誘拐犯からの証拠
そして九時。犯人から荷物が送られて荷物はダンボールだった。西野は中身を確認した。
「中身はアタッシュケース。dvd。新聞紙です。dvdを確認します」
西野はパソコンを立ち上げ中身を確認した。部屋の中にいる捜査員は映像を見た。その映像は清水美里が車に押し込まれる場面だった。車の色は分からなかった。誘拐犯は彼女は押し込んだ後車に乗り込み十秒も経たない内に逃走した。合田はこの映像を見て推理した。
「誘拐犯は複数いるな。最低でも三人いないとこの映像は撮影できない」
西野はこの推理に反論した。
「複数とは限らないでしょう。この映像は誘拐犯が複数いると思わせるための罠の可能性もあります」
「複数と言ったのは運転手が中にいるから。中に運転手がいないとあそこまで短時間で逃走はできないでしょう。誘拐犯は彼女を車に押し込んだ人物と運転手。そしてカメラでこの映像を撮影した人物の三人はいるはず」
合田は同封された新聞を読んだ。その新聞は半年前の物で『大工健一郎の秘書投身自殺』と大きな見出しが書いてあった。合田は良平に質問した。
「良平さん。あなたと大工健一郎とは面識がありますか」
「ありませんよ。かたや中小企業の専務。こなた国会議員です。会う機会はないでしょう」
その時電話がかかってきた。
「誘拐犯からかもしれない。準備しろ」
合田の予感は的中し相手は誘拐犯だった。犯人との交渉が始まる。