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不審車
高崎と青田は不審車を追跡していた。
高崎は無線で仲間に呼びかけた。
「不審車は現在新宿方面を走行中」
青田は運転しながらつぶやいた。
「あの不審車は捕まりますか」
「確実に捕まるな。仲間に応援を頼んだから」
その五分後不審車の周りを車が囲み不審車は止まった。
しかし運転手は出てくることはなかった。
しかたなく青田は不審車のドアをノックした。
「警察です。東都マンションの駐車場で何をしていたか説明しなさい」
すると運転手の男が車から出てきた。
「警察。俺はアルバイトをしていただけさ。この原稿の通りに電話する。声優のオーディションのつもりでやったのに。まさか本当に警察が来るとは」
「ではなぜ逃走した」
「家に帰ろうとしただけです」
「その原稿を署で預からせてもらう。それとあなたの名前は」
「小木実です」
高崎と青田は小木を連れて警察署に帰った。