2/56
監察対象
刑事たちは署に戻り捜査会議をすることにした。指揮は合田だ。
「北条。今回の事件の死因は何だ」
「死因は射殺です。遺体の正面のトイレに薬きょうと被害者の血痕がありました。犯人はトイレで西野茂を殺害した後木に吊るしたと考えます。トイレは男女共同トイレなので女性も犯人の可能性があります」
合田は指示を出そうとした背の高い茶髪の男が会議室に来た。彼の名前は月影家康。監理官だ。
「合田警部。君を監察対象にする。理由は分かるな」
木原が反論した。
「監理官。合田警部は何もしていません」
「覚えているか。七年前の殺人事件を。今回の事件で三人目だな。あの事件の捜査関係者が死ぬのは」
次回から過去の話になります。
ちなみに西野を殺した犯人は赤い落書き殺人事件Ⅱで明らかになります。