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内職
第二章最終回
その頃誘拐犯は次の準備をしていた。新聞紙の文字を切り抜き、手紙を作成するのだ。この作業は根気のいるものだ。なぜなら使いたい漢字が都合よく載っていない可能性もあるからだ。かなりの量の新聞から漢字を見つけて切り抜くという作業は労力を使う。行儀を当てて筆跡を隠すという方法の方が、効率がいいのだがこの誘拐犯はその方法を嫌う。そして誘拐犯はやっとの思いで見つけた漢字を紙に貼りつけた。その後誘拐犯はある新聞記事を見つけ写真をナイフで切り裂いた。
『関東地方連続強盗事件。犯人いまだ捕まらず』
「こんな事件のせいで桜井は。もういい。彼女を殺したすべての物に復讐してやる」