いておきます」
女は仲間の用意した車に乗り込んだ。こうして誘拐犯は身代金を回収した。
そして結城と中野の二人は誘拐犯の追跡を始めた。